サマーステージ、ウィンターステージと早大ラクロス部は過去2度の新人戦制覇の王者として、最後の新人戦あすなろカップに挑んだ。しかし、初戦の獨協大戦では先制点を奪われた焦りからか、本来の実力を発揮することができずまさかの敗戦。次戦の東大戦は7-2で白星を挙げたものの、獨協大が東大に勝利したため、予選敗退という悔しい結果で大会を終えた。
開始2分、それは突然であった。ファウルを取られたことにより相手にフリーシュートを与え、試合開始早々に先制点を奪われてしまう。それでも前半4分、ワセダにもフリーシュートのチャンスが舞い込む。確実に一点を確保しておきたい局面で、AT秋山拓哉(スポ2=兵庫・豊岡)が放ったショットは無情にもゴール枠外へ。そのまま、1点ビハインドで前半戦を終えた。迎えた後半。「とにかく浮き足立っていた」とG高杉昂生(文構2=東京・桐朋)が振り返るように、9分ハーフという新人戦ならではの限られた試合時間のなかで、追いつけない焦りだけが募っていく。ミスを多発し、再び相手にフリーシュートを与えて追加点を献上。最後は秋山を中心になんとか獨協大に食らいつくも、無念の時間切れとなり、0-2で敗戦。選手たちは悔しさに顔をゆがませた。
まさかの敗戦にぼうぜんとする秋山
予選敗退が決定していた状態で迎えた東大戦。「最後はみんなでゴールに向かっていこう」(MF田口一希、法2=東京・早大学院)。気持ちを切り替え、早大は戦いに臨んだ。前半の序盤こそ拮抗(きっこう)した状況が続いたが、残り1分、秋山が待望の先制点を挙げる。続けてフェイスオフを獲得し、そのままの流れで田口がさらに1点を奪取。2-0で後半へと折り返した。後半では、本来の早大らしさを取り戻し、AT池田侑大郎(商2=東京・早実)、AT田中大智(人2=早稲田佐賀)が決めるなど、怒とうの得点ラッシュとなる。試合終了間際に1点を返されるものの7-2で試合は終了し、早大が堂々の勝利を飾った。
勝利への執念のシュートを放つ田中大
三冠達成の期待が大きかっただけに、予選敗退は誰もが予想し得なかった。しかし、「負けることがどういうことか初めて知った」と秋山が語るように、この経験は決して無駄にはならないはずだ。日本一達成の目標に向け、RED BATSには後ろを向いている時間はない。結果を受け止め、敗戦から学んだことを糧に、必ずや個々人が成長を遂げてくれるだろう。
(記事 寒竹咲月、写真 谷口武、杉田陵也)
結果
▽ブロック予選
1回戦
●0-2獨協大
2回戦
◯7-2東大(得点者:池田侑2、秋山、田口、近藤、田中大、内藤)
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コメント
下司健太郎コーチ(平27教卒)
――あすなろカップはどのような目標で臨みました
きょねん優勝できなかったというのがあり、サマー、ウィンター優勝しているので、必ず三冠取るというつもりでやってきたと思います。
――結果は予選敗退となってしまいましたが、きょう振り返っていかがですか
ワセダのラクロス部として、勝たなければならなかった試合に勝てなかったということに対しては、しっかり責任を持ってほしいなと思います。その上で、何が勝てなかった原因なのか、何が優勝できなかった原因なのか、出ていた人も出てなかった人も全員が考えてほしいなと思います。それができなかったら、この2年生の代の成長というのは無くなってしまうと思うので、今まで負けてこなかった分この敗戦というのを次に生かしてほしいなと思います。
――この試合の前の調子はいかがでしたか
伸びている部分はあったと思いますし、逆にもっと伸ばさなければならない部分、伸びていないという部分があったので、そこはもっと成長できていれば良かったかなと思います。全体的にやはりサマー、ウィンターで優勝していることもあって、若干慢心といいますか、勝てるんじゃないかという気持ちは少なからずあったと思います。
――気持ちの部分が敗戦につながったというのが大きいですか
それも一部あると思いますね。細かく戦術的な部分や細かい技術的な部分を言えば、他にも原因はありますが、気持ちの部分でそういう面があったので、相手にのまれてそのまま負けてしまったというのがあると思います。
――1試合目の相手にフリーシュートを決められてしまった場面を振り返って
少し浮き足立ってしまったといいますか、焦る気持ちが出てきてしまったかなとは思います。
――2試合目はどのように切り替えて臨みましたか
