最終盤までの猛追も及ばず 慶大に惜敗で勝負の行方は最終戦へ

男子ラクロス

第36回 関東学生リーグ戦 1部Bブロック

9月21日 東京・大井ホッケー競技場メインピッチ

Team 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早稲田大学
慶応義塾大学

得点者

1Q

永岡秀斗

2Q

なし

3Q

長谷優太郎

4Q

森田翔吾、森田翔吾、森田翔吾、森田翔吾

 FINAL4進出に向けた争いもいよいよ佳境を迎えつつある関東学生リーグ戦(リーグ戦)。ここまで3戦を終えて2勝1分けと好位置につけているRED BATSはこの日、5月に行われた早慶定期戦(早慶戦)で大敗を喫している慶大との対戦に臨んだ。何としても雪辱を果たしたいところだったが、試合序盤からビハインドを背負う展開で最大点差は4点に。最終第4クオーター(Q)にMF森田翔吾(法4=東京・早大学院)が4得点を挙げて猛追したが一歩及ばず、惜しくも黒星を喫してしまった。

ゴールを守る長田

 第1Qから、リーグ戦で上位につける両校らしい攻防が繰り広げられた。開始間もなく慶大に先制を許してしまうも、早大はG長田謙伸(政経2=埼玉・大宮開成)のセーブから着実に前線へとつなげていく攻撃で反撃の機会をうかがう。そして、AT永岡秀斗(創理4=東京・早実)が左サイドから走り込みながらのショットをゴールに突き刺し、同点に追いついた。「早慶戦」の熱気はすさまじく、早大サイドからは大歓声が上がって大いに盛り上がりを見せる。その後もMF寺田颯一郎(商3=東京・攻玉社)らが好守を見せて締まった展開に。お互い決め手を欠き、1-1で試合は進んだ。

 しかし、第2Qからは慶大の猛攻を浴びることになる。慶大ボールからの開始となり、DF野澤想大副将(政経3=東京・桐朋)が見事なパスカットで早大の攻撃につなげたが得点には至らず。すると、相手の低めから放ったショットに長田がクロスを出しながらも届かずに勝ち越しを許し、その後も同じようなコースのショットを決められて1-3と3点差に。AT花井コルトンヘイズ(国教3=アメリカ・マッキントッシュ)、MF森田翔吾(法4=東京・早大学院)らがミスにより相手ボールにしてしまう場面も見られ、強力な慶大オフェンス陣を相手に自らの首を絞める格好となってしまった。フェイスオフではFO今井誠梧(文構4=東京・国分寺)、FO駒場樹(文構4=埼玉・大宮)がなかなか競り勝てず、早大は苦戦が続くまま前半が終了した。

ボールを保持する鶴見

 流れを変えたい後半だが、慶大の猛攻は止まらない。第3Qはファーストプレーでポゼッションを逃すと、野澤副将の懸命のディフェンスも及ばずにゴール正面からボールを突き刺されて失点。ここからもショットの嵐を浴び続け、しのぎ切れずに得点を許して1-5に。少しでも点差を縮めたい早大は反撃に出る。今井がフェイスオフで競り勝ちAT長谷優太郎(商4=東京・早実)のゴールで1点を返したところで、すぐにゴール最上部に吸い込まれるショットを許してしまい再び4点差に。大量失点で敗れた早慶戦が思い出されるような展開で、早大にとって非常に苦しい時間が続いた。

 2-6で迎えた第4Q。ここでRED BATSの意地が発揮される。4点ビハインドにも屈さず、勝利のみを目指して最後の攻撃に出た森田がまず1点目のショットを決めた。バックも反撃を盛り立て、今や2年生ながら頼れる「守護神」となった長田の好セーブから前線にボールを供給。すると、森田が2点目、3点目と立て続けに得点を奪い、早大サイドの盛りあがりは最高潮に。すさまじい集中力で1点差まで迫り、なおも敵陣でボールを回してゴールをうかがう絶好のチャンスが到来した。MF鶴見雄太(政経4=埼玉・早大本庄)、長谷と果敢にショットを打つが枠を捉えきれず、両チームの緊迫した攻防が続く。だが、ここで早大にパスミスが出ると慶大はそれを逃さずにボールを奪取。そしてそのままカウンターを食らい、残り時間がわずかな中で手痛い失点に。今度は慶大サイドが沸き上がりを見せたが、早大は最後まであきらめなかった。チーム全員が必死に前線までボールをつなぐと、ゴール裏からのフィードを受けた森田がボールを流し込み、再び1点差に。同点まであと一歩まで来たところで、試合終了まであと1分の声掛けが響き渡る。フェイスオフには今井が向かったが、ポゼッションは惜しくも慶大に。そして、最後にチャンスをつくることはできず、6-7と1点差での今季リーグ戦初黒星が決まった。

得点に喜ぶ花井(左)、森田

 慶大、日体大とのFINAL4進出争いを抜け出すためには何としても勝利が欲しかったRED BATS。この日は最後まで意地を見せるも惜敗を喫してしまい、チームの行方は最終・青学大戦に託されることになった。泣いても笑っても、残されたリーグ戦はあと1戦のみだ。昨年の最終戦ではFINAL4進出の可能性が残った中で法大に敗れ、山﨑組の引退が決まる結果になった。2019年以来の日本一に向け、ここで終わってはいられない。田中組の「軌(わだち)」をここで途切れさせないよう、この日の試合のように最後まで泥臭く立ち向かう姿を選手たちは見せてくれるだろう。

(記事、写真 西村侑也)

試合後インタビュー

MF森田翔吾(法4=東京・早大学院)

――試合全体を振り返っていかがでしたか

(試合の)入りがオフェンスはすごく悪くて、そこで流れをつかみきれなかったという印象です。

 

――宿敵の慶大が相手でしたが、試合前にチームとしてどういうふうに考えていましたか

5月にあった早慶戦で大敗したところから絶対リベンジしたい気持ちで取り組んできたのですが、結果1点及ばずというところで、まだ終わりではないんですけど、かなり重要な試合に考えていたのですごく残念です。

 

――前半はビハインドを背負いながらの展開でしたが、プレーしてどういうふうに感じていましたか

自分のミスもあったりで、ディフェンスが守ってくれている中でオフェンスのミスが 続いたので、すごく申し訳ないという気持ちがあって、そこを取り返したいという強い気持ちを持ってやっていました。

 

――第4Qで4得点というシーンがありました。その時を振り返っていかがでしょうか

あまり自分として手応えはないシュートばかりだったのですが、本当に気持ちのおかげで入ったのかなというふうに強く思っています。

 

――次戦の青学大戦がリーグ戦最終戦となりますが、今チームとして課題はありますか

やっぱり入りのところと、ボールを失った後のところがこの試合ですごく課題としてあると思ったので、そこを修正して必ずFINAL4に進出できるように頑張りたいと思っています。

 

――最後に、ご自身の意気込みをお願いします

最後に、ご自身の意気込みをお願いします 前半の入りでチームの流れをつかみきれなかったので、そこをしっかり修正した上で、さらに自分の強みのシュート力を活かして得点できるように頑張りたいと思います。