打ち合いの末無念のドロー リーグ戦白星発進とはならず

男子ラクロス

第36回 関東学生リーグ戦 1部Bブロック

7月14日 埼玉・武蔵大学朝霞グラウンド

Team 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早稲田大学 2 2 2 0 6
武蔵大学 1 2 2 1 6

得点者

1Q

永岡秀斗、森田翔吾

2Q

永岡秀斗、樫尾拓斗

3Q

長谷優太郎、長谷優太郎

4Q

なし

 ついに、田中組の夏が幕を開けた。チームが目標とする日本一のためには、まず2位以上で突破が必要な関東学生リーグ戦(リーグ戦)。初戦の相手は、昨年のリーグ戦で勝利を収めた武蔵大だった。雨が降りしきる中で行われたこの試合は、開始直後に先制を許したがすぐに逆転、そして再逆転を繰り返されるシーソーゲームに。最終第4クオーター(Q)に1点あったリードを失うと、最後までゴールを伺い続けるも勝ち越すことはできず。勝ち点3獲得も見えていたこの試合で、無念のドローとなった。

ゴールを守る大賀

 ファーストプレーから試合は動いた。FO今井誠梧(文構4=東京・国分寺)がポゼッションを逃すと、武蔵大はそのまま前線へ攻め立てて先制のショット。いきなりビハインドを背負ったが、冷静に次のプレーに臨んだ。AT永岡秀斗(創理4=東京・早実)が走り込みながら狙いを澄まして放ったショットで、すぐさま同点に。続けて今井がフェイスオフで競り勝つと、ゴール左でボールを保持した永岡から、ゴール右のMF森田翔吾(法4=東京・早大学院)へ的確なパスを送ってサイドを変え、ゴールへ突き刺した。完璧な連携で、早大は逆転に成功する。ディフェンスでは、DF野澤想大副将(政経3=東京・桐朋)らが体を張って守り抜くと、G大賀円太(文構3=神奈川・光陵)も2度の好セーブを見せ、得点を与えなかった。

 しかし、両チームの足が止まりつつあった第2Q序盤に、均衡を破ったのは武蔵大だった。ゴール裏から回り込んで放たれたショットは、ゴール右上の抜群のコースへ。同点に追いつかれた早大は、AT小川隼人(政経3=東京・早実)が果敢にショットを放つも、相手ゴーリーにセーブされてしまい得点には至らない。そして、ディフェンス時間が長くなっていたところで大賀が相手のショットに反応できず、2-3と逆転を許してしまった。それでも、頼れる攻撃陣がこの日も躍動する。MF辻村征也(政経3=東京・早実)、森田とパスを送りクリアに成功すると、永岡が今度はジャンピングシュート。上から振り下ろした角度のあるショットは、力強くネットを揺らす同点弾に。さらに、ゴール付近でパスを受けたMF樫尾拓斗(政経4=アメリカ・テナフライ)が「冷静に判断できた」というショットをゴールへ突き刺し、再度勝ち越しに成功。早大はこのまま1点のリードで試合を折り返した。

ジャンピングシュートを放つ永岡

 4-3で迎えた第3Qも、点の取り合いとなった。変わって入ったG長田謙伸(政経2=埼玉・大宮開成)が好セーブを披露したが、ゴール前での反転ショットに反応できずにまたも同点を許す。しかし、早大も負けじと立て続けにショットを放っていき応戦。そして、ここまで相手ゴーリーに得点を阻まれていたAT長谷優太郎(商4=東京・早実)がゴール右からボールを流し込むと、応援席に向けて力強いガッツポーズ。これには、観客も大きく沸き上がった。こうして勝ち越したのも束の間、攻撃に出ていた早大の隙を突くように武蔵大がロングシュートを放つと、ボールはゴーリー不在のゴールへ。DF田中進士主将(商4=神奈川・桐蔭学園)が止めに入ったが及ばず、手痛い形で失点を喫してしまった。ディフェンスが思うように機能しない中、ここで再び長谷が魅せた。今度はゴール左から振り抜くと、これがこの日2点目となる勝ち越しショットに。再度派手なパフォーマンスでチームを鼓舞し、試合は終盤戦へと突入した。

