ことしで第8回を迎える全日本都道府県対抗女子優勝大会。高校生から高段者まで幅広い年齢層の女性剣士たちが一丸となり、地元の威信を懸けて火花を散らした。えりすぐりの精鋭が集う本大会に、早大からは大分県代表の次鋒として小西波瑠(スポ2=大分鶴崎)が出場。大学剣道の試合とはまた違った雰囲気の中、地元の代表として竹刀を振るった。大分県は1回戦、2回戦を順調に勝ち上がるも、準々決勝で和歌山県に1-2で惜敗。小西は3試合中1勝2引き分けと健闘し、大分県の成績に大いに貢献した。
1回戦の相手は埼玉県。本大会での優勝、入賞経験豊富な強敵だ。先鋒が幸先よく一本勝ちを挙げ、リードした状態でバトンを受け取った次鋒・小西。相手の隙を見て技を仕掛けるも、膠着(こうちゃく)状態が続く。なかなかチャンスをつかめずもどかしい展開となるが、冷静に試合を運び引き分けで中堅につないだ。その後引き分けの試合が並んだが、大分県は大将戦でさらに1勝を挙げ初戦を突破。続く2回戦では静岡県と対戦。同じくリードで迎えた次鋒戦でも、小西は手堅く引き分けに持ち込んだ。副将戦で追い付かれあわや逆転のピンチに陥るも、大将の活躍で準々決勝進出を決めた。
地元・大分県の勝利に貢献した
迎えた和歌山県との準々決勝。ここまで2連勝の活躍だった先鋒が敗れ、小西は本大会で初めてビハインドを背負っての登場となった。国士館大の土井春奈との2年生対決は立ち上がりから激しい展開となったが、小西が絶妙のタイミングでドウを決めそのまま勝利。先鋒戦を落とし、ここで負ければ一気に相手に流れが傾いてしまうという状況の中、大分県にとって大きな白星を挙げ次鋒の役割を十分に果たした。小西の活躍で流れに乗ったかに見えたチームだったが、後続が勝ち切れず無念の敗退。準々決勝でトーナメントから姿を消した。
今春関東女子学生選手権の4回戦で敗退し、あと一歩のところで全日本女子学生選手権出場を逃した小西。秋の団体戦に向けて闘志を燃やす2年生が、今回は地元の代表という形で活躍をみせた。本大会では様々な年代の剣道に触れ、普段の試合とはまた違った収穫を得ることができただろう。先週行われた日・韓交流学生親善試合に続き、大学の枠を越え各所で活躍する早大剣士たち。それぞれが得た収穫をこの夏力に変え、団体戦が行われる秋にはエンジの旗のもとに再集結する。さらに一皮むけた早大剣士たちの今後に期待したい。
(記事 久野映、写真 佐藤諒)