女子団体で悲願の3年ぶり優勝!

弓道

 全関東学生選手権(全関)2日目。男女共に、この日の初戦である団体戦決勝トーナメント2回戦から強豪校と対戦した。男子は、昨年の覇者・法大相手に健闘するも敗戦。一方、女子は12射中10中と好的中で桜美林大に勝利するとその後も勢いを止めることなく決勝へ進出する。明学大を10-7で下し、3年ぶり7度目の優勝という悲願を達成した。また個人戦には、厳しい予選を勝ち抜いた男女合わせて5人が出場。入賞はならなかったが、早大の強さが光る収穫の多い大会となった。

 ヤマ場はいきなり訪れた。男子は安定した的中を見せる法大に圧倒され、16-21で敗れる。1日目からの勢いで下剋上が期待されたが、強豪校のカベは厚かった。それでも、大久保侑主将(スポ4=岩手・福岡)が皆中を出すなど、1部校相手に善戦したといえるだろう。一方、女子はこちらも実績のある桜美林大に快勝し弾みをつけると、そこから怒涛(どとう)の快進撃が始まる。3回戦では日体大に1本差で勝利。続く明大戦では10―8で決勝進出を決め、王座奪還を懸けた運命の一戦に臨むこととなった。明学大が苦しい立ち上がりを見せる中、順調に的中を重ねる早大。2回戦の二の矢以降ミスのない大前・森川未和子(スポ2=岐阜総合学園)が留め矢を詰めると、会場にこの日一番の歓声が湧いた。それは、早大が関東女王に返り咲いた瞬間であった。残る二人も留め矢を的中させると、チーム全員が集まり歓喜の輪が広がる。「いまの実力がこの大会で証明されたのでそれは自信になった」(吉田友理子、スポ4=石川・小松)。選手たちが見せた心からの笑顔が、優勝の喜びとそこにいたるまでの努力を物語っていた。

落としての役目を果たす大久保主将

 その後行われた個人戦では、まずは団体戦優勝の立役者である森川と小田代采夏(人2=福岡・西南学院)が登場。森川は団体戦の疲れを感じさせない射を披露し、小田代も大舞台で抜群の落ち着きを見せる。両者ともに射詰め三本目まで進むも、通常の尺二的よりも小さい八寸的で一本目を抜いてしまい入賞はならず。男子は団体戦でも活躍した中村浩太郎(創理3=東京・芝浦工大高)を筆頭に3人が表彰台を目指したが、一本も抜けないプレッシャーの中で本領を発揮することはできず、悲願達成とはならなかった。

優勝が決まり喜ぶ女子団体

 男女共に大一番での精神力が際立ったが、吉田が「選抜(全国大学選抜大会)やインカレ(全日本学生選手権)があるので全国でも通用するんだというのをこれからの大会で証明していきたい」と語るように、日本一になるための戦いはまだ始まったばかりである。早大弓道部の活躍から、今後も目が離せない。

(記事 川浪康太郎、写真 稲満美也)


尺二…近的競技で使用される直径36センチメートルの的。一尺二寸に相当することから尺二と呼ばれている。

八寸…直径24センチメートルの的。より的中しにくいため、順位決定の射詰競射などで使用される。

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結果

▽男子団体

中村、中谷透(基理1=東京・早実)、島村達哉(スポ4=獨協埼玉)、廣瀬智紀(人3=静岡・清水東)、

髙橋真人(先理2=東京・早大学院)、大久保


2回戦

●早大16―21法大



▽女子団体

森川、光明英夏(法3=東京・桜修館)、吉田


2回戦

○早大10―7桜美林大


3回戦

○早大8―7日体大


準決勝

○早大10―8明大


決勝

○早大10―7明学大



▽男子個人

中村浩太郎
×

新津亮太朗(法2=東京・早大学院)
○×

渡邊顕士(社1=東京・日体荏原)
×

▽女子個人

森川未和子
○○○ ×

小田代采夏
○○○ ×

コメント

吉田友理子(スポ4=石川・小松)

――優勝おめでとうございます

ありがとうございます。

――決勝トーナメントはどのようなお気持ちでしたか

目の前の一本というのを大事にしていて、練習で結構大変なメニューを組んでいたのですが練習のうちから試合モードに切り替えたりだとか、お互い褒め合ったりだとか良い雰囲気で、ワセダらしい雰囲気で臨めたと思います。

――決勝戦ではプレッシャーがかかったと思いますがどのように調整しましたか

自分たちのことだけを考えて、相手のことは考えずにいました。立ちに入る前に全員でいける気がすると話していたので、イメージトレーニングとかでも大前の森川(未和子、スポ2=岐阜総合学園)が優勝旗をもらった姿とかをイメージしていたので大丈夫だねってみんなで言いながら決勝に臨みました。

――今大会での収穫はありますか

いまの実力がこの大会で証明されたのでそれは自信になったし、選抜(全国大学選抜大会)やインカレ(全日本学生選手権)があるので全国でも通用するんだというのをこれからの大会で証明していきたいなと思います。

――今後の目標をお願いします

インカレでは団体優勝と、個人でも優勝したいなと思っているので、この記事を見てくださっている人はいつも応援してくださっているのでこれからも応援を頼みたいなと思います。