日大定期戦で敗れる

弓道

 新体制になり、新戦力を迎え新たなスタートを切った早大。敵地で日大との定期戦に臨んだ。試合は序盤から終始リードを許す展開となり、終わってみれば122-132で敗れる結果となった。しかし、期待の新戦力は結果を残し今後に期待させる試合内容となった。

 早朝から降り続いていた雨が上がった中で行われた日大との定期戦。緊張感がみなぎる試合は初めから日大にリードを許す展開になった。日大は2立目の弐ノ立で3中を出した一方で早大は10中に終わる。この時点で差が6本と大きく開いてしまった。悪い流れを断ち切れないまま迎えた3立目の壱ノ立では、勢いにのる日大が16射15中を決める一方、早大は16射中11射に終わり試合の行方を決められてしまった。

安定して的を射抜いた牧山

 しかし日大は4立目で突然大きく崩れる。相手のミスにつけ込みたい早大は、日大が壱ノ立では9中、弐ノ立では13中と崩れた一方で、13中、14中とそれぞれ相手を上回る。そして迎えた最終立。早大は壱ノ立で16射14中とし意地を見せるも、攻勢に出るのが遅く、中盤に開いた差を埋めるまでには至らなかった。最後は日大にそのまま押し切られ、早大は大差で日大に敗れた。

20射皆中の宮川

「練習でやっていたことが試合になるとできない」と牧山千莉(スポ3=千葉)は悔しそうに試合を振り返る。どの選手も練習では良い射を放つ実力をつけてきた中で、本番の緊張感の中での再現率を高められるかどうかが浮き彫りになった試合であった。9年ぶりに1部校としてシーズンを過ごした昨年に引き続き、ことしも一部校として試合に臨む早大。下級生次から早大をけん引してきた幸明千尋(スポ4=東京・城北)や志岐伊織(スポ4=群馬・前橋西)にとっては大学ラストイヤーとなる。去年から見られた下級生の突き上げに加えて、期待の新人も早速活躍を見せ部内での競争は激しさを増している。勉学との両立を掲げ、時には時間が足りないと感じることがあっても、部員たちの意識は総じて高い。まずは1勝、この定期戦シーズンの中で、6月の全関(全関東学生選手権)、選抜(全国大学選抜)へ弾みをつけたい。 

(記事 廣瀨智優、写真 秦絵里香)

結果

初立

大前 牧山千莉(スポ3=千葉)            20射19中

弐前 阿部悠理(教2=宮城・仙台一)         20射14中

落前 中谷透 (基理4=東京・早実)         8射 4中

   小澤竜介(教育3=静岡・韮山)         12射 9中

落  幸明千尋(スポ4=東京・城北)         20射18中

 

弐ノ立&

大前 宮川晃弥(スポ1=茨城・清真学園) 20射 皆中

弐前 合田裕哉(法2=東京・早実)     8射 2中

   西原剛志(スポ3=東京・城北)   12射 9中

落前 黄揚翔平(法3=神奈川・山手学院) 12射 6中

   関口優崇(先理2=東京・早大学院)  8射 6中

落  志岐伊織(スポ4=群馬・前橋西)  20射15中

コメント

幸明千尋(スポ4=東京・城北)

――試合を振り返って

個人的にすごく難しい試合だったと思います。4年生になって初めてで、(きょうは)主将が不在だったので、選手選考であったり、自分にとっても難しいなと感じた試合でした。

――部の雰囲気はどのように感じておられますか

雰囲気はとてもいいと思います。去年と変わらず、皆練習に真摯に取り組んでくれていますし、4年生の言うことも聞いてくれていい方向に向いているなと思います。

――4年生になって、何か難しいと感じることはありますか

今までは自分の好きなように弓を引いていたのですが、4年生になって選手選考であったりを考えながら、周りの調子を見ながら弓を引いて、かつ自分も集中して弓を引かなくてはならないことが本当に難しいということを、きょう改めて思いました。

――今までは大前での出場が多かったですが、落での出場はいかがでしたか

3年の時から落をやりたいと言っていたのですが、いざやってみると本当に難しいポジションでした。きょうはなかったですが勝負矢が回ってきたり、16射皆中で回ってくることや、連抜きが続いているときには落は絶対に止めなければならないポジションなので、そういう所を詰めていけるような落になりたいと思います。

――今後の目標は

まずは定期戦シーズンでは、中央、明治、慶応など全部勝ち切りたいというのと、それが終わったらすぐに全関東学生弓道選手権大会(全関)が始まるので、8人立から6人立にしっかりシフトしていけるように頑張っていきたいです。

牧山千莉(スポ3=千葉)

――今日は20射19中ですが、ご自身でいかがですか

今週はすごく調子もよく、皆中も十分狙えるレベルにあったと思うのですが、やはり一本甘い矢が出てしまうというのは、これから直していなかければいけないことだと思います。

――新体制を迎えてから間もない試合でしたが、いかがでしたか

雰囲気としては、これから頑張ろうという感じなので良いとは思いますが、どうしても的中が足りていないので、これから頑張っていかなくてはいけないと思います。

――男子部と女子部の練習場所が一緒になって以降、練習はいかがですか

昨年からその状況が続いてきて、試行錯誤をしながらやってきているのですが、少し落ち着いてきて皆集中して練習することが出来ているのかなと思います。

――今後の目標は

しっかり20本詰め切ることを目標に、チームとしては練習でやっていることを試合でやることを目標にしていきたいと思います。

宮川晃弥(スポ1=茨城・清真学園)

――20射皆中、おめでとうございます

ありがとうございます。個人としては全部中てることができたので、それは良かったことだと思います。

――試合を振り返って

チームとして勝つことが一番の目標なので、それが達成できなかったことがすごく悔しいというのと、今までの練習の的中を出していれば今日の試合も勝てた試合だったので、練習と試合との違いが出てしまったということが反省点として見つかったので、一年生としてできることは少ないかもしれませんが、それをもう一度チームとして考え直して強くなっていきたいです。

――新人戦では20射18中でしたが、その時と比べて調子はいかがですか

新人戦の時は、早稲田大学弓道部の一員として弓道をするという環境に慣れていないこともあって、自分がやりきるということができていなかったのですが、先輩たちの支えもある中で少しは成長することができて、2本の差ですけれども大きな差なので、結果として現れたことは良かったことだと思います。

――今のチームの雰囲気はいかがでしょうか

1年生なので去年のチームの雰囲気は分かりませんが、先輩方1人1人の射もすごく見本になりますし、チームの中で成長し合える、切磋琢磨し合える良いチームだなと1年生ながら感じています。