らいねん主将を務める小林直道（スポ３＝東京・高輪）に、２年生にして全日本学生選手権３位に輝いた勇大地（スポ２＝東福岡）、世代トップレベルの実力を持つ久田松雄一郎（スポ２＝佐賀・龍谷）。４年生が引退した後、部の中核を担うこの三人の剣士たちに来る大舞台に懸ける思いを語っていただいた。
※この取材は１０月１６日に行われたものです。
「日頃の努力の成果が出た」（勇大）
個人戦で学生日本３位という好成績を残した勇大
――春に行われた個人戦を振り返っていかがですか
久田松 直前に体調を崩してしまい、ふがいない成績になってしまいました。自己管理ができていなかったと反省しています。
勇大 全日本学生選手権で３位になることができたので、日頃の努力の成果が出たのではないかと思います。
――先日の団体戦（関東学生優勝大会）を振り返っていかがでしょうか
小林 情けない結果になってしまい、個人的にも反省点があって課題も出てきたので、全日本へ向けてそこを直していきたいと思います。
久田松 結果としては良くないものだったのですが、それも含めて良い経験ができたのではないかと思います。これを糧に、全日本へぶつかっていけたらと思います。
勇大 関東の結果は本当にダメでしたし、内容も全員の力が発揮できたものではありませんでした。みんなの力を集めれば全日本でもいいところまで行けるのでは、と思うので頑張りたいです。
――特に印象に残っている試合は
小林 団体戦の関東大会で、全日本（全日本学生優勝大会）を懸けて戦って敗北した、流通経大戦です。みんな勝てる試合だと思っていたのに結果的に負けてしまって、歯車が狂ってしまいました。
久田松 一緒です
勇大 僕も一緒です。
――小林選手は４年生の引退後、主将として部を率いていく立場になりますが
小林 そうですね、ちょっと大変です（笑）。とりあえず今は、全日本と早慶戦（早慶対抗試合）で４年生と一緒に試合に出られるのは最後なので、それを良い経験にして、代が変わったときにそれを生かしていけたらと思っています。最高学年なので、そういったこともきちんと生かしていきたいです。
――夏合宿はいかがでしたか
勇大 きつかったです。
久田松 きつかったですね。ただ、学年が上がってきょねんみたいに仕事があったわけではなかったので、去年に比べれば休める時間がたくさんありました。
小林 きつい中でも面白いこともありますし、楽しかったです。
――夏合宿で披露した小林選手の一発芸が面白かったとうかがっています
一同 （笑）。
久田松 ボスです。一発芸のボスですよ(笑)。
小林 上（上級生）からやらされるんでしかたなくです。決して自分からやってるわけじゃありませんよ。
一同 (笑)。
小林 いや、ほんとに。上から強制されるとやるしかないんですよ。
勇大 けっこうノリノリだったじゃないですか。
小林 切り替えてやってます（笑）。
――実際にご覧になった感想はいかがですか
久田松 別格だなと。センスがもう違いますね。勉強することばかりです。
小林 全然うれしくないんですけど（笑）。
「ニコイチです」（久田松）
同学年ということで、仲の良さそうなお二人
――お互いの第一印象は
久田松 もう小学生くらいの時から知っているんで、「あ、小林君だ」という感じです。
勇大 スーパー選手ですね。
小林 いや彼らのほうこそ昔から有名でした。
久田松 昔から知っているので、早大に入学したときには「おまえが後輩になるとは思わなかった」と言われましたね。小学校のときから試合したりしていましたから。
――プライベートのほうでもあまり印象は変わりませんでしたか
久田松 そうですね。話したこともあったので、変わらないなという感じでした。
勇大 紳士ですね。誠実で。
――２年生のお２人同士はいかがですか。
久田松 ニコイチです。ずっと一緒にいます。
勇大 私は避けてますけど（笑）。顔も良いし、勉強もちゃんとするし、剣道も真面目だし、すごいなって思っています。
久田松 （勇大は）ぼちぼち頑張ってる奴やなって思います（笑）。
勇大 え、褒めたのにひどい（笑）。
――４年生の方が、２年生はやんちゃな学年だとおっしゃっていましたが
久田松 何言っているんですか、やんちゃなのは４年生ですよ（笑）。
勇大 （兄である）勇佑多（副将、社４＝東福岡）っていう奴がいるんですけど、そいつがみんなに一発芸強要したりするのでみんな嫌々やってるだけですよ（笑）。
――ご本人たちはこうおっしゃってますが、小林選手から見ていかがですか
小林 やんちゃというよりすごく元気のいい学年ですね。
――ご趣味は
勇大 剣道一筋です。
久田松 家でバイオリン練習してます。
小林 嘘だろ（笑）。
久田松 嘘です（笑）。今は試合シーズンで忙しいのもあって、自分も剣道一筋です。直道さん（小林）はエレキギターやってますよね。
