全日本インカレ初日 粘りを見せるが男子団体予選敗退 「あと1本」を生み出せるか

弓道

 日本一の座をかけて全国の大学生弓引きが競う4日間が、幕を開けた。8月10日から始まった全日本学生選手権(全日本インカレ)の、大会1日目には男子団体の予選が行われた。ここで全国182校の中から決勝トーナメントに進む24校を決定する。早大は予選で20射12中を出し、惜しくも予選敗退となった。

 早大の登場は予選14立目。今回の早大はこれまでの大会から立順を少し変更して臨んでいた。大前に入ることが多かった田沼翔太(スポ3=東京・桜修館中教校)や、落に入ることが多かった大澤暢主将(創理4=東京・早実)を控えに置き、大前には村岡晃輔副将(文構4=群馬・高崎)を、落には宮﨑滉巳(社2=埼玉・県浦和)をそれぞれ起用した。

落を務め、3中した宮﨑

 しかし早大は1本目からうまく流れに乗ることができない。5人中1本目を的中させたのが2人だけという難しいスタートとなった。その後も連続して的を射止めることに苦労したが、一回りの中で必ず5人中3人以上が的中を出し、全員で大きく崩れることを防いだ。4本目は5人中4人が的を射止めて、最後までしっかりと引き切る姿を見せ、結果は20射中12中。しかし、昨年の予選通過のボーダーラインは14中。予選通過は厳しい的中数であった。結局決勝トーナメントへの進出をかけた同中競射は13中の大学で行われ、早大は1本及ばず予選敗退が決定した。

行射中の黒羽航平(文構3=東京・早大学院)

 早大は「あと1本2本当たりがあれば」(黒羽)という言葉の通り、1中及ばず決勝トーナメントをかけた同中競射への挑戦権をつかめなかった。悪い流れを食い止める1本、いい流れを生み出す1本、いい流れを加速させる1本。記録の上では1中ということだけかもしれないが、その積み重ねがその立を大きく変化させる。これから秋にはリーグ戦が始まる。強者ぞろいの中で勝っていくためにはその1本が必要になってくるだろう。

(記事、写真 新井沙奈)

結果

【予選】

大前 村岡 4射2中

弐的 黒羽 4射3中

中 竹宇治雄介(政経2=東京・早実) 4射3中

落前 東海枝航平(スポ3=埼玉・県浦和) 4射1中

落 宮﨑 4射3中

計 20射12中

コメント

黒羽航平(文構3=東京・早大学院)

――今日の射の振り返りをお願いします

 今日はとにかくやることは絞ってそれを確認して、できたときは的に入っていたかなと思います。ただ立を見ていてくれた同期からは、まだやり切れていないと言われたので、3本当てられたのは結構ラッキーだったのかなと思います。

――チーム全体の結果としてはどう考えていますか

 最近全体として練習でもそんなに調子が良かったわけではないので、仕方ないところはあるのかなとは思います。でもやはりあと1本2本当たりがあればという感じではあったので、悔しいです。

――チーム全体として意識していた、共有していた部分はありますか

 正直そもそも練習で当たっていなかったので、とにかく抜いても気にしないというところは皆思っていたと思います。持っている矢だけに集中するということを普段から主将も言っていたので、それを考えながら引いた感じです。

――近的は個人の決勝が控えていますが、今日の射をどのように生かしたいですか

 今日の射のままだと個人戦であまりいいところまでいけないと思うので、ずっと自分の課題ではあるのですが、最後までしっかり弓を体に寄せていくというところをこの後の練習で意識してやっていきたいと思います。