延長戦にて散り早大勢のサマー5連覇はならず 

男子ラクロス

新人戦サマーステージ 決勝トーナメント

9月4日 千葉・フクダ電子フィールド

早稲田α

準々決勝

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学α
慶応義塾大学

得点者

1Q

成瀬壮真、岸凛太朗、岸凛太朗

2Q

成瀬壮真、大津志響

準決勝

Team 1Q 2Q 延長 合計
早稲田大学α
日本体育大学

得点者

1Q

平山晴亮

2Q

成瀬壮真、大津志響

延長

なし

3位決定戦

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学α
早稲田大学β

得点者

1Q

成瀬壮真、小林充輝、篠原蒼歩、篠原蒼歩

2Q

平山晴亮、平山晴亮、平山晴亮、若杉泰希、平山晴亮

◇早稲田β

第1試合

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学β
青山学院大学

得点者

1Q

櫻田凱

2Q

大河原健、橋本廣平

準々決勝

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学β
明治学院大学

得点者

1Q

地曳輝一、櫻田凱

2Q

須田直太、大河原健、地曳輝一

準決勝

Team 1Q 2Q 延長 合計
早稲田大学β
成城大学

得点者

1Q

櫻田凱

2Q

加田貫、地曳輝一

延長

なし

3位決定戦

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学β
早稲田大学α

得点者

1Q

大河原健、地曳輝一

2Q

須藤颯也、須田直太

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

 この春に入学した1年生が初めて臨む公式戦である、新人戦サマーステージ。選手の多くがラクロスを始めたばかりであり、この大会は本来の公式戦よりも短い試合時間、少ない人数、狭いコートで行われる。上級生はリーグ戦を戦っている最中であり、1年生の選手たちはいち早くその舞台に立つべくアピールし、新たなスター誕生のきっかけにもなる大会だ。早大からはα、βの2チームがこの日の決勝トーナメントに進出した。両チーム共に順当に準決勝まで勝ち進んだが、どちらも延長戦の末惜敗。同門対決となった3位決定戦は早大αが勝利して入賞は果たしたものの、早大勢の5連覇はならなかった。

シュートを放つ成瀬

 早大αの初戦の相手は慶大。ラクロス経験者の新入生も多いチームで簡単な相手ではないが、蓋を開けてみれば第1Qから3得点。成瀬壮真(商1=東京・早実)が相手ゴーリーの背中側へシュートを決めると、岸凛太朗(政経1=東京・海城)は慶大ディフェンス陣を何枚もかわすステップを見せながら躍動し、2本のシュートを決めることに成功した。勢いに乗った早大αは第2Qに入っても止まらない。成瀬が今度はジャンピングシュートを突き刺すと、大津志響(法1=埼玉・早大本庄)も続いて5点目。途中で1失点は許したものの、ゴールの枠を確実に捉えて得点を積み重ねた早大αに軍配が上がった。

 準決勝は、日体大との対戦。昨年度学生王者の強豪校との試合は、ビハインドでスタートした。ゴール裏からの見事なフィードから得点を決められると、平山晴亮(教1=東京・佼成学園)が力強いシュートを押し込んで同点に。しかし、パスの連携でゴール前のディフェンス陣が崩され、再びネットを揺らされてしまう。1-2で迎えた第2Q。ファーストプレーでポゼッションを逃すと、そのままゴールまで運ばれて点差は2点に。劣勢となった早大αだが、大声援を味方にして攻める姿勢を貫いていった。序盤からシュートを放ち続けていた成瀬がここでゴールを捉えて反撃ののろしを上げると、福島颯太(社1=東京・早実)らが懸命のボールキープで前線へ攻め立てる。そして、1点差で残り時間が数分となる中で大津が際どいコースに見事な同点弾を決めてみせた。黒田康希(スポ1=東京・成蹊)のセーブもあり3-3の同点で守り切ったところで、試合は先に1点を決めた時点で勝利が確定するサドンビクトリーと呼ばれる延長戦に突入した。ワンプレーが命取りとなる展開となり懸命にポゼッションを奪い合ったが、ファーストプレーで競り負けてボールは日体大へ。そして、そのまま前線へと運ばれたボールはゴールネットに吸い込まれ、3-4。一度は追いついた早大αだったが、延長戦で力尽くかたちで決勝進出を逃してしまった。

ボールを保持する岸

 一方、早大βの初戦の相手は青学大。櫻田凱(先理1=東京・早実)のシュートで先制するも、すぐさま追いつかれて第2Qへ。早大βはなかなか流れがつかめず、大河原健(社1=東京・早稲田)のランニングシュートで勝ち越した後もすぐさま同点弾を許してしまった。それでも終盤になって徐々に攻撃にリズムが生まれ、須藤颯也(教1=早稲田渋谷シンガポール)橋本廣平(スポ1=千葉・県立柏)とつないで勝ち越しシュートを決めることに成功する。いい流れは守備にも波及し、西島大翔(人1=東京・成蹊)が好セーブを連発してこのリードを守り切り、3-2で見事に初戦を突破した。