一つ前の試合で予選敗退が決まってしまっていたので、あとは勝つということしか今できることはなかったので、まずは絶対に予選敗退、通過関係なく必ず勝とうということで、切り替えられていたと思います。
――2試合目を振り返っていかがですか
1試合目と比べれば格段に良くなっていたと思います。しかし、きょねん1年間見てきた僕個人の意見からすれば、まだまだ今のチームはできるなと思いますし、やらなければワセダの伝統というのは築かれていかないなと思いました。2試合目で満足せずに、自分たちの足りなかったところ、伸ばせたところ、逆に良かったものは何かというのをしっかり分析して、今後も成長してほしいです。
――学生コーチの目から見て、新人戦を総括していかがですか
夏に関しては2チームに分けて、良い意味で下が上を倒してやろうとモチベーションが上がっていましたし、上のチームは下に負けないということで、良い具合で切磋琢磨できていたと思います。それが良い結果につながりました。ウィンターに関しては3つに分けて、一人一人の出場機会が増えました。今まで試合に出られなかった選手も出られるようになりました。βの選手は上のチームを越してやろう、αは下を見ずにまずは自分たちがしっかり優勝しようという気持ちでやってきたという点では良かったと思います。あすなろに関しては、上級生と普段練習して、自分たちの代だけで練習するということがなかなかできませんでした。2年生として一つの大会に臨むというのは難しいことだと思いますが、ワセダの上級生と一緒にやっている以上、ワセダの選手としてやっている以上はもう少し大会への良い臨み方があったのかなと思います。そこは今後の自分たちの課題、改善点として臨んでほしいです。
――最後に2年生の選手たちに伝えたいことはありますか
まずはこの敗戦を忘れずにしっかりと生かしてほしいというのが一つです。あともう一点は、個々の部分でもっと強くならなければいけません。個の力を伸ばさなければいけないなと思っています。きょうの試合も1試合目は特に、勝利というよりはチームの戦術として組織として、相手を倒そうというところが大きかったです。個の部分で勝負していくというのがワセダのラクロ特徴だと思います。そこがワセダの伝統を築いてきた一番大きな部分だと僕は思っているので、出ている選手、出ていない選手関係なく、成長してほしいです。その強くなった個が結集した結果、組織が強くなると考え方でいてほしいです。まずは自分たち個人の力を伸ばして、普段の練習に取り組んでほしいと思います。
AT秋山拓哉(スポ2=兵庫・豊岡)
――2戦目の東大戦後も顔に涙を浮かべていましたが、それはどういった感情から出てきたものなのでしょうか
学年キャプテンをやらせてもらっていて、自分のラクロスに対する取り組みや、きょうのあすなろカップを優勝することに向けて、一生懸命取り組んできたとは思います。自分の中でそれらはしっかりできているつもりでしたが、結果的に負けたということは、(取り組み方が)甘かったり、おごりや慢心があったのではないかと思います。やっぱり悔しいなという気持ちで、涙が出ました。
――ブロック予選敗退という結果は、やはり悔しいというのが率直な気持ちですか
はい。先輩方やOBの方々からも優勝しろよと声はかけていただいていました。伝統のある早大ラクロス部を背負わせてもらっている中で負けたというのは、恥ずかしさや悔しさという気持ちにつながったと思います。
――昨年のウィンターステージの際にも「プレッシャーに押し潰されそうになった」とおっしゃっていましたが、今回もプレッシャーは大きかったのでしょうか
プレッシャーはやはりありましたが、それを打開する力や相手に絶対勝つという自信がまだ足りなかったのかなと思います。
――秋山選手自身のきょうの調子としてはいかがでしたか
試合前にケガもありましたが、そういうことも含めて自分の体調管理ができていませんでした。1試合目の独協大戦も自分の力で打開できなかったので、まだまだ自分の力不足です。
――そういった感情はやっている間はやはり気付きにくいですか
負けてみないとわからないと思います。勝たないと意味がないとこれまで教わってきましたし、自分もそう思っていました。でもそういう考えが甘かったです。きょうは負けることがどういうことか初めて知ったので、その負けたことをどう生かしていくかが今後の結果につながってくると思います。
――失礼な言い方になるかもしれませんが、この負けから得られたことが多いということは、少なからず負けて良かったと思う部分もあるのでしょうか
はい。これまで一回も負けたことのないチームなんてなかったと思います。いずれどこかで負けるでしょうし、そう捉えてもおかしくはないと思います。
