第36回 関東学生リーグ戦 1部Bブロック
9月28日 東京・大井ホッケー競技場サブピッチ
Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
早稲田大学 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 |
青山学院大学 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
得点者
1Q
鶴見雄太
2Q
松田選
3Q
赤平裕亮
4Q
永岡秀斗
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
ここまで関東学生リーグ戦(リーグ戦)4戦を終えて2勝1敗1分けのRED BATS。日本一を目指す前提条件となるFINAL4進出のためには、この日の青学大戦に勝利し、日体大が翌日の最終戦で引き分け以下が必要な状況にあった。4年生の引退がかかるこの一戦は、序盤から思うように得点を奪えずに重苦しい空気に。それでも第3QにDF赤平裕亮(社4=千葉・県立船橋)の得点で勝ち越すと、最後まで虎の子の1点を守り切って4-2で勝利をもぎ取った。チームの行方は他力に頼るのみとなったが、翌日に日体大は敗北。土壇場で踏みとどまった早大は2年ぶりのFINAL4進出を決め、「田中組」の戦いが続くことになった。
ボールを保持する鶴見
日本一のためには勝利しか許されないこの日の試合は、硬さからかミスが相次いだ。第1QはフェイスオフでFO今井誠梧(文構4=東京・国分寺)がポゼッションを獲得したものの、前線でパスミスをしてしまい青学大ボールに。その後も自分たちの攻撃ができず、もどかしい展開となった。MF松田選副将(国教4=埼玉・早大本庄)らが多彩なショットを放っていったがネットを揺らすことができない。しかし粘り強く先制点を狙った早大は、MF森田翔吾(法4=東京・早大学院)、MF鶴見雄太(政経4=埼玉・早大本庄)とつないでクロスを振り抜くと、ようやくゴールを捉えて先制には成功した。
だが、試合が第2Qに入っても流れをつかみきることができない。早大の反則による3分間のマンダウンは鶴見、AT小川隼人(政経3=東京・早実)がコートを走って時間を稼ぎ、ピンチをしのいだ。しかしその後のピンチでは自陣内を揺さぶられると、ゴール前にできた隙からフリーの相手がボールを流し込んで1-1の同点に。MF岡地慶人(政経3=愛知・滝)らのショットは枠外が続き、自分の態勢で攻撃に臨めず。松田副将が鋭いショットで勝ち越し点を挙げて悪い流れを断ち切るかと思われたが、G長田謙伸(政経2=埼玉・大宮開成)が一度セーブしたこぼれ球をゴールに押し込まれてすぐさま同点に。相手のゾーンディフェンスに苦戦し、防戦が続く中でできたほころびから失点してしまうケースが続いた。
得点に喜ぶ赤平(中央)と選手たち
試合は2-2で後半戦に突入。MF池田敦(法4=東京・早大学院)、MF榊原瑞生(法4=神奈川・浅野)らが体をぶつけてボールを奪う強度の高いディフェンスを見せると、早大は攻撃態勢へ。森田、AT永岡秀斗(創理4=東京・早実)の連携は得点に至らずも、直後に長田が的確なロングパスで前線にボールを供給し、チャンスメイク。そしてボールを受けたDF赤平裕亮(社4=千葉・県立船橋)が弾丸ショットを決め、再度リードを得ることに成功した。これで重い空気を払拭し、AT長谷優太郎(商4=東京・早実)、鶴見、AT花井コルトンヘイズ(国教3=アメリカ・マッキントッシュ)が立て続けにゴールを狙っていく。得点は奪えなかったが、明らかに試合の流れが変わり最終第4Qに進んだ。
