伝統の早慶戦、接戦を制し見事勝利!

弓道女子

慶應義塾大学定期戦 4月27日 慶大正己弓道場

 4月27日、慶大正己弓道場で伝統の慶應義塾大学定期戦(早慶戦)が行われた。終始拮抗(きっこう)した試合展開で、最終的に51中―51中。一手競射で勝敗を決めることになった。結果は早大が8射皆中、慶大は5中にとどまる。最後まで集中を切らすことなく、早慶戦で2年連続の勝利を収めた。

 先攻の早大は1立目で落前の小林栄舞(人科2=京都・京都女子)が皆中、2人が3中を出し合計11中にまとめる。一方慶大は9中、早大が2本リードする立ち上がりとなった。続く2立目では大前の橋本萌花(文構2=東京・早実)が3中と調子を戻すも10中、慶大は3人が皆中し14中、早大が2本リードされてしまう。引き離されたくない早大は3立目で落の首藤菜那副将(先理4=東京・吉祥女子)が皆中を決めたが、合計10中となかなか圧倒的な的中を出せない。しかし対する慶大も1人が残念し9中と奮わず、早大は的中差を1本につめた。

射位に入る橋本主将

 4立目では弐的を橋本美優主将(スポ4=東京・國學院)に交代、慶大も選手を交代し両校流れを引き寄せようと試みる。しかし4、5立目を終えて総的中数51中―51中と並ぶ結果に。早慶戦では、4人順立で1人20射、計80射の総的中数で勝敗が決まらない場合、一手競射を行う。一手競射は4人順立で1人2射、計8射の総的中数を競う。緊張感が漂うなか、早大は見事全員が皆中し慶大にプレッシャーを与える。後攻の慶大は3本抜き5中、早大が一手競射までもつれこむ接戦を制し勝利した。

射位に入る前に集合する選手達

 互角の戦いとなった今回の早慶戦。「全員の集中力が感じられた」と橋本主将は語る。あと1本でも中てていたら勝利していたという状況でも、選手達は冷静に気持ちを切り替え一手競射に挑んだ。勝利への執念と勝負強さを感じる試合となり、全関東学生弓道選手権大会へ弾みをつけただろう。

(記事・写真 河野紗矢)

 

結果

大前 橋本萌花 20射13中
弐的 小井戸槙(基理2=東京・吉祥女子)12射6中
   橋本美優主将 8射6中
落前 小林栄舞 20射12中
落  首藤菜那副将 20射14中

早大51中―慶大51中

 

一手競射
大前 橋本萌花 2射2中
弐的 橋本美優 2射2中
落前 小林栄舞 2射2中
落  首藤菜那 2射2中

○早大8中―慶大5中

 

コメント
橋本美優主将(スポ4=東京・國學院)

――今日のご自身の射を振り返って
やるべきことはできたと思います。2週間ほど前から射が崩れて思い通りに引けなかったのですが、そういった状況の中でも附矢でやることを絞り、集中して引けたことが良い結果に繋がったと思います。個人的には、最後の早慶戦だったため必ず出場したいという思いがありました。その目標が叶いさらに勝利に貢献できたと思うと、安心と嬉しさを感じます。しかしまだ射は不安定で、もう少し詰められる部分はあったと思うので、引き続き今の射の課題を解決すべく、練習していきたいと思いました。


――終始接戦でしたがチーム全体を振り返って
全員の集中力が感じられました。
最近の練習や試合の的中を見ると、本来の力を発揮できているとは言えない状況だったと思います。しかし、選手は弱気になることなく、自分を冷静に俯瞰して、切り替えて次の立に向かっていました。また、今日はいつにも増して応援にも非常に熱が入っていたと感じました。その集中の集大成が竸射の8射皆中だったと思います。最後まで諦めることなく、全員が貪欲に勝利を目指した結果が、しっかりと的中にも現れてくれました。選手だけでなく、チーム早稲田で挑んで勝ち切ることができた良い試合だったと思います。

――新体制のチームの雰囲気はいかがですか
今シーズンに入って下級生が試合に出ることが多くなったのですが、下級生は弱気にならずに伸び伸びと引いてくれていますし、上級生が出るとやはり安心感があります。練習量も昨年までと比べて増加傾向にあり、全体としての的中への執着が高まっているように感じます。

――今季の目標をお願いします
女子部としては「王座(学生弓道王座決定戦)出場」・「(東京都学生連盟リーグ戦)1部死守」を目標に掲げました。まずは、次の全関(全関東学生弓道選手権大会)優勝を目指したいと思います。