まさかの敗戦から一週間。平成27年度東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)第6週を順位決定戦に回ったワセダは東工大と対戦した。前回大差をつけて勝利した相手だけに快勝したいところだったが、絶対に負けられないというプレッシャーからか序盤はなかなか的中を伸ばすことができない。しかし中盤以降、本来の集中力を見せ126―123と大接戦を制しリーグ戦優勝。入れ替え戦への出場を決めた。
入れ替え戦へ向け決意を新たにした永山
「絶対に負けてはいけない試合」(永山豪朋主将、文構4=東京・早実)の言葉通り、1部昇格のために何としても勝たねばならない一戦。好スタートを切りたい1立目だったが、プレッシャーから実力を発揮できず初立は11中と不安の残る結果となる。対する東工大は初立14中、弐ノ立13中と持ち味の精神力を存分に発揮。ワセダは続く2立目も初立は10中と振るわない。1立目と合わせて32射中29中と奮闘するも、2立目を終えた時点で50―54。リードを許す苦しい展開のまま、3立目を迎えることになってしまう。
落としての責任を語った河本
流れを変えたい3立目。ついにワセダは本来の力を発揮し始める。東工大が徐々に調子を落としていく中、ワセダは初立、弐ノ立共に13中と安定した的中を出して差を縮めていく。この時点で合計的中が76―76の同中に。どちらに軍配が上がるか分からない大接戦の中、迎えた4立目。ワセダは勢いそのままに初立12中、弐ノ立13中と集中力を見せつける。ここで東工大の初立がまさかの7中で終えたため、101-96と逆転に成功した。差を詰められたくないワセダは最終5立目もしっかりとペースを崩すことなく着実に的中。32射中26中で終え、合計的中126―123と3本差で勝利。大接戦を逃げ切った。
「とにかく勝たなければならないという気持ちが最後まで残っていた」という永山の言葉通り、チーム全体が最後まで集中力を落とすことなく粘りの射で的中を重ねたのが勝因といえる。しかし、今回の立ち上がりからも分かるように「練習の実力が本番で発揮できない」(永山)という弱点も見えた。次はいよいよ1部昇格を懸けた入れ替え戦。昨季は2本差で惜敗し、1部昇格を逃した。チームの思いはただ一つ、「本当に勝つしかない」(河本悠輔、商4=広島・修道)。相手は慶大。強い決意を胸に、悔しさを晴らすことはできるのか。悲願の昇格へ期待がかかる。
(記事 黒田菜々子、写真 松崎はるか)
※平成27年度リーグ戦は平成26年に行われます。
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結果
○早大126―123東工大
初立
大前 髙間光司(スポ4=奈良・橿原) 20射19中
弐的 高橋真人(先理1=東京・早大学院) 16射10中
梅原丈博(社4=神奈川・川和) 4射3中
落前 松野祥大(政経4=東京・早大学院) 8射3中
橋本和久(先理4=東京・早実) 12射7中
大落 河本悠輔(商4=広島・修道) 20射15中
弐ノ立
大前 中村浩太郎(創理2=東京・芝浦工大高) 20射19中
弐的 清水雄貴(人2=東京・早稲田) 20射15中
落前 大久保侑(スポ3=岩手・福岡) 20射19中
大落 永山豪朋(文構4=東京・早実) 20射16中
コメント
永山豪朋主将(文構4=東京・早実)
――先週のまさかの敗戦を経て、きょうの順位決定戦を迎えるにあたってお気持ちはいかがでしたか
絶対に負けてはいけない試合だと思っていたので、全員気合を入れてきょうを迎えていたと思います。
――東工大とは2度目の対戦となりましたが、何か戦略などは立てていましたか
東工大はこの前大差で勝ったのですが、きょうも実際最初から最後まで一貫して中ててきたことからも分かるようにやはり精神力の強さというのは東工大の持ち味でありワセダとしては脅威だったので、それに負けないように自分たちも自分のことに集中してやっていこうということは言ってきました。
――序盤苦しい場面もあったかと思いますが、チームにはどのように声をかけましたか
すでに自分のやることはやろうということは言っていて、特にそれを変えるつもりはなかったのでとにかくやれることをやってどんどん攻めていこうということを言い続けていました。
――中盤から東工大が失速していく中でワセダはペースを崩さず落ち着いて自分の射を進めているという印象でしたが、緊張などはなかったのでしょうか
とにかく勝たなければいけないというのが気持ちとして最後まで残っていて、その気持ちが最後まで崩れなかったということにつながったのだと思います。
――試合を通して今後特に強化していかなければならないと感じた部分を教えてください
練習の実力が本番で発揮できないという部分があって、きのうも数字としては149という数字が出ていたのですが、実際きょうはそれから大きく離れた数字を出していて。でも試合で146という数字が出たこともあるので、それをもう一度、またそれ以上の結果をどう繰り返していけるかということがカギになってくるかと思うので、もう一度今までの練習をやり直すというわけではなく、今までの練習を続けてより強固なものにしていけたらと思っています。
――きょうのご自身の射についてはいかがでしたか
決して調子は悪くなかったのですが、少し細かいことを気にしすぎて一番大事なことができていなかったというのは反省したいところです。
――来週はいよいよ入れ替え戦となります。意気込みを聞かせてください
4年生にとっては最後の試合ですので、後悔しないためにも他のことは何も考えずにとにかくやれることをやって、しっかり力を出し切ったうえで勝って笑って引退できればいいなと思います。
河本悠輔(商4=広島・修道)
――前回大差で勝利した東工大に、今回は接戦でした。いかかがですか
先週よくない数字で負けたっていうのがあって、うちはプレッシャーに弱いということを全員が感じていると思うのですが、そういうところで普段通りの的中が出せなかったのでこういう接戦になったのだと思います。
――前回の不調から、今回どのようなお気持ちで臨みましたか
先週中らなかったのは自分でも予想外だったので、今回は普通に引けば中るだろうと思っていたのですが、それでもなかなか結果が出なかったというのがあって。来週に向けて今回不調からちょっとだけ良くなったっていうことを良い意味で経験にして、来週に臨もうと思っていました。
――きょうのご自身の射についていかがですか
今週やってきたことが全部出し切れたかというと出し切れなかったのですが、チームのために中てようという気持ちだけで引いていました。
――チームや個人として次につなげていきたい点や改善点はありますか
僕と永山(豪朋主将、文構4=東京・早実)の両落が中っていかないとチームとして絶対に結果が出ていかないと思うので、4年生の責任でもありますし落の責任でもあるので、僕と永山でチームを引っ張っていこうと思ってます。
――入れ替え戦にむけて意気込みをお願いします
最後の試合になるので、本当に勝つしかないと思ってます。勝つしかないので、4年生が試合のメンバーにたくさん出ているっていうのもありますし、このチーム全員で勝っていきたいと思います。