東京都学生連盟リーグ戦代替大会(リーグ戦)もはやくも第4週目。東洋大戦、立大戦とここまで順調に勝利を重ねてきた早大、この日の対戦相手は一橋大だ。初立から一橋大を上回った早大はそのまま少しずつ差を広げ、最後まで流れを渡さなかった。最終立では的中数を下げたが、初立で差をつけたことが大きかった。48中-29中と大差をつけて3連勝を挙げ、リーグ戦全勝に王手をかけた。
初立は山野桃果(先理2=東京・吉祥女)と武川衣万里(スポ2=山口・宇部フロンティア大香川)が引っ張った。一本目から的中させた二人は4射3中、鈴木来実(スポ1=茨城・清真学園)、渋谷有希乃(文構3=東京・早実)は羽分けで終えるが、的中を落とした一橋大と7中差をつけた。2立目、羽分けの山野、武川をカバーするように鈴木が皆中。誰かが調子を落とすと、その前の立で調子が悪かったメンバーが調子を上げてカバーするチームワークを見せた。
1立目4射3中の武川
3立目では、立を追うごとに調子を上げてきた渋谷が皆中。前の3人の結果がわかる落というポジションでも周りに流されることなく落ち着いた射を見せた。この時点で一橋大との差は13中。4立目で調子を取り戻した山野が皆中し、この時点で引き分け以上が確定。最終立は全員が羽分け以下で終わる結果ではあったが、初立から大きく広げた差を覆されることは無かった。48中-29中、圧倒的な差をつけて早大は勝負を制した。
安定感を見せた渋谷
川西舞奈女子主将(スポ4=埼玉・春日部女)は今後の課題について「1人が抜くと次の人も抜いてしまって、というように悪い流れが連鎖していく場面が目立ったので、前の人が抜いたら次は絶対止めるという意識は強めていかないといけない」と語る。川西の言葉の通り、三立目と最終立では3人連続で抜いてしまう場面があった。今回も早大は勝利を収めたが、的中数は試合を追うごとに60中、49中、48中と下がっている。早大弓道部が抱える『日本一』という目標に届くためには今の的中数で満足せず、最高的中を更新し続けていく必要がある。リーグ戦全勝、そして来月に控える全関東学生弓道選手権大会に向けて練習の日々は続く。
(記事 宮崎円花、写真 荻原亮)
結果
大前 山野 20射13中
弐的 鈴木 12射8中
亀卦川響(法1=東京・早実) 8射3中
落前 武川 12射6中
高橋広奈(政経3=宮城・仙台一) 8射4中
落 渋谷 16射12中
川西 4射2中
コメント
川西舞奈女子主将(スポ4=埼玉・春日部女)
――選手としての出場は久しぶりでしたが、いかがでしたか
前にいつ出たか分からないくらい久しぶりでした。久しぶりの公式戦はやはり緊張しました。
――最終立というタイミングでの交代の意図とは
次の試合も私を出せるか分からない部分があって、今日は色々な人を出して経験を積んでいこうということも目的の一つだったので、今日がもしかしたら私の公式戦最後の出場になるかもしれないと出させていただけたのかと思います。
――そんな中でも初矢をしっかりと当てられていました
意識としては、出してもらったからには全部詰めていきたいという気持ちがあって、初矢からすべきことを全力でしようという気持ちで引きました。
――今日のチームの出来はいかがでしたか
いつも通りの実力を最初から出すことができず、それをずるずると引きずってしまった部分がありました。本当はもっと的中を出せるのに、自分たちに足りない部分はまだまだあるのかなと悔しいです。
――具体的にどのような課題がありましたか
1人が抜くと次の人も抜いてしまって、というように悪い流れが連鎖していく場面が目立ったので、そこは、前の人が抜いたら次は絶対止めるという意識は強めていかないといけないと思います。
――その克服には何が必要でしょうか
何よりも自分との戦いだと思うので、引いていく中で1人1人が一本の重さをよく考えていくということと、練習と試合で変わってしまう部分を最小限に抑えることが重要だと思います。
――今日のチームで良かったところはどこですか
