次につながる初戦に

弓道

 鍛錬の夏を終え、ことしも平成27年度東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)の季節がやってきた。6年ぶりの1部復帰を目指す男子部はこの日、国学院大と対戦。初戦ということもあり途中緊張の垣間見える場面もあったが、129―118と差をつけて勝利。リーグ戦優勝へ向けて弾みをつけた。

 数字的な目標として永山豪朋主将(文構4=東京・早実)が掲げたのは160射で140中。そのためには毎立28中以上を出す必要がある。大きな掛け声で気合を入れて臨んだ1立目。高橋真人(先理1=東京・早大学院)ら3人が皆中を出し的中に貢献したものの、27中と目標数にはあと1本届かない。中村浩太郎(創理2=東京・芝浦工大高)が「リーグ戦第1戦目ということで上がってしまった」と語るように、全体的に硬くなってしまい幸先のいいスタートを切ることはできなかった。その後も調子を上げることはできず的中は思うように伸びなかったが、国学院大の不調に助けられ、78―69と早大の9本のリードで3立目を終えた。

皆中賞を獲得し、主将としての威厳を見せつけた永山

 試合も終盤に差し掛かった4立目。ここで国学院大が追い上げを図る。5人が皆中し、一気に的中を伸ばしたのだ。対する早大はここでこの日一番の不調を見せ、23中という結果に。101―96でリードは5本に縮まってしまい、このまま追い抜かれてしまうのではないかと心配された。しかし、早大が意地を見せる。迎えた最終5立目で5人が皆中を出し、目標としていた28中をたたき出したのだ。「悪い雰囲気を断ち切れた」と永山も納得のいく出来で試合を終え、11本に差を広げて勝利した。

次戦へ向けて意気込みを語った中村

 初戦を白星で飾ったものの、選手たちにとって満足のいく試合ではなかった。しかし、それぞれの改善すべきところを学ぶことができたという点で収穫のある試合であったと言える。次戦まで2週間空くが、その間自身の技を調整し初戦以上の戦いぶりを見せてくれることだろう。「次の試合までに必ず力を上げる」(高橋)、「良い的中を出してしっかりチームを引っ張っていきたい」(中村)と意気込み十分の下級生の活躍にも期待したい。

(記事 松崎はるか、写真 市川祐樹)

※平成27年度リーグ戦は平成26年秋に行われます。

結果

○早大129―118国学院大

初立

大前 高橋真人(先理1=東京・早大学院) 20射14中

弐的 髙間光司(スポ4=奈良・橿原) 20射16中

落前 島村達哉(スポ3=獨協埼玉) 20射17中

大落 河本悠輔(商4=広島・修道) 20射16中

弐ノ立

大前 中村浩太郎(創理2=東京・芝浦工大高) 20射16中

弐的 大久保侑(スポ3=岩手・福岡) 20射17中

落前 橋本和久(先理4=東京・早実) 8射4中

   梅原丈博(社4=神奈川・川和) 8射5中

   清水雄貴(人2=東京・早稲田) 4射皆中

大落 永山豪朋(文構4=東京・早実) 20射皆中

コメント

永山豪朋主将(文構4=東京・早実)

――リーグ戦初戦ということでチームとして具体的な数字の目標などは立てていたのでしょうか

数字的な目標として160射で140中、毎回毎回28中というのは練習のときからノルマとして課して、今回の試合でも公言していました。

――129中という全体の的中はどう捉えていらっしゃいますか

シーズンの1軍戦でこれだけ悪い的中が出たことがなかったので、リーグの雰囲気に全員がのまれてしまったのかなと。次回までに何とかしていければなというところですね。

――ご自身は皆中賞ということですが最近の調子はいかがだったのでしょうか

先週の練習試合でも束れていたので(20射皆中)、きのうちょっと修正したところがはまったのかなというところですね。

――全日本学生選手権からここまで、チームとして集中的に練習してきたところというのはありますか

コンスタントに28中をしっかり出すというところが、1部昇格を見据えると140中が最低ラインだと思っていたので、そこを目標にしている以上毎回その的中が出るようにという練習はしてきました。

