東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)が開幕し、第2週を迎えた。前の週で黒星がついた早大は、何としても1勝目が欲しいところだ。しかし、対戦相手は今年度の全日本学生選手権3位の強豪、法大。早大は1立目から良い的中が続くものの、法大はその的中数を下回ることがなく、だんだんと差を広げられていく。宮﨑滉巳(社2=埼玉・県浦和)の20射皆中などもあり的中は第1週より大幅に伸ばしたが、結局差を縮めることができずに133中-141中で2敗目を喫した。
試合は張り詰めたような緊張感を漂わせながら始まった。早大の壱ノ立は、3本目まで皆中を続ける上々の滑り出しを見せる。そのまま14中を出して弐ノ立につなぐと、弐ノ立も12中とまずまずの的中を挙げた。1立目が終わった段階で法大とは同中の接戦となる。続く2立目は壱ノ立の大前の竹宇治雄介(政経2=東京・早実)、落前の東海枝航平(スポ3=埼玉・県浦和)、落の宮﨑の3人が皆中があり14中、弐ノ立も村岡晃輔副将(文構4=群馬・高崎)が皆中して再び12中とした。ただ、ここで早大は法大に1中差をつけられてしまう。
この日20射皆中の宮﨑
法大の実力を考えると、勝利のためにこれ以上離されたくない早大は、3立目に入ってさらにギアを上げていく。壱ノ立の竹宇治、東海枝、宮﨑はこの日高い的中で安定しており、ここでもこの3人が皆中を出して14中とする。さらに弐ノ立ではここまで少し苦しんでいた落前の山田蓮(政経1=東京・早大学院)と、落の大澤暢主将(創理4=東京・早実)が皆中して14中。そして4立目では壱ノ立は弐的の河野誠也(人1=埼玉・県浦和)が3中、他の3人が皆中して15中をたたき出した。するとその勢いを引き継いで、弐ノ立も15中を出しこの日最高の的中数で4立目を終えたが、法大はそれをも上回った。3立目、4立目ともに1中ずつ差をあけられ、3中差に広がる。最終立では壱ノ立12中、弐ノ立11中と振るわず、133中-141中でリーグ戦2敗目が決定した。
18中で弐ノ立の的中に貢献した村岡
力負けと言わざるを得ないだろう。早大はこれまで的中を引っ張ってきた田沼翔太(スポ3=東京・桜修館中教校)を欠くとはいえ、今季の中でも特に良い的中だった。それにもかかわらず、法大の的中を上回ることができないまま試合終了を迎えてしまった。これからも厳しい戦いが続く中で、早大はどのように戦っていくべきか。大澤主将は「一人1本ベースアップをしていく」と目標を口にした。この試合での法大との差は8中。とても単純に計算すれば一人1本上乗せできれば、法大に追いつくことができる。簡単に達成できる数字ではないが、決して不可能な数字でもない。難敵ぞろいの1部リーグで勝ち残っていくために、選手一人一人のさらなる進化が求められている。
(記事、写真 新井沙奈)
※掲載が遅れてしまい申し訳ありません
結果
【壱ノ立】
大前 竹宇治 20射19中
弐的 河野 20射12中
落前 東海枝 20射18中
落 宮﨑 20射20中
【弐ノ立】
大前 黒羽航平(文構3=東京・早大学院) 20射16中
弐的 村岡 20射18中
落前 山田 20射15中
落 大澤 20射15中
●早大133中-法大141中
コメント
大澤暢主将(創理4=東京・早実)
――試合全体についての振り返りをお願いします
全体の雰囲気としては、リーグ戦2戦目ということで初戦よりもいい意味で緊張がほぐれていて、自分のことに集中してやり切っている選手が多かったかなという印象を受けました。ただその中で甘くなってしまう部分もあったので、そういった部分を締められるように随時声掛けをしていた感じです。また負けという結果に関してはリーグ戦2敗目ということで、ここから後半戦をどうやって戦っていくかをもう一度考える必要があるのかなと考えています。ですが結果として先週よりも大きく的中を伸ばすことができていますし、選手個人としてもチームとしてもかなりいい雰囲気だと思います。残り2戦この勢いを落とすことなく勝利につなげていけたらと思っています。
――ご自身の射についてはどうでしたか