――独協大戦の先制された場面を振り返っていかがでしたか
サマーステージやウィンターステージに比べて、1点取られても自分が1点取るという自信がなかったです。力がないからそう思うと思いますが、力がないから挽回できませんでした。
――チームとして研究されている感じなどはありましたか
自分がゴールに向かった時に、ホットなども速くやってきて、(自分が)結構ケアされているなと思いました。でもそれを打開できる自分の力もありませんでしたし、周りの力もありませんでした。
――ビハインドの状態でハーフタイムを迎えられましたが、どのようなことを話し合っていましたか
1点取られてもフリーシュートによるもので、ディフェンスは悪くありませんでした。オフェンスでなんとか打開しようと言いましたが、ウィンターステージのときみたいに負けていても大丈夫、自分たちならできるといった声がありませんでした。そういったことなかったことが、自身のなさにつながったと思います。
――秋山選手はシュートを打つ機会は多かったですが、後半に入って調子の修正などはできましたか
自分に決定的なシュートチャンスが3回あって、それを全部は外してしまいました。結果的に0-2で負けたということは、自分がしっかり(シュートを)決められていたら勝てたと思います。勝てないから上のチームに上がれなかったり、上のチームで活躍できないといったことに全部つながってくると思うので、自分の個のスキルや強さを高めていきたいです。
――東大戦に臨む前に残念ながら敗退が決まってしまいましたが、どのように臨まれましたか
自分は投げやりな感じになってしまいました。でも試合に出られない人やベンチにいる人が頑張れと声をかけてくれたので、最後までしっかり取り組めました。
――東大戦では得点後はチームで喜ぶ場面もありましたが、1点取れた喜びはありましたか
そうですね。(チームメートが)喜んできてくれたということは、まだみんな諦めていないんだなと。自分だけ弱い気持ちになっていたんじゃないかと思います。
――効果的に得点を重ねていましたが、戦術面で変えたことなどはありましたか
1試合目を終えてコーチの方に言ってもらったことが、ゴールに全然向かえていないと。ゴールに向かう気持ちが足りないから、相手も怖くないしシュートまでできないと言われました。開き直ってゴールに向かう気持ちをもっと強く持とうとみんなで言い合いました。
――2試合目は試合しながらももどかしさを感じる部分はありましたか
そう思ってはいけませんが、次の早慶戦(早慶定期戦)やこれから自分たちの代になった際のことを考えると、こういう消化試合もしっかりしなくてはいけないと話し合いました。そういう意味では、最後までみんな前向きに取り組めました。
――冬場はどのようなことに取り組まれていましたか
冬場はチームを離れて学年で練習する機会もあまりなかったので、おのおののチームで自分のできること、足りないことをしっかりしようと学年の中で話し合っていました。
――新人戦3大会のうち2冠は収められたわけですが、新人戦を総括していかがでしょうか
サマーステージとウィンターステージは学生コーチの方やヘッドコーチの方のご指導もあり、圧倒ができました。しかし、いざ自分たちの代だけで取り組んでみたら伸び悩んだり、強くなれませんでした。優勝できていたのは学生コーチのおかげであって、(今大会は)一人一人が引っ張っていく自覚や責任感が足りなかったです。
――学年キャプテンとして責任は感じてしまいますか
自分が決めきれなかったのももちろんですし、チームをしっかりまとめきれなかったし、全員を同じ目標に向かえさせてあげられなかったのは反省する点かなと思います。
――2週間後には早慶戦も控えていますが、個人としてもチームとしても磨いていきたいところはどのようなことでしょうか
ことしのチームの目標が、全日本選手権で優勝することです。それを達成するには自分や2年生も含めて、まだ力が足りないです。まずは個人の力や強さを高めていきたいです。
――今後はどのような選手になりたいですか
上級生の方々のアタッカーが素晴らしい方ばかりなので、その人たちに負けないように食らいついていきたいです。あとはきょうみたいな苦しい時でも、自分で打開してチームを勢い付かせられるような選手になりたいと思います。
AT池田侑大郎(商2=東京・早実)
――いまのお気持ちは
悔しいです。
――1試合目、獨協大戦を振り返っていかがですか
