門田が全日本個人出場権をつかむ

剣道

 全日本個人の出場枠を争う第69回関東学生選手権が、有観客で日本武道館にて開催された。出場者434人のうち、上位60人が7月2日の日曜日に行われる全日本学生剣道選手権大会への出場権を得る。早大からは6人の選手が出場し、門田功成(社2=群馬・育英)が全日本個人出場権を獲得した。しかし、門間光児主将(社4=熊本・九州学院)、山田大晴(スポ4=福島・安積)、山本勇真(スポ4=東京・明星)は1回戦で敗退し、外山大地(社4=神奈川・鎌倉学園)と神谷悟志(スポ4=奈良・郡山)は出場権がかかる3回戦まで進んだが、惜しくも敗退した。

 門間は背の高い相手に対してコテを中心に一本を狙っていく。しかし、試合2分30秒ごろ、メンを打ちにいこうとしたところで先を取られてツキで一本を取られる。ここで攻めの姿勢を崩さない門間。激しい攻めを見せるが旗は上がらず。さらに1分が経過したころ、メンを返されドウを決められてしまう。二本取られ1回戦敗退となった。

鍔迫り合いをする門間

 お互いに譲らない展開となる。山本はコテからのメンといった連続技を駆使して一本を狙いに行くが、決めきることができず試合は延長戦に突入する。しかし1回目、2回目の延長戦では決まらず。3回目の延長戦、約30秒が経過したところで、山本の竹刀が相手の動きに釣られて少し浮いたタイミングを狙われ、メンで一本を取られた。10分超にも及ぶ試合を繰り広げたが、1回戦敗退となった。

 山田は積極的に攻める姿勢を見せる。試合1分ごろ、相手の竹刀が引いたところに良い形で左メンを打つも決まらず。試合1分30秒が過ぎた頃、相手の腕が上がってがら空きのドウを打ちにいくも、これが竹刀の根本にあたり旗は上がらず。そのまま体勢を崩しているところに引きメンを打たれ一本を取られる。その後も果敢な攻めを見せるも一本を取ることができず一本負け。1回戦敗退となった。

神谷1回戦シードで2回戦からの出場となった。2回戦では消極的な相手に対して有利な形で試合を展開。相手のメンに合わせてドウを決め見事に一本を先取。さらに2分後、相手の一瞬の隙をつきメンを決めて二本勝ち。3回戦に駒を進める。

 3回戦。4分では決まらず延長戦へ。延長戦でも、両者なかなか打ちにいけない緊迫した展開となる。しかし、2回目の延長戦に突入にしたころ、相手に竹刀をはらわれ面を防ぎに行ったところに左メンを決められ一本を奪われる。これまで相手に隙を与えず守りながら一本を取れるチャンスをうかがっていたが、一瞬の隙で敗北。3回戦敗退となった。

 外山の1回戦は早大勢で一番最初の試合となった。体格差がある相手に有利な試合運びを展開。相手を場外に押しやり反則を取る。延長戦で一瞬の隙をつきコテで一本を奪い一本勝ち。終始有利な形で試合を運ぶことができた。

 2回戦、完全に反応できていない相手から、コテからのメンで一本を奪う。一本取られた相手は激しい攻めを展開してくるが外山は冷静に対応。メンを返してドウを打ち一本。二本を先取して2回戦も危なげない勝利をおさめた。

 3回戦、4分ではお互い攻め切ることができず延長戦へ。相手に合わせて引き気味に下がり、小手を防ぐように竹刀を動かしたところにメンを打たれ一本を奪われ一本負け。3回戦敗退となった。

ドウを放つ外山

 門田の試合は長期戦の多い展開となった。1回戦では延長に入ったころ、相手がメンを打ったところに引きメンを打ち込み一本勝ち。2回戦でも延長戦に突入。2回目の延長にまで入るが、相手の小手が釣られて上がったところにコテを打ち一本勝ち。続く3回戦、相手がコテを打ってくるが、合わせた引きメンが打ち勝って一本。相手に追撃を許さず一本勝ち。全日本進出がかかる4回戦に駒を進める。

