明治大学弓道場にてことしも秋のリーグ戦(東京都学生連盟リーグ戦)が始まった。今季から1部復帰となり初戦の相手は、8月のインカレ(全日本学生選手権)で準優勝の法大。「絶対に(矢を)抜かない大学」であると法大のイメージについて鈴木智貴(法4=東京・早実)は語ったが、この日は137中。本調子では無かった中、昇格後初勝利のチャンスであったが早大も途中10中が続くなど精彩を欠き、125中に終わり黒星スタートとなった。
壱ノ立が初立で16射15中を出し、法大と互角のスタートを切った早大であったがその後の弐ノ立の初立、壱ノ立の2立目が10中に終わるなど流れに乗ることができない。その後の3立目では壱ノ立も弐ノ立も14中で高的中を見せたが、法大もそれぞれ13中、15中といれてきた事で差を詰めることができないまま前半を終えた。
落としてチームを統率する鈴木
4立目からはメンバーの入れ替えを行ったが、代わりに入ったメンバーがなかなか的中を伸ばすことができない。続く5立目では、法大の壱ノ立が16射皆中としてきた一方で、早大は13中。その後の弐ノ立で法大が13中を出したことで、早大は弐ノ立の結果を待たずしてこの試合の敗北が決定した。
初のリーグ戦で高い的中を出した長谷川
この日の試合は鈴木と幸明千尋(スポ3=東京・城北)が20射18中、リーグ戦初出場の長谷川翔平(法2=神奈川・山手学院)と牧山千莉(スポ2=千葉)が20射17中とした一方、ほかの出場選手は1つの立で2本以上抜く場面がみられた。試合後に鈴木が部の課題として「ムラがある」と振り返ったように、安定感を欠いた出来であったといえる。法大も途中10中を出してしまう場面がみられたが、メンバーを入れ替えることで立て直し、悪いなりにも試合をまとめられていた。今回の試合で選手層の差が露呈してしまう結果となり、解決策は選手1人1人のスキルアップしかないだろう。リーグ戦が始まったいま、大幅な改善を望むことは難しいといえるが、1度の試合で1人20射を必要とするリーグ戦でまぐれでの勝利はない。非常に高いレベルでの勝負となる1部リーグでの白星には、大きなミスをしないことが寛容である。「140中以上出すことが出来れば勝負できない相手ではない」と語る鈴木を筆頭に主将の倉持洵(スポ4=東京・國學院久我山)や志岐伊織(スポ3=群馬・前橋西)などの面々がミスのない実力通りの射ができるか、という点が来週の日大戦の勝利への鍵となりそうだ。1部リーグは強豪揃いではあるが、強いワセダの復活へ、まずは1勝をとりにいきたい。
(記事 金澤麻由、写真 秦絵里香)
結果
初立
大前 牧山 20射17中
弐的 大貫真央(教3=東京・帝京大高) 12射 8中
山田雄一郎(スポ2=東京・国学院久我山) 4射 2中
阿部悠理(教1=宮城・仙台一) 4射 3中
落前 関口優崇(先理1=東京・早大学院) 20射15中
大落 鈴木 20射18中
弐ノ立
大前 幸明 20射18中
弐的 長谷川 20射17中
落前 倉持 12射 8中
大森青馬(政経1=千葉) 4射 1中
西原剛志(スポ2=東京・城北) 4射 2中
大落 志岐 20射16中
●早大125―137法大
コメント
鈴木智貴(法4=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
法大が崩れたのにも関わらず、自分たちがいつもの力を出し切ることができなかったので遠く及ばない結果となってしまったと思います。
――初めての1部校との試合でしたが
やることはいつもの試合と変わらないので普段から気をつけていることをそのまま気をつけてひきました。
――今の部としての課題は
練習でもそうなのですが、1度崩れてしまうとみんなで崩れてしまう点が課題ですね。そこを練習から潰していくことができればこのような結果にはならないのではないか、と思います。
――試合前の法大のイメージを教えて下さい
絶対に抜かない大学、というイメージがあったので、今日の(総的中数)130台、という結果を見て(予想より低くて)ちょっとびっくりしてます。もともとは尊敬する射の持ち主ばかりなので、きょうの結果を見て、あれ?って感じですね。
――この夏はどのような練習をされてきましたか
基本的には試合形式での立ち練習をメインにやって来て、いい時もあれば悪い時もあり、やはりムラがあったのでそこが課題であると考えています。
――ご自身ではきょうはどのような事を意識されましたか
落を任されたので、どんな悪い流れでも自分でしっかり止めてやろう、と思い臨んだのですが、2立目(の4本目)は止めることができなかったので、次回はどんなに悪い流れでも自分でしっかり止めることができるように意識してやっていきたいです。
――このリーグでの部としての目標は
まずは1部リーグで1勝をあげることですね。
――次の試合への意気込みは
個人としては、1本も抜かないつもりで臨みたいです。部としては、次の対戦校(日大)も強豪校ではあるのですが、140中という数字を出すことができれば勝負できない相手ではないと思うので、140という数字を目標にがんばっていきたいと思います。