1試合目は、最初ファウルで失点してしまって流れがあっちにいって、自分たちが焦ってしまったというのが敗因です。それでも大丈夫だと思える自信が自分たちにはなかったので、これからそう思えるように練習を重ねていきたいです。
――1点ビハインドで迎えたハーフタイム、どのようなことを話し合いましたか
1点はしょうがないから、とりあえず切り替えて追い付こうという話をしました。
――予選敗退が決定してから臨んだ東大戦、どのように切り替えましたか
みんながどうだったかわからないのですが、自分はこの試合は学年試合としては最後の試合だったので、楽しんで1点取りたいなと思って臨みました。
――2得点挙げられましたが、池田選手ご自身の調子はいかがでしたか
きょう通じてそんなに悪くはなかったので、余計に悔しいです。
――大会を通して見えた、チームとしてまた個人としての課題は
攻めをする上で必要なことがいくつかあって、そのうちの一つにパスがあったんですけど、それに自分たちが自信を持てなくていろんなことを制限したプレーになってしまいました。いろいろなことに関してとにかく自信をつけたいです。これからの練習で、これだけやったんだから大丈夫だと思えるような自信をつけていきます。
――具体的にはどのような点ですか
具体的に言うと、チーム全員がパスキャに対する不安を感じながらのプレーだったので、パスキャの技術力を向上していきたいですね。
――今大会はどのような大会になりましたか
あそこで強くなれた、と思いたいです。
――サマー、ウィンターステージ、あすなろカップと三つの新人戦を通していかがでしたか
サマーは下のチームで出てαのチームに負けて悔しさが残って、ウィンターで初めて上のチームで出て自分としては初めて優勝しました。なので、あすなろもこのまま行きたかったんですけどこういう悔しい結果になってしまいました。これからは上級生、下級生と一緒のチームになっていくと思うので、引っ張れるような選手になって全日本選手権では日本一になって、ラクロス楽しんで終わりたいです。
AT田中大智(人2=早稲田佐賀)
――三冠のかかる試合でした。どのような意気込みで臨みましたか
優勝するための姿勢をしっかり見せようというのと、試合に出る人とでない人がいたんですけど、それぞれ自分のやるべきことをしようとしていました。
――1試合目は無失点に終わりました。ATとして試合を振り返っていかがでしたか
先に1点目を入れられて点を取るべき3人が焦ってしまって、1点取られただけでなく1点でまずいと思ってしまって。相手の長いポゼッション時間の中で焦ってしまってそのことが原因で攻めたり回すことができませんでした。
――1試合目が終わった後、チームではそのような半紙をしましたか
今までやってきたことを。自分たちの試合の前に東大が負けて敗退が決まっていたんですけど、やってきたことを出さずに終わるのはもったいないと思ってしっかり話し合いました。
――2試合目は得点も決められました。振り返って
2試合目はその分も全部ぶつけようと思ってやりました。個の部分で勝負できました。
――満足できる試合でしたか
パスキャの技術だったりとか他大に劣るので自分でやるのも大事でしたが、チームでやることを今後どんどんやっていかないといけないです。完全に自分達は1番弱い状態なので。
――2年生は人数が多くまとまるのも大変かと思います
結構意見が分かれるんですけど、きょう1チームで試合をするときに出られるメンバーと出られないメンバーに分かれてその意識の差が難しいです。全員がやるべきことをやろうというのがまとまるポイントなのかなと思います。
――最後に、今後の意気込みを教えて下さい
サマーとウィンターどっちも取ってきて最強だと勘違いしていました。あすなろでわかったことは自分らが1番弱いということです。これからいろんなチームに分かれますが、みんながAチームで活躍して最後4年生では日本一になれるように頑張りたいと思います。
MF田口一希(法2=東京・早大学院)
――三冠がかかった今大会でしたが、どのような意気込みで臨みましたか
優勝が絶対条件という感じの中で、どこかで優勝できるとか、予選は突破できるとか、そういう奢った考えがあったので、足元をすくわれてしまいました。それが今回の反省点です。
――獨協大に先制を許した時のチームの雰囲気はいかがでしたか
先制されてしまって、こちらから焦って、たくさんミスをして、2点目もファウルから取られてしまいました。なので、もっと落ち着いて自分たちのオフェンスを大事にしていればなと思いました。
――チームが浮き足立っているということは、試合前から感じていましたか
