東大を圧倒!勢いそのままに早慶戦へ

男子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大 12
東大
▽得点者
山口4、小宮山2、丸山2、伊藤皇、吉田茂、畑田、田口一

 毎年恒例となった五月祭での招待試合。多くの観衆が見守る中、ことしも東大との熱い戦いが繰り広げられた。前半は先制されるも、しっかりと攻撃が機能し得点を重ねた早大。3点差で後半へ折り返すと、勢いそのままに得点を量産する。第4クォーター(Q)で東大の追い上げが見られるがリードを守り切り、12-7で東大を圧倒した。

 「前半の試合のつくり方が良かった」と石渡祐介ヘッドコーチ(平18商卒)が語るように、序盤からオフェンスに光が見える。フェイスオフを獲得できず、そのまま先制点を奪われてしまうが、そこで相手ペースに譲ることはなかった。失点直後にMF伊藤皇希(スポ3=愛媛・今治西)が鋭いショットを放ち、すぐさま1点を取り返す。その後もAT山口俊(国教4=神奈川・湘南)が3得点を決め、相手DF陣を脅かした。第2Q5分にはDF吉田茂高副将(教4=東京・早実)のロングスティックから豪快なシュートが放たれるなど、積極的な攻めの形ができた早大。3点リードの6-3でハーフタイムを迎える。

攻守共に活躍を見せた吉田茂

 前半終了間際に東大がファウルを重ねたため、3人多い状態で始まった後半戦。絶好のチャンスに山口が自身4得点目を確実に収める。その後もAT小宮山駿之介(法4=東京・早稲田)が2点連続で相手ゴールを揺らすなど、早大の得点ラッシュが展開された第3Q。AT畑田峻希主将(スポ4=福井・若狭)を中心としたゴール前の巧みなパスワークが披露され、MF丸山卓郎(スポ4=埼玉・浦和)も2得点を挙げる。第4Qで4失点という東大の追い上げが見られたが、リードを守り切り試合終了。12-7と、3年連続で勝利を収めた。

チーム最高得点を挙げた山口

 先制点を奪われてもすぐに取り返し、相手にペースを譲らない。課題であった試合の入り方を克服し、体現できた今回の試合。チームは着実に成長を見せている。「あすにつながる勝利」(畑田主将)と語るように、早慶定期戦へ弾みをつけた。3年連続で引き分けの伝統の一戦に決着をつける時。あとは全力で挑むだけだ。

(記事、写真 後藤あやめ)

コメント

石渡祐介ヘッドコーチ(平18商卒)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

後半だらけた試合をしてしまったので、そこは反省点ですが、前半を含めて収穫が多くあった試合でした。

――あすに早慶戦を控えての試合でしたが、どのような位置づけで臨みましたか

きょうの東大もリーグ戦で当たる可能性があります。連勝できたという点で良い入りができたと思います。

――具体的に収穫とはどのようなものだったのでしょう

前半の試合のつくり方が良かったと思います。1点ビハインドで迎えましたが、すぐに取り返せました。すぐ修正できたというところは良かったです。

――そういった部分は東京六大学交流戦(六大戦)から調整してきた部分でもありますか

そうですね。何事も入りは重要という話は前から口酸っぱく言ってきました。そこはきょう体現できたかなと思います。

――オフェンス面を振り返って

コート全体を使ったオフェンスができていて、ディフェンスとオフェンスの切り替えも速かったので、そこが東大に勝てた一つの要因だったと思います。

――終盤に東大に得点を決められてしまう場面もありましたが、ディフェンス面は振り返っていかがですか

前半は粘っていたのですが、後半はメンバーが入れ替わったというのもありますが、点差をつけたことで、少し甘かったり、反応が遅いというところがありました。妥協があったのかなと思うので、そこは締め直したいと思います。

――あすの早慶戦に向けて一言お願いします

3年連続引き分けなので、勝ちに行きます!

