三日間にわたり三つの大学を招いて開催される、三大学定期戦。早大は1校目の関学大と対戦した。この定期戦では午前に女子、午後に男子の試合が行われる。女子は前半で差を付けられてしまい、一度追い付いたものの逆転することができないまま54中-57中で敗れた。男子も序盤に差をつけられたが、その後巻き返して130中-109中と大差での勝利となった。
早大女子は序盤から厳しい戦いとなる。くじ引きで先攻を取って迎えた1立目は、1本目を全員が外すなどあって16射7中と的中が半分に届かない。関学大に4中差をつけられる苦しい展開となった。2立目は何人か修正できたものの、16射10中と良い数字ではない。しかし、ここで相手が7中を出したことで1中差まで詰め寄ることに。早大は3立目から武川衣万里副将(スポ4=山口・宇部フロンティア大香川)を投入し、巻き返しを図る。武川副将の4射皆中もあって、16射13中としこの立で関学大に追いついた。けれども反撃もここまでとなる。4立目、5立目はそれぞれ13中と11中を出すがどちらの立でも相手に上回られてしまい、少しずつ的中差を広げられてしまった。最終的に早大は54中-57中で、関学大に3中及ばず敗北となった。
途中出場し活躍した武川副将
早大男子も立ち上がりがあまり安定しない。壱ノ立は大前の竹宇治雄介(政経2=東京・早実)と落の宮﨑滉巳(社2=埼玉・県浦和)の2年生コンビが4射皆中するものの、16射11中で関学大に2中先行されるかたちに。弐ノ立でもその差を詰められず、2立目へ。ここで1年生が活躍する。壱ノ立の神山勝冴(創理1=東京・早大学院)や弐ノ立の佐藤我音(先理1=東京・早実)の4射皆中などもあり、2立目が終わった段階で一気に3中差をつけることに成功する。この立に出た8人中7人が3中以上という、猛烈な追い上げだった。その後は早大有利の展開が続く。2立目以降の全ての立で関学大より多くの的中を出し、最後は130中-109中と20中以上の差をつけて快勝した。
この日20射19中を出した竹宇治
男女両チームとも序盤から難しい試合展開となったが、そこから追い上げを見せた。さらに男子はその後相手チームを上回る勢いで、大きく的中差をつけての勝利となった。女子は残念ながら勝利につなげることはできなかったが、少ない的中差を競り勝つ粘り強さが出てくれば勝利は見えてくる。また女子の試合ではリーグ戦を見据えて、あまり試合経験の多くない選手も起用し、戦力拡充のきっかけ作りとしても位置付けていた。リーグ戦はおよそ2カ月にも及ぶ。誰かが調子を落としたときに、その場所をしっかり埋められる選手は絶対に必要だ。これから何人がそこに名乗りを挙げるのか。新しい力の台頭にも目が離せない。
(記事、写真 新井沙奈)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
【女子】
大前 山﨑琴葵(社2=東京・早実) 20射17中
弐的 後藤万結(人2=福岡・明治学園) 20射12中
落前 不藤奈々(創理3=埼玉・早大本庄) 8射0中
武川 12射11中
落 井上采香主将(文構4=東京・吉祥女) 20射14中
●早大54中-関学大57中
【男子】
壱ノ立
大前 竹宇治 20射19中
弐的 神山 20射15中
落前 村岡晃輔副将(文構4=群馬・高崎) 20射15中
落 宮﨑 20射18中
弐ノ立
大前 黒羽航平(文構3=東京・早大学院) 20射17中
弐的 佐藤 20射17中
落前 河野誠也(人1=埼玉・県浦和) 8射3中
山田蓮(政経1=東京・早大学院) 12射8中
落 大澤暢主将(創理4=東京・早実) 20射18中
○早大130中-関学大109中
コメント
後藤万結(人2=福岡・明治学園)
――今日の射を振り返っていかがですか
少し悔いの残る射になってしまって、もう少し頑張れば当たった矢が何本かありました。まだ試合経験が少ないのでこれから経験を重ねて、少しずつ自分が満足のいく射
を増やせるようにしたいなと思っています。
――あまり納得のいかない射だったということですか
できた射もあるのですが、自分の中ではできない射が目立ってしまって悔しかったです。
――どんなことを意識しながら試合に入りましたか
私は試合だと考えてしまうと緊張してしまうので、いつも通り自分がやることをやるだけだと思って、とにかく大丈夫と自分に言い聞かせながら準備していました。
――初矢と止め矢を外す立が多かったですが、何が影響したと考えていますか
初矢と止め矢ということで緊張もあって、やることは確認したのですがそこに対してきちんと集中ができなかったのかなと思います。
――リーグ戦に向けてどう取り組んでいきますか
まず今できていないことを確認して、分からないところがあったら指導陣や先輩に聞いて、一気にやろうとするのではなくて一つずつ確実に自分ができないところをできるようにしていきたいです。そうやって試合でも通用する射を作っていきたいと思っています。
佐藤我音(先理1=東京・早実)
――今日の射の振り返りをお願いします
初めての公式戦で緊張したことも多かったのですが、最近調子が良くなってきていたのでそのまま引けたかなという感じです。
――2立目以降素晴らしい的中でしたが、1立目と2立目以降では自分の中で変化はありましたか
1立目は緊張して自分がいつも思っていることが全然できなかったのですが、2立目以降は先輩方が声を掛けてくださって、いつも通りにということを意識して引くことができました。
――試合に出るときに意識したことはありますか
試合になると緊張して会が短くなってしまうところがあって、1立目はそれがうまくできなかったのですが2立目以降はそれをとにかく意識しました。調子がいいので伸び合えば当たると思って引きました。
――今日の射は何点ですか
初めての公式戦だったので、90点くらいあげちゃいたいですね(笑)。
――リーグ戦に向けてどのように取り組んでいきますか
今の実力だとメンバーに確定で入ることはできないのでまずはメンバーに入って、でも入るだけではなくその先で16中17中18中、良ければ19中皆中というところをできるように頑張っていきたいです。