悔しい予選落ちで幕を閉じる

弓道

 先週開催された全関東学生選手権(全関)での屈辱を晴らすべく、早大弓道部は全国大学選抜大会(選抜)に臨んだ。予選は、男子5人順立の20射、女子3人順立の12射の合計的中で勝負が決まる。予選を突破することができるのは、的中率の良い上位16校だ。流れこそ悪くなかったものの、全国から集う強豪校に力の差を見せつけられる早大。男女共に、翌日に行われる決勝トーナメントへ駒を進めることはできなかった。

 「もうひと踏ん張り頑張っていこう」(中村)。全関を振り返り、中村浩太郎主将(創理4=東京・芝浦工大高)は部員に声を掛けた。男子部無念の予選敗退から一週間、選手1人1人が気持ちを切り替え迎えたこの日。初矢を幸明千尋(スポ2=東京・城北)が詰めると、全員が2本目を終えた時点で10射7中とまずまずの的中。ここからが、予選通過の大一番だ。しかし、3本目で1本、4本目で2本を抜いてしまい、最終成績は20射14中に留まる。中村主将が4射皆中を見せ、チームとしても大きな崩れがなかっただけに、ところどころの取りこぼしが悔やまれる結果となった。


大落、主将として存在感を示した中村

 女子部は優勝を目標に掲げ、試合に挑んだ。大前の森川美和子(スポ3=岐阜総合学園)が初矢を詰め、上々の滑り出しだと思われた矢先、2本目で全員が抜いてしまうというまさかの展開。次こそは中てなければというプレッシャーを抱えた3本目。見事に3中を見せ底力の強さを発揮した。9射5中で、残るは最終矢となる4本目のみ。落の光明英夏女子主将(法4=東京・桜修館)が留矢を詰め、しっかりとまとめるものの、最終的中は7中と伸び悩む。惜しくも、決勝トーナメント進出には一歩届かなかった。光明女子主将は、「これが今のワセダの実力です」と悔しさをにじませた。


堂々とした射をみせる森川

 男女共に全国の精鋭たちの壁に阻まれる形となった選抜。だが、負けたままでは終われない。「インカレでは100パーセントの力を出し切る」(光明)。選手たちはもう前を見据えている。練習を重ね、課題を克服し、8月の全日本学生選手権(インカレ)では雪辱を果たしてくれるだろう。一回りも二回りも成長した早大弓道部を見るのが楽しみだ。

(記事 田々楽智理、写真 秦絵里香)


結果

▽男子団体

幸明千尋、牧山千莉(スポ1=千葉)、倉持洵(スポ3=東京・国学院久我山)、竹沢剛(社2=北海道・札幌第一)、中村

予選

幸明  2中

牧山  3中

倉持  2中

竹沢  3中

中村  皆中

20射14中


▽女子団体

森川、正木さくら(法2=東京・吉祥女)、光明

予選

森川  3中

正木  1中

光明  3中

12射7中


コメント

中村浩太郎主将(創理4=東京・芝浦工大高)

――きょうの大会を振り返っていかがですか

全体を通して言えば、練習通りのことを緊張からか、できていなかったなと後ろから見ていて感じました。

――全関から一週間という短い期間でどう練習し、切り替えましたか

全関で悔しい思いをしたので、全関が終わってからそれをバネにもうひと踏ん張り頑張っていこうと声をかけました。選手がみんな切り替えて練習に取り組めていたので、その点に関しては切り替えていけたのかなと思います。

――きょうの試合を見ていて、流れは悪くなかったように感じたのですが、いかがですか

流れは悪くなかったにしても、それぞれ少しずつ取りこぼしがあるので、そこが最後の詰めの甘い部分だと思います。練習からしっかり詰めていけるように、緊張感をもって取り組みたいです。

――中村主将自身、プレッシャーはありましたか

だいたい20射15中ぐらいが予選突破のボーダーなので、失敗しても4本に留めるという練習もしていました。1本抜いて周ってきたら、自分が中てなきゃいけないと思いながら試合に臨んでいました。

――見事に皆中でしたが、練習の成果がでましたか

きょうは練習通りに引けたなという印象があるので、その点は良かったです。ただ、4本目で的には入ってくれたのですが、練習よりは甘いなというのを自分の中で感じたので、そこは課題です。

――最後にインカレに向けての意気込みを教えてください

全関、選抜と予選落をしてしまい、部員全員が悔しい思いをしました。テスト期間なども入ってしまうのですが、それでも練習を続けて、インカレは取れればいいなと思っています。


光明英夏女子主将(法4=東京・桜修館)

――きょうの大会を振り返っていかがですか

悔しいですが、正直なところこれが今のワセダの実力なのかなと思います。

――この一週間はどんな練習をされてきましたか

今週は先週までとは違い、立を多目に試合形式の練習をたくさん行いました。一本行射になる可能性が高かったので、きちんと詰めていくことを意識しました。

――中盤崩れが見られましたが、3本目は全員当てることができました。そのなかでチームの雰囲気はどうでしたか

皆あまり意識してなかったのではないかなと思います。ですが、全員が2本目で抜いてしまい、3本目で切り替えができたというのは良かったです。

――今大会は、予選敗退という形になってしまいましたが、課題はどこにあると思いますか

試合で中てきる力がないのが1番の課題だと思います。練習でやっている状態もまだ上げていかないといけないのですが、上げることができた状態でそれを更に試合で出せるようにする必要があると思います。

――きょうは落として緊張されましたか

きょうはあまり緊張しませんでした。それも調子が上がらなかった原因かなと思っています。

――次回のインカレに向けての意気込みをお願いします

インカレは次に何かがあるということもないので、そこで100パーセントの力を出しきることが課題だと思います。絶対にやりきって日本一を取り王座の舞台へいきたいです。