リーグ戦開幕 幸先の良い一勝

弓道

 1部リーグ昇格をかけた東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)が開幕した。2部リーグに所属する早大にとって、負けられない3試合だ。初戦の一橋大に勝利して好スタートを切りたいところである。早大は序盤から安定した射を見せ、大差でリード。後半は若干の崩れもあったが、前半の勢いのまま逆転を許すことなく、初戦を勝利で飾った。

 序盤に活躍を見せたのは、善村泰成(教4=東京・早実)、田沼翔太(スポ2=東京・桜修館中教校)の2人であった。4年生ながらリーグ戦に新人として初出場した善村は、「初めての試合出場ではあるのですが、同時に最後の試合というのもあるので、やはりそのような点では、やり切って結果を残して終わりたい」という思いのまま、次々に的中を決めた。善村と田沼は、共に3立目までを皆中とし、危なげない射でチームをけん引した。その結果、3立終えた時点で一橋大に17中差をつけ、後半戦へと突入した。

 

最初で最後のリーグ戦で大健闘した善村

 前半の好調を維持した田沼は、4立目も皆中。5立目で惜しくも1本外したものの19中という好成績を収めた。善村は、4立目で2本外す展開となったが、その後立て直して17中とし、4年生の意地を見せた。3年生の大澤暢(創理3=東京・早実)も18中と、一試合通して好的を見せ、勝利に大きく貢献した。チーム全体としては後半に的中率が下がったが、差が縮まることなく、119中−97中で試合を終えた。

 

終始好調の射を見せた田沼

 早大にとって久々の勝利となった今回の試合。しかし、西野敏哉監督(昭58商卒=神奈川・厚木)は「160射130中はとりたい。全ての射を魂込めて引けたか」と試合後の選手に問うた。目標は1部リーグ昇格であり、その切符を手にするための山場は中大との一戦だ。勝負には勝ったが、来たる中大戦に向けてさらに上を見据えている。負けられない戦いはまだ続く。

(記事、写真 中村日菜美)

結果

壱ノ立
大前 田沼 20射19中
弍的 宮﨑滉巳(社1=埼玉・浦和) 8射5中
   東海枝航平(スポ2=埼玉・浦和) 12射7中
落前 眞武希光(社4=東京・早実) 12射8中
   村上史哉(法4=熊本) 8射6中
落  大澤 20射18中

弐ノ立
大前 村岡晃輔(文構3=群馬・高崎) 20射15中
弍的 黒羽航平(文構2=東京・早大学院) 12射7中
   渡部暸太(文2=東京・海城) 8射5中
落前 善村 20射17中
落  千葉智広(先理4=東京・早大学院) 12射9中
   佐藤匠(法4=東京・早大学院) 8射3中

○早大119中−一橋大97中

コメント

善村泰成(教4=東京・早実)

――今大会は新人としての出場でしたが、試合を振り返っていかがですか

初めての試合出場ではあるのですが、同時に最後の試合というのもあるので、やはりそのような点では、やり切って結果を残して終わりたいという思いがありました。

――4立目は、2射外してしまってからの2中となりましたが、気持ちはどのように切り替えましたか

初矢は甘い部分があって抜いてしまったのですが、気持ち的にはあまり動揺していなかったです。2本目は攻めた結果で、抜きはしましたが、良いほうのミスで抜いた部分もあったので、そのあとの2本は当てなければいけないという気持ちもありつつ落ち着いて引けたと思います。

――今後毎週試合があり、限られた時間の中での練習となりますが、気持ち的にはいかがですか

残された時間は短くて、来週再来週はもっと試合がきつくなると思うので、もっと頑張りたいと思います。

――2部リーグでの残り2戦に向けて意気込みをお願いします

4年生なので、部活の中でも1番になれるように頑張りたいと思います。

田沼翔太(スポ2=東京・桜修館中教校)

――1部リーグ昇格をかけた今大会の初戦でしたが、どのような思いで臨みましたか

1部昇格であったり、早大の勝利であったり、いろいろあったと思いますが、結果的に自分が当てればどちらにもつながってくるので、とりあえず自分が持った矢を自分のできることをやり切って当てようという気持ちで臨みました。

――5立目終了後、「悔しい」という言葉もありましたが、20射19中という結果は率直にいかがですか

やはり悔しいです。最近、調子悪いのが続いていて、試合も当たっていないことが多かったのですが、やっと調子が戻ってきて、今日調子も良かったので、いけるかなというところで20射皆中狙いたかったです。悔しいという思いが1番強いです。

――試合後、西野敏哉監督から「前半は良かったが、後半に課題が残った」という話がありました。勝負となる第3戦、中央大との戦いに向けてどのように調整していきますか

後半は20射皆中が見えてきて、自分がやることの他にいろいろな感情が出てきてぶれてしまったので、どれだけ当てていても、対戦校がどこであっても、同じ気持ちでやることをやるというのを徹底していこうと思います。