冬の覇者、まさかの予選敗退

男子ラクロス

 年に3度行われる新人戦。その集大成となるのが、このあすなろカップだ。早大は前回の新人戦であるウインターステージで優勝。今回の大会は追われる立場として臨んだ。しかし、予選リーグの初戦でエンジンがかからず、まさかの敗戦。2試合目では大勝するも、決勝トーナメントには進めず。あすなろカップ5連覇の夢ははかなく散ることとなった。

 初戦の相手は大柄な選手が多い東洋大・武蔵大合同チーム。開始3分で先制を許し、苦しい展開を強いられる。「焦ってしまった」(MF矢野博、商2=神奈川・逗子開成)。ここから歯車が狂いはじめる。相手の厳しいディフェンスの前になかなかシュートレンジに入れない。また、相手の2度のファールからシュートチャンスを得るが、どちらもゴールの枠を捉えることができない。すると、9分にもゴール裏から突破され、2点目を献上。後半は早大がシュートを多く放つものの、相手ゴーリーに阻まれるなど、得点につながらない。もどかしい時間が続く中、相手のカウンターに対応できず失点し、万事休す。0-3でのまさかの完封負けに、選手たちはグランドに座り込み、うなだれた 。

敗戦の瞬間、悔しさをにじませる

 一転して、2試合目の愛知大との一戦は見違えるような試合を見せた。「気持ちを切り替えて、みんなが自分たちのラクロスをしようと思ってやっていた」と矢野が語るように、普段の積極的なラクロスを取り戻した。先取点はMF大橋正幸(政経2=東京・早大学院)。続けてAT髭本慎吾(政経2=東京・早大学院)もゴールネットを揺らした。その後、1点を返されるも、ここから早大のゴールラッシュ。終わってみれば、10-1。特に際だったのが、5得点を挙げた髭本。「決められるチャンスは何度もあったのですが、そこで決めきれなかった」と1試合目の無得点を嘆いたが、2試合目でしっかりと修正し結果を残した。

5得点の活躍を見せた髭本

 まさかの予選敗退で、大会5連覇はならなかった早大。2試合目は大差で勝利を収め、いつも通りのREDBATSらしさが出始めていただけに、初戦の敗戦が悔やまれた。ここからは学年の戦いではなく、チームとしての戦いとなる。早大の誇りとこの日の悔しさを胸に日本一へ邁進してほしい。

(記事 田島光一郎、写真 菅原拓人)

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結果

予選Gブロック

●0-3東洋大・武蔵大合同チーム
○10ー1愛知大(得点者:髭本5、竹井2、矢野、大橋正、佐藤大)

コメント

大山大介コーチ(平26スポ卒=東京・武蔵)

――この大会の総括をお願いします

1試合目で自分たちのやりたい試合ができずに負けてしまいました。2試合目は勝てたのですが、負けは許されない試合で負けてしまったのでもったいないという感じです。

――どのような試合を目指してこの大会に臨みましたか

ワセダの強さというのは、グラウンドボールなどニュートラルなところで激しくいって、相手に走り勝つということが長所だと思います。ですが、1試合目は球際で相手に負けてしまっていい形でボールをポゼッションできなかったですし、大事なところで軽いプレーがあったりして、自分たちが目指していたところとは違ったかなと思います。

――連覇ということは意識されていたのでしょうか

やはり4連覇していて、もちろん5連覇ということは意識していました。代々つないできたものだったので、選手たちもすごく意識していましたし、さらに(連覇の)数を積み上げようという感じでした。

――1試合目と2試合目の間にはどのようなことを話しましたか

ディフェンスに関しては、球際のところでしっかり体に行けていなかったところです。全体としてはグラウンドボールなどニュートラルなところで行き切れていなかった部分があったので、そこはもう一度原点に帰って強くプレーしようということは話しました。

――練習や試合を通じてよかった選手がいたら教えてください

みんなうまくなっているとは思うのですが、オフェンス陣は個人でシュートまで持っていける選手が多いので、特別に誰というわけではないのですが、日に日によくなってきているなと思います。

MF矢野博(商2=神奈川・逗子開成)