最初からそう思っていました。自分たちの試合前に、決勝トーナメントに進出したら当たる可能性があるチームが試合をしていて、自分たちの試合ではなく、みんなその(決勝トーナメントで当たる可能性のある)チームの試合に集中し過ぎていると思いました。
――後半も切り替えることができなかった要因はどうお考えですか
チームみんなで戦うということができていなくて、攻撃の中心の秋山をみんなでサポートできずに、秋山をカバーできなかったという感じです。
――ご自身の獨協大戦の反省点はありますか
自分がもっと攻撃を引っ張って、チームに勢いを持って来られたら良かったなと思います。
――予選敗退が決まった中での東大戦には、どのような目標を持って臨みましたか
この学年でできる最後の試合ということで、予選敗退ということは決まっていましたが、最後はみんなでゴールに向かって思い切りやっていこうということは決めていました。
――そのような目標を持って挑んだ東大戦は見事に快勝しました。この試合で何か得られたことはありますか
この学年はサマーステージ、ウインターステージで優勝をしていたので、この大会で負けということを知りました。なので、しっかりと地に足を付けて、自分たちが上級生になった時にはみんなが試合に出て活躍できるようにしていきたいと思います。
――新人戦シーズンが終了しましたが、この学年の特徴は何であると思いますか
人数が多く、良くも悪くも暴れる学年だと思います。しかし、きょうは暴れられなかったというか、それが今回の敗因かなと思います。
――新人戦シーズンを通じて、このチームが成長できた部分は何ですか
サマーステージとウインターステージは、完全に秋山が一人で頑張るチームだったなと思いますが、徐々にDFなら黒瀬(聡志、政経2=東京・錦城)が中心になって守ったり、MFなら鈴木潤一(教2=東京・城北)だったり、上のチームを経験した人がチームを引っ張れるようになってきたことが良かったなと思います。しかし、今回は引っ張り切れなかったので、そこが足りなかったです。
――次の早慶戦に向けての意気込みを教えてください
自分は2年生なので、試合に出たら思い切りの良いプレーをして、頑張りたいと思います。
MF内藤壮志(政経2=埼玉・早大本庄)
――きょうの2試合を振り返っていかがでしたか
1試合目(獨協大戦)はすごく弱気で、自分もフェイスオフの時に反則したくないと思ってしまって、攻め切れずにどんどん流れが悪くなって終わってしまいました。2試合目(東大戦)は予選敗退も決まっていましたし、失うものもなかったので、攻め気でいけました。そうしたら、すごい良い流れになったので、最初弱気だったことが絶対に敗因だったなと思います。なので、これからはそういうことに気を付けてやりたいです。
――その弱気になってしまったことの要因は何ですか
予選は突破して当たり前みたいに思っていましたし、相手のことが見えていませんでした。そして、(試合の)入りで流れが悪くなって、自分たちで勝手に焦ってしまいました。本当は、こういう形で点を決めて勝とうということを決めていたのですが、結局そこに至らずに、やりたいことができずに終わってしまったので、本当に自分たちから崩れてしまったという感じですね。慢心ももちろん要因ですし、(試合の)入り方も良くなかったです。
――試合前に決めていたゲームのプランというのは、具体的にどのようなものですか
ある程度誰がパスをして、誰が点を決めるのかということは決めていました。最初はとりあえず1点目が欲しいので、その決めたプレーをしっかり遂行しようと決めていましたが、いざ本番になって、しかもビハインドという状況になると、焦ってその決めた形を作らずに流れでオフェンスをしてしまいました。フェイスオフに関しては、最初は相手の状況も分からないので、少なくともグラボにして、簡単に相手に主導権を渡さないようにしようと言っていましたが、自分が弱気になって反応せずに簡単に相手に(主導権を)渡してしまいました。やはり1試合目はやりたいことが全然できなくて、2試合目は失うものもなかったので、攻め気にいってそれがうまくいって、どんどん勢いに乗れたので、最初からあれができていればなと思います。
――獨協大に先制点を決められた時は、焦りというのはありましたか
そうですね。フリーシュートで簡単に取られてしまって、中にいる選手は完全に焦ってしまって、パスをするにも周りが見えなくなってしまいました。結局、いつも通りのことができなくてしまったことが悔いるところです。
――後半のチームの様子はいかがですか
