早大は東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)の2週目を迎えた。前の週で勝利を収めていた早大は、目標とする1部リーグ昇格に向けてさらなる勝ち星を狙い、日体大と対戦。試合は序盤から早大リードの展開が続く。途中苦しい場面もあったが、それでも的中差をひっくり返されることはなく、粘り強く的中を重ねた。最終立で14中を出し61中ー44中として、これまで掲げ続けてきた「60中以上での勝利」を見事に実現してみせた。
早大は後攻を取ったため、日体大の的中結果を確認してから自分たちの立に入ることになった。1立目は日体大が9中で終えたのに対して、早大は武川衣万里副将(スポ4=山口・宇部フロンティア大香川)の皆中があり12中。試合序盤から早大有利の展開を作ることに成功する。次の立では1中の選手がいたこともあって10中にとどまったが、続く3立目では弐的の山﨑琴葵(社2=東京・早実)と、落前の武川の二人が皆中を出して13中とし、日体大を引き離していった。
この日安定して高い的中を出し続けた武川
大きく差がついた中で4立目に入っても、早大のメンバーが気を緩めることはなかった。武川がここでも皆中して早大は12中で立を終え、最終立の前の段階で60中まであと13中というところまで持っていく。そして迎えた最終立では、大前の山野桃果(先理4=東京・吉祥女)がこの日初めての皆中を出し、それに弐的の山﨑がしっかりと続き皆中、この試合でチームの的中を引っ張ってきた武川と途中出場の藤井千裕(スポ2=山口・宇部フロンティア大香川)は3中を出して、この日最高の14中で試合を締めくくった。最終結果は61中-44中で勝利。今季の目標である1部リーグ昇格に向けて、さらなる加速を促す2勝目となった。
全ての立で3中以上を出した山野
1部リーグ昇格に向けて、着実に歩を進める1勝だ。今回の試合は少し難しく、台風の影響あって何度か中断を挟みながらの開催だった。集中力を保ち続けるのは簡単なことではなかったが、そんな中でも一人一人が自分の射に集中したからこその結果だろう。さらに、60中以上での勝利に安心の言葉はあっても、満足の言葉はなかった。確かに一人一人の的中は、実力から考えると十分とは言えない。もしその実力が十分に発揮され、それぞれの力がかみ合ったなら。どんな射を見せてくれるのか、期待はますます大きくなるばかりである。
(記事、写真 新井沙奈)
※掲載が遅れてしまい申し訳ありません
結果
大前 山野 20射16中
弐的 山﨑 20射15中
落前 武川 20射18中
落 井上 12射7中
藤井 8射5中
○早大61中-日体大44中
コメント
井上采香主将(文構4=東京・吉祥女)
――今日の試合を全体的に振り返ってください
勝利については本当に良かったと思いますし、まずは一安心です。ただ早大としての目標は60中以上での勝利なので、相手の的中に気持ちが持っていかれることなくしっかり60中に貪欲にやれて、その結果しっかりとした的中で勝つことができたのでそこが良かったと思います。
――ご自身の射についても振り返りをお願いします
私の射については、試合になると伸び合いがなくなってしまうというのが課題点で、先週もそれで苦労してもう少し伸び合えば当たったのにという射が多くありました。今日は調子があまり良くなかった中では、チームの中で最低限の役割はできたかなと思います。ですがやはり2中、3中、2中というのはいい的中ではないので、落として最低でも3中を切らないような的中を目指さないといけないなと思っています。
――的中でも苦しい立があったり、雨で中断も挟んだりと難しい試合でしたが、立て直して60中を超えられた要因は何だと思いますか
やはり絶対に60中以上を出すぞという意識が選手の中でもすごく強いと思います。昨年や半年前なら55中出たらまあ満足できるかなという感じだったのですが、最近は練習だと時々ですが70中出ることもあって、60中を切るのはまずいという意識が生まれていると感じます。最終立の前の時点で47中で、60中にいけるかいけないかというところだったの思うのですが、選手全員の絶対に60中に乗せる、絶対に抜かないぞという目標達成への貪欲さが的中につながったと思います。
――後半戦に向けてどのように戦っていきますか
今の状態でもだいぶ仕上がっているとは思うのですが、相手校のレベルも週を追うごとに上がっていくので、負けられないところになってきます。長期戦で疲れも出てくるとは思うのですが、体調管理や部内の雰囲気も良い状態を保ちながらしっかり乗り切っていきたいと思います。
武川衣万里副将(スポ4=山口・宇部フロンティア大香川)
――今日の射について振り返りをお願いします
自分の中では結構ばらけていたかなと思っていて、やることは決まっていたのですが集中や緊張の度合いに左右されてしまって、同じ引き方ができないことが続いていたのですが、最後の最後で必ず弓手(左手)から離れるというのはずっとぶれずにやっていました。前の試合で後ろに抜くことが多かったので今回はそれを絶対になくそうと思って、後ろに抜かないようにというのはできたのかなと思います。
――18中という的中は調子を考えると良い結果ではなかったですか
練習通りの的中は出たかなと思うのですが、抜いた2本ももっとやるべきことをちゃんとやっていれば当たった矢だったので、全部詰めていてもおかしくなかったかなと思います。頑張った結果抜いたわけではなく、びびってしまったので(笑)。そこは反省点かなと思います。
――本調子ではないメンバーもいた中で、射位で意識したことはありますか
的中を保つことに意識が行ってしまうと私自身もすごく緊張するタイプで、もう抜けないとかこの人は何本抜いているからとかを考えた時点で、自分には負けてしまっていると思います。なのでチームを支えるなら、まずは自分のことだけを考えようと思っていました。チームのことも気にしてはいましたが、みんな何とかやってくれるだろうくらいの気持ちで(笑)、自分のことだけに集中していました。
――これから後半戦に向けて意気込みをお願いします
今日試合に出た4年生3人はこのリーグ戦で最後になってしまうので、集中力が足りなかったとか緊張に負けてしまったとかでこれまでの努力の成果を出せないということがないように、しっかり今までやってきたことを試合で発揮できるように、練習も頑張っていきたいと思います。