品川がベスト16入りも、全国の壁厚く

剣道

 各地区のトーナメントを勝ち上がった強者たちが集う全日本女子学生選手権(全日本)が日本武道館にて行われた。早大からは中澤結貴(人3=埼玉・伊奈学園)と品川大華(スポ3=広島・広)の2人が出場。中澤は1回戦を延長で制したものの、2回戦で敗退となる。一方品川は2、3回戦を延長の末にものにする。4回戦で惜しくも敗れたものの、ベスト16と大健闘。初の全日本で結果を残した。

 中澤は1回戦で天理大の和田栞奈(2年)と対戦。「自分のペースで自分らしい剣道ができた」と攻めの姿勢を貫き、延長でメンを決めた。続く2回戦の相手は大体大の横澤めい(4年)。関西女子学生選手権で初優勝を果たし、シードからの出場となっていた強豪だ。中澤は果敢に挑むも、相手に押され下がってしまう場面が目立つ。意地を見せたいところであったがメンを決められてしまった。「自分よりも打ちが速くて強さもあり、圧倒されてしまった。取られてしまった場面も、いつもは自分が得意とするかたちだったので良くないところが出てしまった」と中澤。全日本に向けて打ちのスピードや強さを意識して稽古に取り組んできただけに、悔しさの残る結果となった。

1回戦に挑む中澤

 一方シードのため、2回戦からの出場になった品川は延長で飛び込みメンを決め、日体大の野村花紗美(3年)に勝利。「初戦を突破できればのれると思っていたので、(初戦突破というのを)目標としていた」と品川。その言葉通り、続く3回戦は関西女子学生選手権2位の玉置万優(3年)であったが、延長戦に突入した直後にメンを決める。「それまでに(相手に)メンを打たれていて危ないと感じていた」と相手が仕掛けてきたところを見逃さなかった。そして迎えた4回戦。名門、鹿体大の村田桃子(2年)との対決となった。品川は相手の素早い動きに苦戦。思うように攻めることができないまま、メンを決められ敗退となってしまった。しかし、結果はベスト16と大躍進。ワセダの剣士として堂々たる剣道を披露した。

ベスト16に輝いた品川

 「自分の力は足りていなかった。これからもっと一回一回の稽古に全力で取り組んで強くなりたい」(中澤)、「練習している選手は動きが早く、体幹もしっかりしていて、打ちも強い」(品川)と、中澤と品川は初の大舞台をこう振り返る。全国の強者たちとの差を痛感した試合となった。しかし3年生でこの全日本を経験できたことは、個人にとってもチームにとっても大きい。強敵に対し果敢に挑む3年生コンビの姿に刺激を受けた者も少なくないだろう。秋には関東女子学生優勝大会が控えている早大。夏合宿や日々の稽古を通じて、部員全員のレベルアップが求められる。悲願の団体日本一へ――。早大剣道部はさらなる成長のため、歩み続ける。

(記事 永池隼人、写真 松本一葉、大山遼佳)

結果

中澤 2回戦敗退

品川 ベスト16

コメント

中澤結貴(人3=埼玉・伊奈学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

2回戦は自分のペースでで自分らしい剣道ができました。3回戦の相手は自分よりも打ちが早くて強さもあり、圧倒されてしまいました。自分のいいところが出せず、力の差を感じました。

――2回戦後にコーチと話をされていましたが

手元を上げないように、など基本のことを言われました。いつも通り自分の剣道ができるように後押ししていただきました。

――3回戦について詳しくお聞かせください

相手に押されて下がってしまう場面が多かったです。取られてしまった場面も、いつもは自分が得意とするかたちだったので良くないところが出てしまいました。

――全日本に向けてどういった準備をしてきましたか

関東で勝ってから1ヶ月半、自分の打ちのスピードや強さ、自力の部分が足りていなかったのでそこを意識して日々の稽古に取り組みました。また、技の種類を増やすことも意識しました。自分の得意技を一本で決め切れるようにもしました。

――2回戦では一本で決め切れました

はい、練習での成果が出せるように自分らしい剣道を意識しました。

――全日本で得たことを教えてください

全国レベルの大会には大学生になってから初めて出場しました。自分の力は足りていなかったので、これからもっと一回一回の稽古に全力で取り組んで強くなりたいです。

――団体戦の部内選考に向けて意気込みをお願いします

部内での選考は厳しいので、あと1ヶ月でどう部内の選手に勝てるかを考えて、きょうの反省も踏まえて自分の苦手としている部分をなくしたいです。しっかり勝てるように準備していきます。

品川大華(スポ3=広島・広)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

もうちょっと上がりたかったなと思うんですけど、上に行くにつれて強い選手が出てきて自分の実力不足を痛感した試合だったなと思います。

――初の全日本ということでどのような意気込みで挑まれましたか

初戦を突破できればのれると思っていたので、今回は初戦突破というのを目標としていました。

――きょうの試合に向けてどのようなご準備をされてきましたか

普段と変わらない生活を心がけて、特別何かをするというのはしないようにしていました。

――2回戦から延長戦となりましたが振り返っていかがですか

相手の動きが早かった印象です。

――3回戦はシードの選手との対戦でした延長戦になった瞬間にメンを決めましたが狙っていましたか

相手がきたのでそれを返しただけなんですけど、それまでにメンとかを打たれていて危ないと感じていたので、打とうと思っていました。

――4回戦では強豪校の選手との対戦となりましたが振り返っていかがですか

2、3回戦で対戦した相手とは動きが違くて、メンも早かったし体幹もしっかりしていたので、全国で上に上がる選手はこういう選手なんだなというのを自分で経験することができて今後に生かせるなと思いました。

――初戦突破が目標という中でベスト16という結果を残しましたがいかがですか

自分的には初戦突破した時点で良かったなと思っていたんですけど、ワセダから出ている以上初戦突破で投げ出すわけにはいかなかったのでもっと勝ちたかったというのはあるんですけど、自分の目標は達成できたのでうれしいです。

――全日本での収穫はどのようなところでしょうか

練習している選手は動きが早くて、体幹もしっかりしていて、打ちも強いので。ワセダは練習量が多分他校とは劣っていて、その中で勝っていくには普通にしていたら難しいんだなときょう痛感したので、それに勝てるくらいの気持ちがワセダには必要だなと実感しました。

――夏合宿ではどのようなことを強化したいですか

相手に崩されたら崩れて技がでなくなったりとか、スピードに追い付けていないというのがあるので、まずは自分の体幹をしっかりと鍛えることを目標に頑張りたいと思います。