結果という部分だと羽分けが2回出てしまって、落なので止め矢の詰めなければいけないところを抜いてしまったというのは、自分自身もっと磨かなければいけないと感じました。またチーム全体にも話しましたが、一人1本ベースアップをしていくというところで現状維持では終われないと思っているので、これからに向けて自分の射をより良いものにしていきたいと考えています。
――今回はこれまで以上に多くの選手に様々な場面で声を掛けていましたが、何を意識しましたか
いい意味で緊張がほぐれて自分のことに集中して引けている選手が多かったので、僕からは選手が見えなくなっているところを伝えてあげられればと思っていました。例えば初矢が入った後の2本目は、初矢が入った安心感もありますが逆に甘くなってしまうこともあると思うので、まだまだこれから戦っていく選手たちに対しての気持ちのフォローだったりを意識して声を掛けていました。
――これから後半戦はどのように戦っていきますか
早稲田のいいところとしては全員で戦うというところだと思います。既存のメンバーがそのまま後半戦も出ると決まったわけではないので、選手たちがお互いに刺激し合って切磋琢磨(せっさたくま)して戦っていきたいです。早稲田らしくというところが一番かなと思うので、それをしっかり勝ちにつなげられるように、今のメンバーだけではなく部員全員で勝利を目指していい雰囲気で戦っていきたいと思っています。
宮﨑滉巳(社2=埼玉・県浦和)
――20射皆中ですが、今日の射について振り返りをお願いします
先週少し調子が悪くて先週の試合の直前に射を変えたということもあって、不安が残る中で今週を迎えました。ここ二日間で射はだいぶまとまって、いい感じできていたので今日も頑張ろうと思って臨みました。今日の射は結構危ない矢もありましたが、そこそこ全体的にうまくまとめられたかなという印象です。
――ここしばらくの試合の中でも特にいい的中数だと思いますが、何か意識したことはありますか
今日は周りもみんな当たっていたので、いいムードの中で引けて、あとはその流れに乗って自分の目の前の矢だけ考えて引けました。
――壱ノ立で大前の竹宇治選手と共に落に入ることが増えましたが、だいぶ慣れてきましたか
そうですね。インカレの時から落をやることが多くなってきたので、結構慣れてきてはいます。あと去年は同じ学年では自分だけが試合に出ることが多かったのですが、今年になって竹宇治が出てきて負けられない相手ができたので、それもすごくいい刺激になって頑張れていると思います。
――今後の試合についての意気込みをお願いします
今回のリーグの個人の目標としては十傑に入ることで、今40分の37中なのですがまだまだ足りないと思っています。自分の射に集中することで全体の的中にもつながるので、そうした意味でも1本でも多く詰められるように頑張ります。
山田蓮(政経1=東京・早大学院)
――今日の射を振り返っていかがですか
今週の序盤に調子が良くなくて少し射を変えて後半に臨んだので、前日の立の的中とほぼ変わらない的中が出せたのは良かったと思います。
――20射を公式戦で通したのは初めてということですが、見つかった成果や課題を教えてください
課題は頬付けからの伸び合いの部分で、大きく引いて伸び合うのが今の課題なのでそこを今後しっかり取り組もうと考えています。成果の面で言えば20射通して出るのが初めてだった中で、そこでしっかり縦(個人)の的中を意識できたのは良かったと思います。横(チーム)の的中も大事ですが、自分の中で最低15中というのを決めてそれが出せたので良かったです。
――前半少し苦しかったところから後半皆中するなど立て直しましたが、意識したところや先輩方からアドバイスされたことなどありますか
立の中での先輩からの声掛けは、自分の中で非常に大事なところでした。1本1本そのとき自分がやるべきことを毎射意識できたので、皆中が2回出せたのかなと思います。
――これからの戦いに向けてどう取り組んでいきますか
自分は1年生でまだまだこれから先輩に追いついていかないといけないので、自分が足を引っ張らないようにすることも大事なのですが、逆に下から持ち上げていくイメージをもって1本1本引いていきたいと思います。