――きょうの試合では初出場の選手、下級生の選手も多く出場していましたね

島村(達哉、スポ3=獨協埼玉)は序盤頑張ってくれたのですけれど、やっぱり3連抜きというところにらしさが出てしまったかなというところだったので。そこは次回までに修正してくれると思いますし。清水(雄貴、人2=東京・早稲田)が最後出て本当によく頑張ってくれたと思います。

――立としては序盤少し的中が伸びなかった中、最終立で16中が出ました。意地のようなものを感じたのですがいかがですか

最後は次につなげようということを全員でやったので。その面で悪い雰囲気を断ち切れたのかなというふうに思いますね。

――次戦に向けて改善点、意気込みを聞かせてください

もっと的中が出る実力があると思うので。それをいかに出していくかというところで、もうちょっとノルマや緊張感のある練習をするのと、次戦はもう1回経験しているので、かなりリラックスして引けると思うので。140中越える的中を出していきたいなと思っています。

中村浩太郎(創理2=東京・芝浦工大高)

――2回目のリーグ戦(平成27年度リーグ戦)となりましたが、どのような心境でしたか

緊張してしまって練習通りのことができなかったです。あと2週間あるので第2戦に向けてしっかり調整していって、試合で緊張した場面でも通用するように練習をしていきたいです。

――結果については率直にどのように受け止めていらっしゃいますか

練習でもあまり16中というのは出たことがなかったので、緊張してしまうと16という数字が出てしまうというのを真摯に受け止めて次戦以降は18中以上コンスタントに出せるようにやっていきたいです。

――チーム全体の調子については

練習ではあまり悪い的中は出ていなかったのに、リーグ戦1戦目ということで上がってしまってこのような的中が出てしまうのかなという印象です。そういった部分はチームを通して甘いところだと思うので部員全員で共有して意識していきたいと思います。

――今後改善していきたい点などがあれば教えてください

練習だとあまり緊張しないですが試合だとやはり緊張してしまうので、たとえ緊張していたとしてもしっかり中てられるようにしていきたいと思います。

――次戦へ向けての意気込みをお願いします

きょうは足を引っ張ってしまったところがあるので、来週から僕自身が良い的中を出してしっかりチームを引っ張っていくぞという意気込みで臨んでいきたいです。

高橋真人(先理1=東京・早大学院)

――初めてのリーグ戦ということで緊張はありましたか

やっぱりリーグ戦はいつもの試合とは違って緊張するものは大きかったです。

――20射14中という的中はどう捉えていらっしゃいますか

練習での自分の射が後半になるにつれてできなかったので。最初の四ツ矢は束る(20射皆中)ことができて。それは自分の中ではリーグ初戦で初めて新人として出て、最初の四ツ矢で束れて自信にはなりました。ただ、その後がどうしても自分の癖が出てしまって。同じところに抜き続けるところが出てしまって。まだまだ全然だなというところで悔しいところです。

――試合の中で改善して修正していった部分はありますか

毎射毎射でそこは試しながらやってはいたのですけれど。結局、自分の中で少し置きにいってしまうところがあるので。そこも癖の1つなのですが、大きく引くにはそういう心の強さというのも必要で。抜けば抜くほど負の感情が出てきてしまって。その部分もきょうはいままでの試合と比べると気持ちの流れとしてはとてもいい状態だったのですが、その負の感情がないことはなかったので。そこでズルズルと、まだまだ経験も力も足りないなと思います。

――チームとしての129中という的中に関してはどう思われますか

120台を出したことがないので。最悪な的中だったなと。新人ながらも出るからには引っ張りたいなと思っていたので。引っ張れなかった自分にもまだまだ練習が足りないなと思っています。

――次戦に向けて意気込みを聞かせて下さい

次は立合で試合まで2週間、間が空くので。次の試合までに必ず力を上げて。2週間という時間は十分あるので、その時間をどれだけ有効に自分の力にできるかは自分次第なので、それを練習に当てていきたいと思います。