 最終第4Q。1点のリードを守り切りたい早大は、DF野口亮副将(創理4=東京・早大学院)、MF榊原瑞生(法4=神奈川・浅野)らが決死のディフェンスを見せるも及ばず、ライドは失敗。ゴール正面から素早く振り抜かれた相手のショットは、無情にもネットを揺らして痛恨の失点に。文字通りのシーソーゲームで、流れはどちらに転ぶか分からない緊迫した状況が続いた。6-6の同点とはなったが残り時間はまだ長く、勝利を目指す両チームのぶつかり合いは激しさを増していく。勢いに乗る武蔵大は完成度の高いショットを何本も放ってひやりとさせられるも、得点まではつながらず。そして、早大がポゼッションをつかむと、最後のビッグチャンスが到来した。田中主将、MF鶴見雄太(政経4=埼玉・早大本庄)とつないでクリアに成功し、敵陣でじっくりとショットチャンスを伺う。長谷らがボールを保持しどうにかゴールを狙っていったが、武蔵大の守備陣はそれを許さず。結局、ショットまでつなげる前に試合終了のホイッスルが鳴り響き、勝ち越しのチャンスを生かすことはできなかった。

試合後、あいさつするRED BATS

 乱打戦の中でもリードを保っていたが、あと1点が遠く勝ち切ることはできずに引き分けに終わった早大。白星発進とはならなかったが、「負けなかった」こともまた事実である。昨年日本一の日体大、早慶定期戦で大敗を喫した慶大らがひしめくBブロックは厳しい戦いが予想され、突破は容易なことではない。残る4試合で、この日の鬱憤を晴らすような爆発に期待したい。

(記事 西村侑也 写真 林田怜空 取材 小川ゆりえ)

試合後インタビュー

MF樫尾拓斗(政経4=アメリカ・テナフライ)

 

――試合全体を振り返っていかがでしたか

普段やってきていることや擦り合わせてきていることを徹底することができず、実力以前に意識のところで徹底できていないところがあったなと思いました。

 

――自身のショットシーンを振り返っていかがでしたか

あそこは結構冷静に判断できて、ショットを打つ選択肢もあったし、抜くという選択肢もあった中で、最善の最も確率の高いプレーを選択できたとは思っています。

 

――勝ちきれず引き分けという結果についてはいかがですか

正直、自分たちの実力でしっかりできれば絶対に勝たなくてはいけない試合でしたが、自分たちのやりたいことができなかった結果だと思います。

 

――チームとしての課題はどこだと感じましたか

プレー面で言うと細かいところ。オフェンスの時間を取りたい時や自分たちのやりたいオフェンスをしている時に、目先の利益と言うか、ゴールを狙ってインクリ(クリースバイオレーション)してしまったり、セーブされてしまったりしてプレーが止まるシーンがあって、そういった点では武蔵はしっかりオフェンスの時間を確保するところが徹底できていたので、オフェンス確保などのプレー以外のところの徹底度合いは負けていたかなと思っています。

 

――次戦以降に向けて意気込みをお願いします

もっと自分が驚異となって点を取れるように頑張っていきたいと思います。

 

AT長谷優太郎(商4=東京・早実)

 

――試合全体を振り返っていかがでしたか

大事な初戦でしたが、6対6という結果で勝ちきれなかったことからチームとしてもいろいろな課題が見つかりましたし、それに対してこれからどう修正していくかが一番大事だと思っています。

 

――自身のショットシーンを振り返ってみていかがですか

試合に出た時に好きなようにやっていいという立ち位置でプレーさせていただいていて、チームに勢いがつけられるような1点を取ろうという思いでフィールドに立っていたので、打ち切ることができたのは良かったと思っています。

 

――チームとして勝ちきれず引き分けという結果になってしまいましたが、それについてついてはいかがですか

4年の甘さというか、徹底ぶりがなかったという思いがすごくあるので、日々の練習やオフの日も含めて、ラクロスにいかに向き合うかを大切にしてやっていきたいなと思っています。

 

――チームとしての課題というのは具体的にどこかありますか

ディフェンスでいえば、もっと早稲田のオフェンス以外からも失点を防げるようなディフェンスを、オフェンスも2桁の得点をとれるような攻撃力や対人能力といったところを目指してやっていければと思っています。

 

――次戦に向けての意気込みをお願いします

本当に1戦も落とせない状況なので、自身がゴールを決めるところを目標とするのではなく、チームとしていかに勝てるかというところを念頭においてやっていければなと思います。