全関東学生選手権本戦1日目は男子の団体と個人の決勝が行われた。早大は団体の2回戦から登場。3回戦では同中となり、一手競射に入るものの慶大に及ばず3回戦での敗退となった。個人戦には田沼翔太(スポ3=東京・桜修館中教校)と黒羽航平(文構3=東京・早大学院)が出場するが、二人とも4本目を外して、惜しくも入賞とはならなかった。満足できる結果ではないが、自分たちの現在の位置を掴む大会になったと言えるだろう。
最初に行われたのは団体戦。6人一組のトーナメント方式で、一人4射ずつの合計24射で相手と競う。予選でシード権を獲得していた早大は、2回戦からの登場となった。しかし直前の的前練習の際もなかなか的音が響かず、大きな大会会場での調整の難しさをうかがわせる。早大の初戦は千葉工大との対戦となった。1中の選手が2人出たが、大澤暢主将(創理4=東京・早実)、東海枝航平(スポ3=埼玉・県浦和)、宮﨑滉巳(社2=埼玉・県浦和)の3人が皆中を決め、全員でしのいだ早大は16中-15中で初戦を制した。
団体戦と個人戦に出場した田沼
3回戦は定期戦で敗れた慶大との対戦に。田沼の皆中の他に、3回戦から途中出場した竹宇治雄介(政経2=東京・早実)が3中するなど、奮闘を見せて15中-15中と同中とし、一手競射に入った。しかしここで慶大が12射11中と勝負強さを見せ、自分たちのリズムに乗り切れなかった早大は8中-11中で敗北。最終結果はベスト8で準決勝には届かなかった。
団体戦で途中出場した竹宇治
個人戦には予選を通過した田沼と黒羽が出場した。個人戦は射詰で1本ずつ引いて当たれば残り、外せばその時点で終了という形式で行われる。二人とも通常の直径36センチメートルの的が適用される3本目までは、順調に進んでいった。4本目から八寸的(直径24センチメートルの的)に変更されるが、ここで脱落者が増える。何とか食らいついていきたいところだったが、惜しくも外し二人とも入賞はならなかった。
「あと一本」の難しさを知る大会となった。これは個人戦の射詰においても言えることだが、やはり団体戦の欲しいところでの一本はとても難しい。誰がどの場面で一本入れることができるかで、チームの雰囲気も流れも大きく変わる。選手たちからは常に前を向いて取り組む姿勢が感じられる。これから更に大きな大会、リーグ戦も待っている。流れを引き寄せる一本を積み重ねて、目標まで勝ち進んでいく姿が楽しみだ。
(記事、写真 新井沙奈)
結果
〈団体〉
2回戦
田沼 2中
黒羽 1中
宮﨑 4中
東海枝 4中
渡部瞭太(文3=東京・海城) 1中
大澤 4中
〇早大16中-千葉工大15中
3回戦
田沼 4中 1中
竹宇治 3中 2中
宮﨑 3中 0中
東海枝 0中 2中
渡部 3中 1中
大澤 2中 2中
早大15中-慶大15中 ●早大8中-慶大11中
〈個人〉
黒羽 ○○〇×
田沼 ○○〇×
コメント
東海枝航平(スポ3=埼玉・県浦和)
――今日の試合を振り返っていかがですか
悪くはなかったですし、今週一週間の調子も全然崩れる感じもなくて、問題ないかなと思っていたのですが、いまいち絞り切ってない感じがありました。結局最後に試合でどうやるかという部分がしっかり絞り切れていなかったので、何となく当たっているからいいやという流れで今日入ってしまって、その結果0中を出してしまうところにつながったのかなと思います。
――2回戦は皆中でしたが、感覚はどうでしたか
感覚としては最初の2本は良かったのですが、残りの2本でちょっとおかしいなというかぎりぎり入ってくれている感じでした。その違和感が何なのかというところを、しっかり3回戦までの間で考えなかったというのもあります。1回腰をけがして二週間くらい部から離れていて、先週くらいからやっと合流してという感じだったのですが、痛みは抜けていても結局完治してはいないんだなというのを再認識しました。体の作り直しとか、どうしても体幹部分が弱いので射全体として崩れないように、そこのところをもう一回作り直さないとなというのを今日改めて認識したところです。
――2回戦での後ろの2本の射を引きずってしまったということですか
引きずったかどうかと言われると、そこまでではないですね。トーナメントなので1回1回は別物だと思っているので、さっき4中だったから今回も4中いけるなということではなくて、先程言った違和感をすぐ処理しなかったというところが、3回戦目の0中の全てかなというふうに思います。
――個人戦では田沼選手の介添えに入っていましたが、何か言葉を掛けたりされましたか
特には掛けてないのですが、田沼が個人で何か出るときはいつも僕が付いていくので、いつも通りの雰囲気というか適当な関係のない話とかしてました(笑)。普通に頑張ってくれやとか楽しんで引いてきてくれと言いました。本人が当てられるようなサポートはできたかなと思います。
――次に向けてこれからどのように取り組んでいこうと考えていますか
選抜(全国大学選抜)がもう二週間後で来週も土日に試合が入っているので、結構タイトなスケジュールで。今日の3回戦の競射が2本当たった感じから、やっぱりだめなときはだめ、いけるときはいけるという感じで、だめなところの要因は絞り切れているので、トレーニング的な面だったりを強化したいです。毎回毎試合一つ一つが大事なんだとしっかり向き合って、どうやるか絞り切って、やることだけを試合でやるという、今までやってきた通りのメンタリティで臨めればいいかなと思います。
竹宇治雄介(政経2=東京・早実)
――今日の射を振り返っていかがですか
一番感じたのはいい経験をしたなというのが大きいですね。新人戦から今シーズン始まって、この前の予選も出ることができて、結果的に本戦もということだったので。日本武道館のアリーナで引くのが初めてだったので、アリーナから見える的場の景色だったりといったところですごくいい経験をしたと思います。
――的中数を見ると途中出場ながら奮闘していたと思いますが、射の感覚としてはどうでしたか
射はちょっと(笑)。今シーズンずっと射に関しては本当にふがいないというか、悪い射がとにかく多く出ていて。それでも気にするけれど気にしすぎないくらいの感じで引いていて、大澤さんもそんなに気にするなよと声を掛けてくださっています。試合のメンバーに入ったら当てることしか貢献できることはないので、何が何でも当てると気持ちを入れて引くことができたかなと思います。
――アリーナで引くのは初めてだそうですが、普段引くときと感覚は違いましたか
観客席がすごく広くてめっちゃ見られてるなあって(笑)。ですがやっぱり今シーズンから対面試合も増えて他の大学で引かせていただく機会もあったので、そういう点ではそこまで違いに翻弄(ほんろう)されることはなかったかなと思います。
――ではそこまで緊張の度合いは大きくなかったですか
いや、めっちゃ緊張しました(笑)。もうずっと控えとかで先輩方や宮﨑にたくさん声掛けてもらって、そこで緊張もある程度ほぐれたかなと思います。
――次に向けての意気込みをお願いします
まず次の一番の目標は選抜に出場することなので、当てないといけない場面でしっかり当てられるような選手になって選抜に出られるように、選抜以降の大会にも出て活躍できるように頑張っていきたいと思います。