――初日を振り返っての感想をお願いします

最初の東洋大・武蔵大のところで気持ちが入りきらず、先制されて焦ってしまって、自分たちのラクロスができなくなってしまい、それが原因で負けてしまいました。そこから切り替えて、自分たちのラクロスをしようということで、2試合目は勝てたので、あとは結果を待つのみという感じですね。

――1試合目は完封負けでした。どのようなところが要因として挙げられますか

やっぱり先制されたので、焦ってしまった。じっくり攻めれば崩せるところを攻め急いでしまって、結局相手ボールになってしまうというところが要因だったと思います。

――2試合目は打って変わって10得点でした。具体的に修正したところは

プレー一つ一つを修正するというよりは気持ちの部分でした。昨年も学生日本一を取っていますし、負けられないというところをもう一度確認して、ワセダなので勝たなきゃいけないというのを意識してやりました。

――ご自身のプレーに関してはいかがでしたか

1試合目は自分がフェイスオフで取り切れずに、悪い流れを持ってきてしまいました。やはり、入りのところでチームを思うように引っ張ることができなかったなと思います。

――2試合目は多くの選手がシュートを狙う意識が見られましたね

そうですね。気持ちを切り替えて、みんなが自分たちのラクロスをしようと思ってやっていたので、いつも通りのラクロスが出たなという感じですね。

――決勝トーナメント進出ができたら、あすはどのように戦っていきたいですか

いまは危機的状況で、もし上がれたら、2試合目の良い流れのまま3戦全て勝って、5連覇したいと思います。

AT髭本慎吾(政経2=東京・早大学院)

――きょうの2試合を振り返っていかがでしたか

1試合目は初戦ということで、自分たちはサマーステージ、ウィンターステージと初戦を苦手としていて自分たちのプレーができなくてそのまま終わってしまったという感じです。2試合目は気持ち入れ替えていこうということで、全員しっかり気持ちを入れ替えてプレーできたということは今後のラクロスが3年間続くわけですし、そこに生きると思うのでこれを糧に今後成長していきたいなと思います。

――連覇のかかった大会でしたがどのような意気込みで臨まれましたか

個人の目標としては1試合2得点くらい取れればいいなと思っていて、チームとしては当然優勝を狙っていました。自分は対外試合とかもBチームとかで試合に出させてもらっている立場なのでしっかり試合経験を生かしてやっていかなければいけないところだったのですが、初戦では自分が足を引っ張る形になってしまい、悔しい気持ちでいっぱいです。

――1試合目得点に至らなかった理由としてはどのように考えていますか

決められるチャンスは何度もあったのですが、そこで決めきれなかったというのは日頃の練習でしっかり1球の重みという部分ができていなかったということの現れだと思うので、しっかり日々の練習からシュートを1本1本決め切るということを意識できていなかったということがこういう結果につながってしまったのかなと思います。

――1試合目での修正点は話し合いましたか

オフェンスとしては、1試合目は悪いオフェンスというよりは決め切る部分というのが課題であげられていたので、1人1人がゴールに向かう姿勢ということを貫いてやろうという話はしました。

――2試合目は大勝となりましたが修正できたということでしょうか

相手も相手でしたけど、しっかり1人1人がゴールに向かう気持ちの部分はできていましたし、大量得点で勝つしか決勝トーナメント進出の可能性は残っていなかったのであとは待つだけですが、ゴールに向かうという部分ではシュート本数も多かったですし点につながったと思います。

――ご自身のプレーはどのようなものでしたか

まあ自分としては決めて当たり前の部分で決めただけなので(それだけで全体のプレーが)納得とは言えないですが、点を取るという意味においては
納得できると思います。

――これからに向けた抱負をお願いします

もう新人戦はこの大会で終わりですがあと3年間の大学ラクロス生活をいいものにするために、自分たちが4年生になったときに日本一になるチャンスというものは残っていると思うので、しっかりと日本一を取るためにこの負けを生かさないといけないと思っていて、さっきも言ったように点を決め切るといったところができなければ今後も同じような結果となってしまうと思うので決めきるということを意識してやっていきたいと思います。