AT畑田峻希主将(スポ4=福井・若狭)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

勝つことができたのは一番大きいです。しかし試合内容では後半に課題があり、まだまだでした。特にハイプレッシャーになったときのディフェンスが弱いので改善しないといけないと思いました。練習の中でもハイプレッシャーで練習していかないとミスをしてしまうのでチーム全体の課題だと感じました。

――あすは早慶戦ですが、きょうの試合でチームとして意識したことはありましたか

本日の試合と早慶戦で2連戦なので絶対2連勝で終わろうと言っていて、どちらの試合も重要な試合です。東大もかなり真剣勝負でくるのでこちらも負けてはいけない試合と言う位置づけでした。あしたにつながる勝利でした。

――六大戦ではオフェンスが課題と言われていましたが改善できましたか

まだまだ攻撃陣の爆発力はあまりないのですが、そのなかでも確実に点数を決めることができました。しかし、ワセダの強みである個の力、個の強さに磨きをかけないと困ったときに打開できないので、相手にとっての本当の怖さにはならないと思います。

――ディフェンスの方はいかがでしたか

前半分3失点でしっかり抑えることができていいました。しかし、ミディーとロングランとアタックを含めたクリアのところができて初めて守備が完了するのですが、きょうはクリアで6割しか成功していませんでした。半分近くクリアしても再び相手の攻撃になってしまうので、クリアの精度を上げていかないといけないと思いました。

――きょうの収穫は何でしょうか

オフェンスにおいてしっかり点数を重ねることが出来たこととディフェンスではしっかり守れたことは収穫です。

――あすの早慶戦に向けて一言お願いします

個人的には入学以来勝利していないので、ケイオーに負けたくないので勝ちたいです。勝ちたい気持ちは出しつつ、冷静に自分たちがやってきたことの正しさを証明できるように全力で挑むだけです。

AT山口俊(国教4=神奈川・湘南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前半先制されて、良くない流れになるのは嫌だなと思い、そこからチームとして早い段階で点を取り返して、前半リードした状態で折り返せたのは良かったです。第4Qでしょうもないミスで失点してしまって、あまり良くない雰囲気で試合が終わってしまったので、そこは今後の反省点でもありますし、あすの早慶戦でも気をつけなければならない点です。ただ、流れに乗れたときに点数がたくさん入った点に関しては引き続きチームとしてもいければいいかなと思います。

――あすに早慶戦を控えての試合でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

2試合とも勝たなければならない試合で、特にあしたの早慶戦というのは3年連続引き分けていますし、そういった意味できょうの試合というのは、勝ってあすにつなげるというのが一番だと思っていました。とにかく絶対に勝つという気持ちで、きょうの試合に臨みました。

――六大戦からどのように調整してきましたか

自分はアタックでもOFリーダーでもあるので、点を取らなければなりません。とにかくどのような形でも、シュートを打ってゴールを取るというのを大事にしています。自分が点を決めるという気持ちをもって練習してきました。そういう形できょうまでしっかり練習して来られたと思うので、あすはきょう以上に点が取れるように頑張ろうと思います。

――OFリーダーの目から見て、きょうの攻め方はいかがでしたか

クリアから始まってそのまま点を取るという形は普段の試合以上に多く、そこは日頃から課題になっている分、良かったと思います。ハーフフィールドオフェンスになったときに相手のロングのプレッシャーにやられてしまって、結果的に人任せなプレーがチーム全体として増えてしまいました。ハーフフィールドオフェンスで得点することができなかったという印象があったので、そこでもしっかり得点できるようにしたいです。

――OFリーダーとしてのことしの目標は

単純に言ってしまえば、チームで一番点を取ることです。やはり自分が点を取らなければいけない立場ですし、自分が取ることによってチームも勢いづくと思います。そこに関しては継続して、とにかく得点にこだわって12月までプレーして行きたいです。

――あすの早慶戦に向けて一言お願いします

3年間決着がつけられていないので、ここでしっかり自分が中心となってオフェンスでチームを引っ張っていきたいです。結果的にケイオーを圧倒して、ワセダが4年ぶりの勝利ということであすの早慶戦を締めくくれればいいなと思います。