 準々決勝の明学大戦は、乱打戦となった。地曳輝一(人1=東京・本郷)、櫻田が幸先よく2点を先制するも、1点を返されて2-1で後半戦に。ここからは、両チームが交互に点を取り合い互いに譲らない展開となった。須田直太(商1=東京・早大学院)、大河原が得点を奪う間にも2点を失い、早大βは点差を広げることができない。それでも西島のセーブから丁寧に攻撃へとつなげていき、地曳のこの試合2本目のシュートで5-3に。この後も失点して1点差に詰め寄られたが、5-4で最後まで逃げ切った早大βは何とかベスト4入りを決めた。

 早大αが果たせなかった決勝進出をつかみとりたい早大β。成城大との準決勝は序盤から均衡した展開となった。須田、大河原と多くのシュートを果敢に放っていったが枠内を捉えきれず。ボールの保持はほとんど早大βだったが、チャンスを生かしきれない格好だった。しかし、櫻田がポゼッションを得ると一人で成城大ディフェンス陣を何枚もかわして先制のシュートを放つ。このまま勢いに乗りたいところだったが、相手のゴール低めへのシュートに反応しながらも失点すると、今度はミドルシュートを決められて1-2と一気にビハインドを背負ってしまった。逆転したい第2Q。加田貫(教1=大阪明星)が走り込みながら放ったシュートがワンバウンドでゴールへ吸い込まれて同点になるも、束の間に成城大アタッカーの機敏なステップに完全に置き去りにされ、勝ち越し点を許してしまう。残り時間が少なくなり敗退もちらついてくる中、チームを救ったのは地曳だった。敵陣の左サイドへ回り込み、鋭く振り抜いたシュートは残り1分での値千金の同点弾に。意地を見せた早大βは延長戦に持ち込むことに成功した。サドンビクトリーで敗れた早大αと同じわだちは踏みたくないところだったが、延長戦開始のフェイスオフで競り負けてポゼッションを逃すと、そのまま素早いステップを駆使して自陣のゴール前へ攻め込まれる。そして放たれたシュートに反応しながらもボールはネットに突き刺さり、ここで試合終了。くしくも早大勢は両チームとも延長戦で敗れ、準決勝で姿を消すことになった。

ゴールを守る西島

 この後行われた3位決定戦では、早大αの平山が4得点を挙げる活躍などもあり9-4で早大αが3位に輝いた。早大勢の優勝は叶わなかったが、「最後に3位決定戦で戦えるようになったというのはチームとしての底上げができたのかな」と平山が語るように、チームとして成長した姿を見せてくれた。残す新人戦はあと2大会。昨年度(現2年生)は2大会とも決勝で涙を飲んでいる。この日に味わった悔しさを糧に、早大が頂点に立つ姿に期待したい。

(記事 西村侑也 写真 石澤直幸、鈴木悠世)

試合後インタビュー

平山晴亮(教1=東京・佼成学園)

――サマー全体を振り返っていかがでしたか

決勝で早稲田同士で戦うことを目標としていて両方とも準決勝までは進めたのですが、サドンデスで負けてしまって悔しいというのが全てです。ですが、早稲田αも早稲田βも両方準決勝に進めているということは総合力が最初の頃に比べて伸びているかなと思うので、次の2つの新人戦で絶対優勝できるように頑張ります。

 

――個人のプレーを振り返っていかがでしたか

アタッカーという攻撃のポジションだったのですがあまり自分で点を決められず、チームを勝利に導けなかったことが悔しいと思います。

 

――チームとして3位と4位という結果についてはどう感じていますか

自分たちの代で早大の4連覇を閉ざしてしまったのは先輩方に申し訳ないですし、実力がまだまだ足りなかったということなのでこれから頑張りたいと思います。

 

――初の新人戦で成長したことや課題はありましたか

良かったと思うところは、2カ月前のミニゲーム大会では早稲田αが優勝で早稲田βは最下位みたいな感じだったのですが、こうやって最後に3位決定戦で戦えるようになったというのはチームとしての底上げができたのかなと思います。課題は、個人のスキルが他大に比べて足りないと今回感じたので、日々の練習で成長していきたいと思います。

 

――サマーを踏まえてこれから取り組んでいきたいことはありますか

今は6人対6人の戦いなのですが、このサマーが終わったあとは10人対10人の戦いになり、同じラクロスでも違うスポーツになるので、また4月に入学した時の気持ちで最初から全員でチームづくりをしたいと思います。

 

――今後のラクロス部での4年間への意気込みをお願いします

今年もですが、全学(全日本学生選手権)優勝がこれからのラクロス部の目標になっていくので、4年生も3年生も2年生も1年生もそこで優勝できるように練習していきたいと思います。