リーグ戦2連勝!東工大との接戦制す

弓道

 東大との初戦で白星を挙げ、開幕した平成26年度東京都学生連盟リーグ戦(リーグ戦)。ワセダは、リーグ戦開幕前の練習試合で惜しくも敗北を喫した相手である東工大と戦った。負けるわけにはいかないリーグ戦第2試合。大接戦の結果、134−132で勝負を制し、1部昇格に弾みをつけた。

 ワセダの先攻で開始した今試合は、まさにデッドヒートとなった。1立目を27−26で終了。続く2立目で差を広げたいところだったが、初矢でのミスが目立ち流れに乗ることができない。それでも4人が皆中を見せ、64射53中となる。対する東工大は、射の乱れが目立ち、思うように的中を重ねることができない。3立目では、弐ノ立でワセダ4人の皆中が期待されたが、2人が留め矢を抜いてしまい、79−77で前半を終えた。

安定した的中を残した高間

 後半も両者とも一歩も引かない展開が続く。わずかなリードを守りきりたい4立目。初立で弐的の中村浩太郎(創理1=東京・芝浦工大高)と大落の佐々木貴広(基理4=東京・早稲田)が皆中し、安定感を見せた。対する東工大は弐ノ立の4人全員が皆中を決め、道場には張り詰めた空気が流れる。プレッシャーもある中、ワセダは1本及ばないものの15中とし、106−104で5立目に勝負を託す。前回の試合では僅差で敗れた相手なだけに、最後まで気を抜かず、確実に的中することが望まれる。この立で上級生を中心に6人が皆中し、先攻のワセダは134中で試合を終えた。後攻の東工大が4人とも皆中ならば同中となる弐ノ立。皆が固唾(かたず)をのんで見守る中、2本を抜いて14中とし、最終的中134−132でワセダの勝利が決まった。

しっかりと伸び合いを取る梅原

 「ギリギリのところで粘って戦えるというワセダの良さを出せた」と梅原丈博(社3=神奈川・川和)が話すように、最後まで緊張感を切らさずに的中を重ねていけたことが、今回の勝因であるといえる。初矢の的中率も上がり、着実な成長がうかがえた。また、ルーキーの中村が先週に引き続き好調ぶりを見せ、リーグ戦2試合目にして皆中賞を獲得したことも収穫だ。「1年生なりにもチームを引っ張っていけるように頑張っていきたい」と語る姿は頼もしい。リーグ戦は中盤に差し掛かる。5年ぶりの悲願達成に向け、残る試合も粘り強さで勝利を手にしたい。

(記事 副島美沙子、写真 市川祐樹)

※平成26年度リーグ戦は平成25年秋に行われます。

結果

○早大134−132東工大
初立
大前 河本悠輔(商3=広島・修道)  20射17中
弐的 中村浩太郎(創理1=東京・芝浦工大高)  20射皆中
落前 永山豪朋(文構3=東京・早実)  8射5中
   大久保侑(スポ2=岩手・福岡)  8射5中
   廣瀬智紀(人1=静岡・清水東)  4射1中
大落 橋本和久(先理3=東京・早実)  12射7中
   佐々木貴広(基理4=東京・早稲田) 8射8中
弐ノ立
大前 高間光司(スポ3=奈良・橿原)  20射17中
弐的 手塚達也(政経2=東京・早大学院)20射17中
落前 梅原丈博(社3=神奈川・川和)  20射18中
大落 遠山雄人(スポ4=奈良・橿原)  20射19中

コメント

梅原丈博(社3=神奈川・川和)

——先週は途中交代となりましたが、きょうは20射18中でした。きょうの試合を振り返っていかがですか

先週は3中、羽分けで交代になったので、その分、今回は失敗することはできないと思って。プレッシャーは結構感じていたのですが、結果的に羽分けを出すこともなく、3中と皆中、合計でなんとか18中を出すことができたので、前回よりもうまくできたと思います。でも、3立目の留め矢を抜いてしまったのは、技術的な面とかではなく、メンタルの面や、自分の甘いところが素直に出てしまったと感じているので。このままの状態で入れ替え戦に臨んだら必ず失敗してしまうと思うので、今回留め矢を抜いてしまったことなど、見つかった課題をリーグ戦(平成26年度東京都学生連盟リーグ戦)、そして入れ替え戦に向けて、焦らず着実に直してやっていこうと思います。

——リーグ戦の前の試合では東工大に敗れていますが、前回からきょうの試合に生かした点などありますか

前回すごい僅差で負けてしまって、今回も最後まで僅差でギリギリのところで戦っていたのですが、なんとか詰めて、最終的に2本差で勝つことができたというのは、前回と比べれば、ギリギリのところで粘って戦えるというワセダの良さを出せたのではないかと思います。

——粘り強さが、きょうの勝因でしょうか

そうですね。シーズンの初めのころはなかなかうまくいかず、ギリギリのところで負けてしまうということがあったのですが、それがだんだん無くなってきて、全体的に安定してきたかな、と思います。

——きょうの試合では一度も初矢を抜いていませんでしたが、なにか意識したことはありますか

前回少し慎重になりすぎてしまっていたところがあったので、思い切りよくというか、積極的に初矢から入れていこうという風に意識していました。

——今回のリーグ戦での昇格に向けた意気込みをお聞かせください

昨季を振り返ると、リーグ戦の初めのころや直前の練習試合では毎週140(中)台を出していて、中大との試合まで全勝できていたのですが、最後に慶大との入れ替え戦で大きく差をつけられて負けてしまって。ワセダの的中も120(中)台とかで普段の実力を全く出せていない状況でした。今回も130(中)台で、まだ実力が出せているとはいえないのですが、練習ではもっと高的中が出ているので、最後まで粘り強くやるということを、部員全員で意識して伸ばしていければ大丈夫だと思います。

中村浩太郎(創理1=東京・芝浦工大高)

——皆中賞ですが、きょうの的中を振り返っていかがですか

練習と同じように引けた矢が多かったので、それが理由だと思います。

——リーグ戦(平成26年度東京都学生連盟リーグ戦)2試合目の出場になりましたがリーグ戦は緊張したりということはないのですか

ものすごく緊張しました。でも先週の反省を生かして、どうしたら緊張した中でも中てられるかということを1週間意識して練習していたので、その結果が出て良かったです。

——最終的中は2本差と接戦になりましたがどんなことを意識して引いていましたか

全体の流れはあまり意識せず、自分のやれることをやるのが一番なので。相手の的中は全く見ずに、自分が今できる全力のパフォーマンスをするように心がけました。

——開幕前の練習試合で惜敗している東工大との試合になりましたが遠山主将(雄人、スポ4=奈良・橿原)からは円陣などではどんな言葉があったのですか

あまりそういうことは気にせず、自分できることを精いっぱいやっていこうという声をかけていただきました。

——次週の中大戦、強敵になると思いますが

今回の結果に一喜一憂せずに、自分のできることを全力でやっていきたいと思います。

——リーグ戦2試合目で皆中賞という結果についてはどうですか

嬉しいです。すごい緊張したんですけれど、終わってみてすごいすっきりしました。

——1部昇格に向けて、今後はどういった活躍をしていきたいですか

1年生なりにもチームを引っ張っていけるように頑張っていきたいです。