(前半から)切り替えられなかったですし、相手も時間稼ぎをして焦りを煽ってきて、こちらも乗っかってしまいました。審判に抗議をしたりみっともないこともして、流れが悪いまま試合が終わってしまいました。
――1試合目と2試合目の間にチームではどのような話がありましたか
(チームのモチベーションは)下がっていましたが、侑大郎(池田)をはじめ何人かが必死に気持ちをつないで、最後は予選敗退が決まったけれど、自分たちがやりたかったことをきっちりやって終わろうという空気にしてくれました。それで、2試合目は思い切ってやりました。
――予選敗退が決まった中でも東大戦では快勝できました。そこに関しては得られたこともあるのではないでしょうか
そうですね。そこで気持ちを切らさずにいけたのは、チームとして最後の良かったところだと思います。
――チームとして、この敗戦をどのように捉えていますか
もちろん反省しかありませんが、これからにつなげるためにもここで切り替えて、学年としてやっていくしかないですね。
――新人戦シーズンを振り返っていかがですか
最後に甘さが出て結局負けてしまって、本当に悔しいですが次につなげるように頑張ります。
――次戦の早慶戦に向けて意気込みをお願いします
出番があるかは分かりませんが、今回学んだ、とにかく攻め気でいくということを一貫してやっていきたいと思います。
G高杉昂生(文構2=東京・桐朋)
――獨協大戦では序盤に先制を許す展開となりました。先制点を取られた場面を振り返っていかがですか
試合が始まってすぐのときで、失点のかたちがファールを取られてフリーシュートを与えるという得点を取られやすいパターンでした。そこでフリーシュートを与えてしまって点を取られるというのは流れ的にも良くなかったと思います。そこから浮き足立ってしまい、オフェンスもディフェンスも自分たちのやりたいことができなくなってしまったと思うので、やはり試合の入りが良くなかった印象がありますね。
――その後、後半にも得点を許す苦しい展開でした
試合時間が短く、前後半合わせて18分という時間でした。その中で前半に相手にリードされて、後半も自分たちのやりたいことができないまま相手にボールをキープされていました。また微妙な時間帯にファールを取られて、こちらもテンパってしまいましたね。フリーシュートにはもともと対策もあったのですが、それを試合中に変えたりして。もうとにかく浮き足立ってましたね。流れが良くない中で焦って、無理にボールを奪おうとしてファールを取られて。残された時間を考えてもう少し冷静に守っていれば、オフェンスにつなげられたのかなと思います。あの場面でいらないファールを取られて、結果的に失点してしまったというのはディフェンスの責任なのかな
と感じています。
――DF陣の連携はきょうはいかがでしたか
練習時間もあまり取れなくて、準備できているようであまりできていなかったのかなと試合中に痛感しました。練習時はうちのAT陣がどういう攻め方をしてくるかとかも分かっていますし、こうやって他大が攻めてきたときに、それに対応できるほどの連携も技術も足りなかったのかなと思います。
――その中でどういった練習をされてきたのですか
練習試合もあまり組めませんでしたが、練習では6対6という基本の練習を本数こなして、マークの受け渡しだったり組織的なところを詰めようとやっていました。
――サマーステージ、ウィンターステージ、あすなろカップと新人戦がありましたが、そこで得たものはありましたか
サマーもウィンターも危ない試合がいくつかあって、それでも結果的に優勝できてしまったから自分たちも戦えるという自信があったと思います。でもあすなろでこういった結果が出てしまい、試合内容からも分かるようにグラウンドボールも全然取れないし、ショットも全然決まらないし、技術的な部分でまだまだ足りないところがあったにも関わらずそれに気付かずにただ漠然と練習していたというのを、このあすなろが終わって感じました。それに気付けたというのは、むしろ今回得られたものなのかなと思います。
――これからもラクロス部としての競技人生は続きますが、意気込みをお聞かせください
いまの自分にはAチームに絡めるような実力もないので、個人的にはこれから試合にたくさん出て経験を積んで、Aチームで試合に出られるような選手にならなければいけないと思いますし、それが目標です。学年としてはまだまだ技術にも差がありますし、経験も実力も全く足りないというのが分かりました。あと2年間でそれをどれだけ上げられるかというのがこれからの課題だと思うので、チームとしてもっと努力して、レベル上げの力になれるように頑張りたいです。