平成31年度東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)の最終戦は、桜美林大と一戦となった。両校とも今シーズンのリーグ戦で苦戦を強いられている中で迎えたこの試合は、序盤から激しく競り合う熱戦となった。しかし、最終的には127-130と3本差で敗北を喫し、早大は次週1部残留をかけたリーグ入れ替え戦へと臨むことが決定した。
同じく今季リーグ戦まだ勝ち星のない両校が戦った一戦。互いに1部残留を決めるために全てをかけて臨んだ熱戦となった。先攻の桜美林大が壱ノ立で16射12中を出すと、早大も12射を出す。今季序盤から相手にリードされる展開が続いてきた早大だが、この試合は相手に簡単には流れを渡さない。自然と序盤から激しく競り合い、1本のミスが試合を分けるような展開となっていく。49-52と、早大は相手に3本の差をつけられ迎えた3立目。壱ノ立が16射15中を出しこの時点で64-64と同数になる。しかし桜美林大も簡単には流れを渡さず、この立終わって3本のリードを許して試合を折り返した。
今シーズン初めての皆中賞を出した千葉
4立目では4人が皆中を出すも差を詰めることは出来ず、勝負は最終立へともつれ込む。先行の桜美林大は壱ノ立が12中に終わり、早大はここで1本でも多く詰めて弐ノ立での同点・逆転を狙いたいところであったが、12中に終わる。4本差で迎えた弐ノ立では、桜美林大がまたしても12中を出したため、早大は皆中を出せば同中に追いつくことが出来る。しかし、13中に終わり最終的に3本差で敗れる悔しい試合となった。
この試合、抜群の安定感を見せた栗原
リーグ戦4試合で勝ち星を掴むことが出来ずに終わった早大。そして次戦、1部リーグ残留をかけた一発勝負に臨むことが決まった。この日の試合では、千葉智弘(先理1=東京・早大学院)が皆中、宮川晃弥(スポ1=茨城・清真学園)が20射19中を出すなど、選手個々の調子は上向いてきている。また、「チームとしてのまとまりはこのリーグ戦を通して高まっている」と渡邊顕士主将(社4=東京・日大荏原)が語るように、選手を応援する部員達にも一体感が見られる。チーム一丸となって入れ替え戦に勝ち、良いシーズンの締めくくりとしたい。
(記事・写真 廣瀨智優)
結果
初立
大前 牧山千莉(スポ3=千葉) 20射17中
弐的 千葉 20射20中
落前 栗原健太(文構3=東京・国学院久我山) 20射18中
落 中谷透 (基理4=東京・早実) 4射 1中
大貫真央(教育4=東京・帝京大高) 16射 9中
弐ノ立
大前 阿部悠理(教育2=宮城・仙台一) 8射 3中
佐藤匠 (法1=東京・早大学院) 12射10中
弐的 志岐伊織(スポ4=群馬・前橋西) 20射15中
落前 宮川 20射19中
落 幸明千尋(スポ4=東京・城北) 20射15中
コメント
渡邊顕士主将(社4=東京・日大荏原)
――リーグ戦初戦となった今日の試合、振り返っていかがですか
今までの課題がまだ解決しきれていないことが、結果として出てしまっていたと思うんですけど、チームとしてのまとまりはこのリーグ戦を通して高まっていると思うので、後はそれを的中に繋げていって、入れ替え戦に行きたいなと思います。
――僅差での試合展開が続いていました
比較的、相手校も自分たちと同じようなレベルで苦労しているところも同じで、レベル的にはそんなに差がなかったと思うんですけど、やっぱり大事な矢であったり取りこぼしの矢で3本という差がついてしまって、負けてしまったかなと思います。
――試合後のミーティングではどのようなお話をされましたか
監督の方からは、射術で足りていない部分を教えて頂いて、自分の方からはチームとしてはまとまってきているので、あとはこの二週間をどう過ごすかを部員に問いかけました。部員一人一人がどう過ごすべきか考えたうえで、入れ替え戦を迎えられるようにということを伝えました。
――今シーズンのリーグ戦が終わりました
練習と試合の的中の差が表れてしまったというのがあるんですけど、これも早稲田の実力だと思うので、そこは真摯に受け止めたいと思います。
――法大は壱ノ立の1立目で全員皆中を出していましたが、それを見ていかがでしたか
正直、法大なら出すだろうなと思っていたので、あくまで自分たちのことに集中して試合には挑もうと思っていました。
――リーグ戦を通してリードをされる展開が続きました
最初から差が開いた状態での試合展開が多かったので、逆に今日のように僅差の展開の試合になった時も、もう少し力を発揮したかったと思います。
――リーグ戦では1年生の活躍が目立ちました
非常の心強い部分であると思いますし、大きな可能性を秘めている部員たちだと思いますので、大事に扱いたいと思います。
――渡邊主将にとっては最後のリーグ戦でした
シーズンを通しての集大成としての試合なので、毎回気合は入りました。また試合展開だけではなくて、組織としてのまとまりも終盤にかけて強くしていかないといけないなと感じながら各学年の代表を務めていたので、今日の試合もしっかりと声が揃っていたりだとか、皆が勝つ姿勢をもって望めていたことに関しては非常に有意義なものであったと思います。
――今日も行射前の声掛けに工夫が見られましたが、何か意識されていましたか
少しでも選手の役に立つようなことがあれば、自分はそれをやることが義務だと思っているので、そういう意識で声をかけさせてもらいました。
千葉智弘(先理1=東京・早大学院)
――今日の試合を振り返って
1年の善村泰成(教育1=東京・早稲田実業)に試合前も試合中4本引いた後も、毎回持った一本一本に集中しろと言われてて、その意識が自分の中でよく働いて最後まで引き切ることができました。
――前回は最後の一本が詰められていないとおっしゃっていました。何を改善したのでしょうか
前回は、最後の離れで離れが怖いが故に思いっきり力いっぱい出していたんですけど、今回は自分の射に最後まで自信をもって気負うことなく引けたのでそれがよかったと思います。
――今季リーグ戦を振り返っていかがですか
最初の方は18中を出して帰るときはすごくいい気分だったんですけど、途中から18中ではチームが勝つためには物足りないと気が付いて、それからその18中よりも多く19、20中を出したいと思っていました。最後に皆中を出せたということは自分の中でよいことだったと思います。
――一年生の存在はどのようにお感じですか
一年生の宮川も佐藤も高的中を叩き出すことが出来て、それがチームにいい流れを作れたと思います。
――リーグ入れ替え戦にむけて
20射皆中は良い結果でした。これ以上の的中は出すことはできないので、この調子を続けて試合に臨みたいと思います。