1点でも多く相手より取る必要がある早大は、追加点を狙っていった。ゴール付近でボールを保持してフリーとなったDF亀田祐真(文構4=東京・暁星)がワンバウンドでショットを放ったが、ボールはゴールの上へ外れてしまう。追加点が遠く、点差は1点のまま残り時間が約2分になったところで、早大のピンチが到来した。岡地のバーに当たったショットから青学大ボールになると、クリアを許してしまい自陣内の攻防に。1失点も許せない緊迫した場面だったが、最後は相手のショットを長田がきっちりセーブ。この日も「守護神」としてチームを救い、1点のリードを守り抜いた。残り時間が少なくなる中、ボールを保持していた永岡が相手の隙を見つけるとそのままゴールに流し込んでここで待望の追加点。4-2と勝利を大きく手繰り寄せる得点が飛び出し、2点差をつけたところで試合終了。終盤には早大らしいラクロスを見せ、リーグ戦最終戦を勝利で飾った。
ボールを保持する永岡
こうしてプレッシャーのかかる試合で見事に勝利をおさめたRED BATSは、翌日の試合結果を待ってFINAL4進出が決定した。昨年は立つことができなかった舞台に2年ぶりに返り咲き、いよいよ日本一への道のりが始まる。「ここからが本当の勝負」と赤平が語るように、これまで以上に厳しい戦いとなることは必至だ。それでも、「田中組」が目指してきたのは日本一ただ一つ。2019年以来の頂点へ、歩みを止めることなく突き進むのみだ。
(記事 西村侑也 写真 熊谷桃花、長屋咲希、西村侑也)
試合後インタビュー
DF赤平裕亮(社4=千葉・県立船橋)
――試合全体を振り返っていかがでしたか
引き分け以下で引退がかかる試合でなかなかチームとして思うようなプレーができない時間が多かったです。勝ち切れましたが苦しいゲームでした。
――序盤から思うように得点が入りませんでした。プレーしていてどう感じていましたか
焦らず冷静にプレーしました。その上でオフェンス陣を信じてDFとしてボールを奪って、より多くオフェンスにつなげること、チャンスがあれば自分で得点を狙うことを意識していました。
――自身のショットシーンを振り返っていかがですか
自分はDFですがオフェンス参加が武器なので強みが出せて良かったです。苦しい体勢でしたが打ち切ることができました。
――リーグ戦初得点を挙げたことについてはいかがですか
リーグ戦での得点は格別に嬉しいです。特に厳しい状況だったので良い場面で得点できてほっとしました。
――チームはFINAL4進出が決まりました。チームとしても個人としても、今後への意気込みをお願いします
目標の日本一に向けてここからが本当の勝負です。FINAL4で戦う明治学院は強敵ですが、これまでの反省点を修正してチーム一丸となって戦います。個人としてはひるまず積極的にボールを奪う、得点を取りにいくことを大切にしたいです。応援よろしくお願いします!
G長田謙伸(政経2=埼玉・大宮開成)
――試合全体を振り返っていかがでしたか
4年生の引退がかかっていたので、チーム全体として守りに入り、消極的になってしまった印象です。かなり苦しかったですが、なんとか勝利をつかめて良かったです。
――序盤はディフェンス時間が長い展開が続きました。守っていてどう感じていましたか
崩されている感覚はなかったので焦りはなかったです。チームの徹底事項であるオフェンス時間の確保のために良い守備から攻撃につなげることだけを考えていました。
――引き分けでも敗退が決まる状況で、第4Qでセーブしたシーンの心境はいかがでしたか
試合の展開からあと1本は枠内にショットが来ると考えていました。かなり緊張感があったのでセーブできて素直にほっとしました。
――連日好セーブを連発している要因は何だと考えていますか
DF陣の皆さんがショット際まで詰めてコースを限定してくれているのが一番大きいと思います。特に進士さんは毎試合ショットを体に当てて守ってくれるので感謝しています。
――チームはFINAL4進出が決まりました。チームとしても個人としても、今後への意気込みをお願いします
ここから先は技術だけでなく、勝利への執念のような精神力も試されると思います。FINAL4までの残り3週間で合宿もあるので、チームの課題を突き詰めてもう一段階上の早稲田ラクロスをお見せします。個人としてはセーブはもちろんですが、一番の強みは赤平さんの得点につながったような前へのパスだと思うので、もっと攻撃の起点になる機会を増やしたいです。勝って紺碧の空を響かせましょう!