リーグ戦優勝!運命の入れ替え戦に挑む

弓道

 入れ替え戦を懸けた大事な一戦。平成28年度東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)の順位決定戦に回った早大は中大と対戦した。序盤から両者一歩も譲らない接戦状態となる。3立目で早大がリードするも、続く4立目終了時点では逆転されてしまうシーソーゲームに。勝敗の全てが託された最終立で早大が見事な集中力を発揮し、最終的中を128-123と粘り勝ち。2部リーグ戦優勝を果たし、次週1部昇格を懸けた入れ替え戦に臨むこととなった。

 同じく3勝1敗で同率首位に並んだ中大は何度も接戦を演じてきた相手。互いに昇格のためには負けられない一戦であるだけに序盤から白熱した展開となった。先攻となった中大の初立が14中と良い立ち上がりを見せるも、早大の初立は11中と課題であった出だしの固さが出てしまう。弐ノ立が13中とまずまずの滑り出しではあったが24-25と1本差のリードを奪われてしまった。続く2立目では両校どちらも32射28中と高的中を出すも、差は縮まらないまま。それでも「いつもの練習以上と言ってもいいくらい良い流れ」(髙橋真人、先理2=東京・早大学院)と早大は少しずつ波に乗り始めていた。粘りどころである3立目。初立で3人が皆中を出し15中と一気に流れを引き寄せる。中大が32射23中と的中を落としたこともあり、78-76と逆転に成功。疲れが見え始める中盤で粘り強さを見せた。

昨年に引き続きリーグ戦に出場している髙橋

 このままリードを守りたい4立目。ここで早大は32射25中と的中を落としてしまう。中大の弐ノ立が15中と意地を見せ、28中。この結果4立目終了時点で103-104と再び逆転される。両校共に勝利への執念を見せるシーソーゲームの行く末は最終立に託された。そして迎えた5立目、この日好調を維持していた早大の初立は最終立でも崩れることはない。リーグ戦を通して安定した射でチームをけん引する清水雄貴(人3=東京・早稲田)と中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高)が皆中し14中。中大の初立が9中と大幅に的中を伸ばせなかったため、両校の初立を終えた時点での的中数は117-113と最後の最後で再びリードを奪う。弐ノ立でも中大が10中、早大が11中と最後まで集中力を切らすことなく差を守り切った早大が見事接戦を制した。

要所で決める中村

 2週間前に行われた中大戦も最終立で逆転に成功する展開だった。チーム全員で集中力を切らさず、最後まで粘り強く戦う。今季の早大の強みが見える内容であった。この結果2部リーグ優勝を果たし、次週は昇格を懸けた入れ替え戦。相手は昨年、接戦の末に惜敗した慶大だ。7年ぶり1部昇格へ、一丸となって運命の戦いに挑む。

(記事 黒田菜々子、写真 松崎はるか)

※平成28年度リーグ戦は、平成27年度に行われます。

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結果

初立

大前 廣瀬智紀(人3=静岡・清水東)   20射17中

弐的 中谷透 (基理1=東京・早実)   20射15中

落前 清水雄貴(人3=東京・早稲田)   20射18中

大落 中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高)20射18中

弐ノ立

大前 倉持洵 (スポ2=東京・国学院久我山)20射18中

弐的 髙橋真人(先理2=東京・早大学院)  20射15中

落前 渡邊顕士(社1=東京・日体荏原)   20射18中

大落 大久保侑(スポ4=岩手・福岡)    16射7中

   志岐伊織(スポ1=群馬・前橋西)    4射2中

コメント

中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高)

――リーグ戦優勝おめでとうございます。感想はいかがですか

リーグ戦通して1部昇格というのを目標にやっていたので、あくまでここは通過点として捉えています。とはいえ、きょうの優勝で次の慶大との戦いに向けて勢いに乗るかたちになったので、素直に嬉しいです。

――チーム全体として試合を重ねるごとに的中が上がっていっている印象なのですが、ご自身でどう感じていらっしゃいますか

1、2年生が伸びてきて勢いもあるので、その部分はすごく頼もしく思っています。それに応じて3、4年生もいい流れになってきているので、この良い雰囲気のままチーム全体として来週の試合に臨めたらベストだなと思います。

――中村選手ご自身も、前回中大と戦ったときよりも的中が上がり今回は20射18中という結果でした。何か強く意識した点というのはあったのでしょうか

1回目はそこまで悪い的中は出ないのですが、2、3、4回目とどこかしらで崩れてしまう場面があったので、その部分は気持ちの持っていき方や調整の仕方で多少改善できるかなと思ったので、今週はそこを意識して取り組みました。

――リーグ戦全体を通して、見つけた課題はありましたか

やはりまだ気持ちの面での上下が多少あったりといった部分があるので、そこを来週までに改善していきたいなと思いました。また練習でも今シーズン割と苦手な3回目、4回目というのを特に意識してやっていきたいなと思います。

――最後に、来週の入れ替え戦への意気込みをお願いします

1年生のときから入れ替え戦に臨んでいる中で、毎年僅差で負けてしまっているので、来年からまた1部で試合ができるように今回こそは頑張りたいと思います。

髙橋真人(先理2=東京・早大学院)

――この1週間重点的に練習した部分はどの点でしょうか

試合で通用するように強気で最後まで弓の離れまで強気で離れを出すことと、残心をしっかり取るということをこの1週間練習していました。

――中大とは2回目の対戦ですが、印象はいかがですか

ことしは2部の中でも非常に強いと捉えています。きょうは本当に勝てて良かったです。

――接戦となりましたが、いかがですか

接戦となったのは最後なって分かって。僕は数字を見ないようにしているので自分のことに専念して自分がきちんとできれば勝てるだろうしというような意気込みでいつも試合に臨んでいるので接戦だったというのは終わってみて知りました。

――立の流れに関してはどのように捉えられていらっしゃいますか

最初の1回目と2回目はいつもの練習以上と言ってもいいくらい良い流れで、自分も気持ち良く引くことができました。

――きょうの勝因をあげるとすれば、どこにあると思われますか

最初から最後まで全員が集中を切らさずに引ききれたということが一番だと思います。

――128中という的中についてはどう思われますか

練習でも128(中)というのは高い数字の方です。ただ、目指しているのは130であってことしはまだ練習でも試合でも出せていないのでこの1週間、特に来週は1部が相手なのでしっかり自分たちの目標を越えて来週勝ちたいです。

――次週に向けて修正したい部分はありますか

個人的にはこの1週間やってきたことをさらに強く最後の最後まで強気で引くというのをこの1週間磨いていきたいと思います。

――入れ替え戦に向けて意気込みをお願いします

引き続き頑張っていきます。