引いていく中で、調子が良くなかった人も次の立では的中が戻っていることがあって、本人たちの中で反省点などがあって、改善できたのは良かったです。
――最終戦の意気込みをお願いします
1戦目は60中を超えて、4戦中で最高的中を出して勝利したいです。
山野桃果(先理2=東京・吉祥女)
――今日の試合は20射13中という結果でしたが、いかがでしたか
よくなかったです。
――どの点で良くなかったか教えてください
初立は良かったんですけど、二立以降が良くなかったです。今日はやることを決めてから試合に臨んだんですけど、ちょっとしたことが気になってしまい、気にしなくてもいいことを気にしてしまったせいで、どんどん悪い方向にいってしまったな、と思いました。自分がいいときは、決めたことを毎回続けることができているときだとわかっているのに、できなかったところがとても悔しいです。
――わかりました。ちなみに決めていたこととはなんですか
決めていたことは方向を決めて、肩線がずれていないことを確認して、矢線の方向に楽に入って、(軸を)ぶらさないで狙うということを決めていました。でも途中で馬手が強くなり、(手が)離れてしまうのが原因とわかっているのに、意識が逆にいって外してしまうということがよくあったので、(自分を)信じ切ってやらなければいけなかったのに、それをできなかったことが外した原因だと思います。皆中したときはその前に、このことに気づいて意識するようにしたら戻ったので、逆にそれで前の立はそれが原因だったのだと気付いて悔しさが残ります。
――前の試合と比べて今日の試合はいかがでしたか
的中自体は一緒ですけど、今日の方が精神的には安定していけたので、そこは良かったと思います。
――今日の自分を点数で表すなら何点ですか
32点です。
――内訳はいかがでしょうか
初立で3以上出せたことと、自分のダメだったところに途中で気づけたことがよかったところですね。あと前の2試合は自分にプレッシャーをかけてやってたんですけど、そのせいで悪くなるとどんどん悪くなっていくという負のループに陥るという気持ちで、引いていて辛かったんですけど、今日はプレッシャーじゃなくて、自分に大丈夫だと言い聞かせて辛い気持ちで引くことはなかったので、気持ち的には穏やかな状態で引けました。でも結果が出てないのでこの点数です。
――今日の試合を終えて、今後のリーグ戦へどのように臨むか教えてください
頑張って自信を持った射で望めるように練習していこうと思います。今週少し気になってしまったことがあったので、それをしないで自信を持った射をすれば、自分を信じて全部同じように(矢が)当たっていくと思うので、それをやって圧勝して終わりたいと思います。
亀卦川響(法1=東京・早実)
――今日が初めての公式戦でしたが、いかがでしたか
緊張して正直言うとボロボロでした。昨日から交代で出るというのは言われていたのですが、いざ出るとなると入場前からすごく緊張して、練習の時から出ている悪い癖が全部出てしまったような気がします。
――どんな癖でしょうか
会が短いのが高校の時からずっと課題で、最近は少しずつ伸びることができるようにはなってきたのですが、練習でも皆中がかかっている場面や大前の最初の1本など緊張する場面では離れが早くなって外してしまうことが多くありました。今日は8本全部緊張していて、とくに初矢は早くに離れて外していたので、メンタル面が全然足りないなと思いました。
――今日の自分に点数をつけるなら何点でしょうか
10点とか15点とかです。当たった矢、特に4立目の3、4本目はちょっと伸びて当てられたのでそこが10点です。
――早大弓道部は自身にとってどのような場所でしょうか
私は中学の時から早実に通っていたのでずっと身近な存在で、今は家よりも長くこの場所にいるので、一番落ち着ける場所かなと思います。
――今後の抱負をお願いします
大事なところの一本を抜かないように精神面を鍛えて、来年のリーグ戦はスタメンとして部に貢献できるように頑張ります。