 4回戦も激しい攻防となる。お互いになかなか間を詰めることができず、攻め切ることができないまま試合時間の4分は経過する。延長戦に入ると激しい打ち合いを展開。だがここでも決めきることができずに2回目の延長戦へ。門田が引き気味になりながら打ったコテに、コテからのメンで合わせられてメンで一本を取られ、一本負け。ここで勝利すれば全日本進出決定だけに悔しい敗戦となった。しかし、4回戦の敗者にはこの後敗者復活戦があり、3試合負け残りで行われる。1回でも勝てば全日本進出となる。

 敗者復活戦第1試合、この試合でも延長戦までもつれ込む。延長戦が2分を過ぎたころ、相手のメンに合わせてコテを打つが、相手のメンに旗が上がり一本を取られ一本負け。1試合目は敗戦となり2試合目に向かう。続く2試合目、門田の引きドウに副審の旗が上がるも一本にはならず。この試合でも延長戦にもつれ込む。延長戦1分ごろ、相手の竹刀をはらうと警戒した相手は1歩後退、さらに竹刀をはらうと相手はその場でメンを打ってくるが、この後にコテからのメンを素早く打ち込み、メンで一本を奪い一本勝ち。全日本進出を決めた。試合後に「延長戦は自分の土俵だ」と語ったように、敗者復活戦を含む6戦中5戦が延長戦までもつれ込む、粘り強い剣道を見せてくれた。

メンを決めた門田

 2年生ながら早大勢唯一の全日本進出を決めた門田。惜しくも敗退していった選手の想いを剣に乗せて、全日本でも彼らしい粘り強い剣道を見せてほしい。秋には団体戦での関東学生優勝大会も控えているため、団体戦での剣道部の更なる飛躍にも期待がかかる。

(記事 小島大典、写真 荒井結月)

結果

門間光児主将(社4=熊本・九州学院)

1回戦△ 門間|ードツ|林(國士館)

山本勇真(スポ4=東京・明星)

1回戦△ 山本|ーメ|遠藤(東海大)

山田大晴(スポ4=福島・安積)

1回戦△ 山田|ーメ|安藤(日大)

神谷悟志(スポ4=奈良・郡山)

2回戦〇 神谷|ドメー|山崎(高経大)

3回戦△ 神谷|ーメ|林(専大)

外山大地(社4=神奈川・鎌倉学園)

1回戦〇 外山|コー|安高(玉川大)

2回戦〇 外山|メドー|甲田(亜大)

3回戦△ 外山|ーメ|中田(國士館)

門田功成(社2=群馬・育英)

1回戦〇 門田|メー|沼尾(上智大)

2回戦〇 門田|コー|芝内(尚美学園大)

3回戦〇 門田|メー|長江(明星大)

4回戦△ 門田|ーメ|平尾(筑波大)

敗者復活戦 1回戦△ 門田|ーメ|溝部(東海大)

敗者復活戦 2回戦〇 門田|メー|和田 (東洋大)

コメント

門田功成(社2=育英)

――今日の試合を全体的に振り返っていかがでしたか

 立ち上がりはすごく慎重になりましたがどんどん自分の剣道が出せていって、4回戦で負けてしまったのですが気持ちを切り替えて勝つことができたので、内容どうこうではなくて結果としては良かったと思います。

――6戦中5戦が延長戦までもつれましたが体力面などはいかがでしたか

 個人戦では長期戦が得意なので、延長戦は自分の土俵だと思って自信を持ってやれました。

――今日一番良かったと思うところはどこですか

 敗者復活戦の2試合目に打ったコテからのメンの技が良かったと思います。

――全日本出場を決めた時のメンの感触はいかがでしたか

 いや、もう、最高でした。

――今大会を終えて、新たな目標を教えてください

 4回戦で負けた時点でまだまだ実力不足なので、これから全日本までしっかり稽古を積んで少しでも上に上がれるようにしたいです。