2年連続ベスト8 目標の日本一は来年に持ち越しへ

弓道

 8月に開催予定だった全日本学生選手権(インカレ)が開催された。全国の大学日本一の座を争うこの大会も、今年は新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれた。それでも開催させることができたのは、大会関係者の開催に向けた努力と各学校の選手の大会への熱意の賜り物である。そんな例年以上に特別な大会となった今大会に早大弓道部は臨んだものの、結果はベスト8。目標とする日本一には届かなかったが、名門弓道部に恥じない戦いぶりをみせた。

 予選では好調の滑り出しをみせた。今年1年生ながら、年間を通して大前を努めた田沼翔太(スポ1=東京・桜修館中教校)や村岡晃輔(文構2=群馬・高崎)は一手競射、計2回の一本競射で安定した射を披露。落を務める千葉智広い(先理3=東京・早大学院)は全射皆中する活躍をみせた。これにより早大は全体で計18中。出場校全体2位という好成績で決勝トーナメント進出を決めた。

 

大前としての役目を全うした田沼

 決勝トーナメントでは初戦の相手である熊本学園大の棄権により、2回戦からの登場となった。2回戦の相手は信大。初戦では17中と好成績を残している。それでも早大は、大前・田沼、参的・大澤暢(創理2=東京・早実)が皆中をするなど、チームを牽引。16中―12中と相手を引き離し、準々決勝進出を決めた。

 

4年生として最後の試合に臨む阿部悠里(教4=宮城・仙台一)

 迎えた準々決勝の相手は日大。リーグ戦代替大会では、一部リーグ1位、的中率1位を記録した強敵だ。「いかに普段通り引けるか」。矢内健主将(人4=東京・広尾学園)はそう話し、今大会の山場を迎えた。落・千葉、落前・渡部暸太(文1=東京・海城)が皆中する活躍をみせた。しかし結果は16中―19中。早大の2年連続ベスト8での敗退が決まった。

 「本当にやり切った」。矢内健主将はこう話す。この特別な年を無事乗り越え、主将としての責務を果たした安堵感から出た言葉であろう。この大会を最後に4年生は引退となり、日本一という目標は後輩たちに託すこととなった。しかし矢内主将が話すように、来年以降も難しいシーズンになることが予想される。それでも今年多くの経験を積んだ後輩たちは、来年日本一という目標を達成してくれるに違いない。

(記事、写真 荻原亮)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子団体 田沼、阿部悠里(教4=宮城・仙台一)、大澤、渡部、千葉 予選 田沼 ○○○○ 渡部 ×○○○ 村岡 ○○○× 大澤 ○○○○ 千葉 ○○○○/br> 20射18中 決勝トーナメント2回戦 ○早大16中―信大12中 決勝トーナメント準々決勝 ●早大16中―日大19中

コメント

矢内健主将(人4=東京・広尾学園)

――今日の試合が最後の試合でしたが、どのように臨まれましたか

今シーズンすごく長くて、例年と違う部分があり、結構苦しいところがあったのですけど、慕ってくれる後輩やコーチ陣の方のためにも自分のできることは精一杯やり切ろうと臨みました。

――特別なシーズンだったと思いますが、それに関してはいかがですか

そうですね、コロナの影響で特別な年だったことは間違いなくて、それ以外で部のところでも問題があったのですけど、やはり支えてくれた人たちのおかげでここまでやってこれたと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。

――今日の試合に向けて部全体にはどのような声かけを行なってきましたか

2週間前の早慶戦で全く思い通りの結果が出せなくて、何か練習方法や気持ちの面で変えていかなければいけない部分があるよねというふうに話していました。それを日々今日は何か変えられたかなということを意識して練習してきました。

――準々決勝の相手が日大ということでそれに関しての声かけはありましたか

強豪相手だからより緊張するということはあってはならないと思っていたので、いかに普段通り引けるか、という声かけをしてきました。

――今日の試合で引退となりますが、4年間の振り返りをお願いします

最後の年が一番長くて責任が最も重かったので、そこの一年間が思い出の中で一番を占めています。本当にやり切った、後悔はないです。それだけです。

――最後に下級生に向けてお願いします

来年も今年に引き続いてコロナの影響があり、大変なこともあると思いますが、今年達成できなかった日本一という目標、また一部リーグ復帰という目標をしっかり達成できるように日々がんばってほしいです。

千葉智広(先理3=東京・早大学院)

――試合にはどのような気持ちで臨まれましたか

とにかく自分たちができる全てを試合にぶつける。相手とか関係なく、自分たちができることだけをぶつけようという気持ちでやりました。

――信大戦では羽分けでしたがそれに関してはいかがですか

もしかして自分のせいで負けてしまったのではないかという気持ちを抱えながら引いていました。羽分けで終わったのですが、最後の一本を当てることができたのは周りのチームメイトが自分を元気付けてくれるくらいできたと。それが羽分けができた原因かなと思います。

――日大戦では皆中を見せましたが、気持ちの入れ替えなどはどのように行いましたか

気持ちの入れ替えというより射の完成度を、信大戦の羽分けの反省を生かしてできたので、羽分けでみんなに負担をかけてしまった分取り返そうという気持ちで頑張りました。

――来年への意気込みをお願いします

今年できなかった日本一というのを来年こそは達成できるようにチーム一丸となりやっていきたいです。