時折吹く強風が桜を舞い散らす中、日本大学との定期戦が日本大学弓道場で行われた。新体制になり、昨年果たせなかった全国制覇を目指す早大は強豪・日本大学に挑んだ。中盤までは競った場面も多くみられたが、最後は日大に意地を見せられ122―130で敗戦に終わった。
序盤は互角だった。1立目で日大が25中を出したのに対し、早大は8人中4人が皆中を出し、合計23中を出すというまずまずの立ち上がりを見せる。続く2立目でも両校共に安定した的中を出し、2立目終了時点で50―53とその差を3中に抑えた。これ以上差を広げたくない早大だったが、3立目で弐ノ立が10中と崩れてしまう。一方日大は壱ノ立、弐ノ立ともに13中と安定した的中を出し、この時点で73―79と、差を6中にまで広げられてしまった。
新主将に就任した牧山
後がない早大。だが、4立目で日大も壱ノ立10中、弐ノ立11中と大きく崩れる。この機に乗じて攻め込みたい早大は壱ノ立が13中、弐ノ立も調子を取り戻し12中といずれも相手を上回ると98―100の2中差まで追い上げ、最終立へと望みをつないだ。しかし反撃もここまで。5立目で早大は壱ノ立、弐ノ立ともに12中と大きく崩れこそしなかったものの、的中差を詰めるには心もとない的中に終わる。対して日大は8人中7人が皆中を出す圧巻の射で昨年度1部リーグ2位の底力を見せ、最終的中は122―130と、日大に大きく離されての敗戦となった。
19中の高的中を出した宮川
4月を迎えて初の定期戦を白星で飾れなかった早大。だが、課題だった序盤の立ち上がりには改善の兆しが見られる。また昨年度から主力として活躍している牧山千莉主将(スポ4=県千葉)や宮川晃弥(スポ2=茨城・清真学園)、千葉智広(先理2=東京・早大学院)らは引き続きチームに在籍している。全国制覇に向けて、チーム力は向上しつつあると言っていいだろう。日本一を目指すチームに、足踏みをしている余裕はない。気持ちを切り替え、次の定期戦に勝利し、6月の全関東学生選手権(全関)に向けていいスタートを切りたい。
大前に抜擢された村上
(記事、写真 菊元洋佑)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
壱ノ立
大前 千葉 20射16中
弐的 大森青馬(政経3=県千葉) 20射13中
落前 阿部悠里(教育3=宮城・仙台一) 20射15中
落 宮川 20射19中
弐ノ立
大前 村上史哉(法2=熊本) 20射17中
弐的 関口優崇(先理3=東京・早大学院) 20射14中
落前 西原剛志(スポ4=東京・城北) 4射 残念
栗原健太(文構4=東京・国学院久我山) 16射11中
落 牧山 20射17中
コメント
牧山千莉(スポ4=県千葉)
――17中という結果を振り返っていかがですか
個人的には、昨日も調子悪い中での今日だったのですが、今までやってきたことをしっかり出そうという気持ちを持って20射引いて、そこに関してはしっかりできたのかなと思います。
――今までは大前で引くことが多かったですが、今回は弐ノ立の落に回りました
そこは主将として、チームで最後に決める役割としてやっているのですが、結局引くときは自分のことに集中して引くだけなので、そこは変わらないかなと思います。
――今年度から主将ですが、部にはどんな声掛けをされていますか
もちろん目標は日本一なので、そこに向かって。昨年先輩たちが日本一の直前まで連れて行ってくれたので、あと一歩どうするのか。全員で日本一になろう、というのをしっかり目標として統一するために声掛けしています。
――今日は2年生の活躍が多くみられました
そうですね。2年生も皆真摯に練習に取り組んでくれているので、しっかり的中が出ているというのはすごく頼りがいのあることだと思います。
――今後の目標は
まずは6月にある全関(全関東学生選手権)に向けて個々人の力を上げていって、全関での優勝を目標にやっていきたいと思います。
宮川晃弥(スポ2=茨城・清真学園)
――本日を振り返っていかがですか
この試合で自分の射を完成させようとは思っていなくて、6月の全関、それから選抜(全国大学選抜大会)、その後夏のリーグ戦(東京都学生連盟リーグ戦)までに自分の射を確立しよう思っている中で、19中という結果を残せたのは自信につながりました。
――昨年度からチームの主力として活躍されています
去年の今頃と今とを比べると、去年のほうが的中的には良いので、まずは去年の自分に追いつけるように。そして自分は去年のリーグ戦ですごく迷惑をかけてしまったので1年通じて活躍できるように頑張ります。
――1年生も迎えて、現在の部の雰囲気はどうですか
代は変わりましたが、牧山主将を先頭に男子日本一を目指す、という姿勢は変わっていないので、僕たちも新入生に対してしっかり日本一という目標を明確にできるように声掛けをしたり姿勢で見せていったりしたいと思います。
――今後の目標は
日本一を目指しているチームが関東で負けては日本一になれないと思っているので、本当はこういう定期戦でも負けているというのは良くないことだと思います。一つひとつの戦いに負けず、その中でチームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。
村上史哉(法2=熊本)
――出場経験が少ない中で大前を任されました。心境を教えてください
自分には荷が重いかな、という感じもするのですが、任された以上はやりきる、という思いで臨みました。
――本日は17中という的中を残されました
試合前の練習だともう少し中っていたので、もっと的中は出せたかな、とは思ったのですが、それでも気を抜いていたわけではないので、これからの練習であと何本詰めていけるか頑張っていこうと思います。
――4立目で追いつくも5立目でまた離されてしまいました
そうですね、早稲田は1部リーグの5位、そして日大は2位、ということでその辺りの実力差が最後の立で如実に表れてしまったのかなと思います。
――今後の目標は
これから定期戦が続いて、その後全関、選抜と続いていきますが、一つひとつ、自分が成長できたなと思えるような試合にしていきたいと思います。