小林 やってねえよ（笑）。自分も剣道のことだけ考えてますね。
――それぞれ剣道を始めたきっかけを教えて下さい
小林 家族がやっていたので。僕は末っ子で、父も兄も剣道をやっていたので、僕も必然的に物心ついたときからやっていました。
久田松 幼稚園の先生に勧められて道場に通い始めたのがきっかけです。
勇大 僕はワンピースのゾロに憧れて（笑）。どうやったらこんな強くなれるんだろうと思って剣道を始めました（笑）。
――お兄さん（勇佑多副将、社４＝東福岡）の影響はなかったのですか
勇大 全くないですね（笑）。
――１年生が入って変わったことは
久田松 うーん、特にないですね。
勇大 そうですね。１年生はみんな真面目です。
久田松 ただ、下に示しがつくようにちゃんとやらないとなと自覚するようになりました。
勇大 口で言うより背中で見せることを意識しています。
「勝ってチームに貢献できるようにしたい」（小林）
らいねんは主将を務める小林
――ここからは全日本と早慶戦についてお話をうかがっていきたいと思います。今年の早慶戦はアウェーですが、いかがでしょう
小林 会場は２年交代なのでまだ慶大で早慶戦を経験したことがなくて。これから慶大に床の感じや雰囲気など色々見に行く予定なので、そこからですね。僕は大学入学前に慶大で開催されていた早慶戦を見たことがあるのですが、とくにアウェーだからといって不都合なことはなかったと思います。自分自身に関しては、１、２年と早慶戦では勝てていないので、３年生では勝ってチームに貢献できるようにしたいです。もう最上級生になるので、頑張りたいです。
久田松 頼もしい先輩方がいるので、大丈夫だと思います。
勇大 頑張りたいです。
――全日本の組み合わせが発表されましたが、ご覧になっていかがでしたか。昨年度負けている中大と当たる組み合わせでしたが
小林 中大に関しては正直最悪だなって思いました。ただ、中大は（リーグ戦の）下の方で強いところと当たると乗り切れずに落としてしまうこともあるので、上で当たるよりは良かったんじゃないかなと思います。
久田松 どのみちやらないといけないので、組み合わせはそこまで気にしていないです。
勇大 優勝目指してやっているので、そんなにショックは受けなかったですね。倒せばいいというくらいの感覚ですね。
小林 お前言うことがかっこいいな（笑）。
――全日本へ向けて、現在の部の雰囲気はいかがですか
小林 関東での反省を活かし、それぞれ良い感じで調整できていると思います。
久田松 とても雰囲気良くやっていると思います。
勇大 今までで最高なんじゃないかっていうくらい、みんな意識高く、声も出してやっていると思います。先輩方が号令などをすごくしっかりやって下さっていて、ついていきたいという気持ちになります。
――個人として、コンディションはいかがですか
小林 まあまあです。そんなに悪いことはないと思います。
勇（大地） これから上げていきます。
久田松 『イチローの流儀』という本を読んでから上がってきてます。
――何か影響を受けられたのですか
久田松 そういうわけではないですね。あれはイチローにしかできないですよ（笑）。
――ちなみにどのようなことが書かれていたのですか
久田松 調子が悪いときでも結果が出るように、徹夜で一睡もせずに試合出たりしているみたいです。感覚としては悪かったのに、それでも結果は出していて。それはなんでだろうと試行錯誤するみたいです。真似できないですね（笑）。
――全日本ではどのような戦い方をしたいですか
小林 自分は前の方で出ることになると思うので、勢いをつけて後ろにつなげられるようにしたいです。
久田松 粘ってつないでっていう早大らしい剣道ができたらと思います。
勇大 大勝というような勝ち方はできなくても、本数差とかきつい戦いの中でも、チームで気持ちをつないで勝てたらと思います。
――最後に目標をお願いします。
小林、勇大、久田松 優勝です。
――ありがとうございました！
（取材・編集 佐藤諒、久野映）
色紙に意気込みをつづっていただきました！
◆小林直道（こばやし・なおみち）（※写真左）
１９９４年（平６）８月２０日生まれ。身長１７４センチ、体重８５キロ。東京・高輪出身。スポーツ科学部３年。夏合宿では面白い一発芸を披露したという小林選手。らいねん主将を務めます。「紳士」と評されたその誠実さで、周りから支持を得ているのでしょう！
◆久田松雄一郎（くだまつ・ゆういちろう）（※写真中央）
１９９５年（平７）５月２７日生まれ。身長１７５センチ、体重７０キロ。佐賀・龍谷出身。スポーツ科学部２年。『イチローの流儀』という本を読んでいる久田松選手。「真似できない」とこぼしながらも、読んでから調子が良くなってきているとのこと。イチローにあやかって、全日本でも好調の姿を見せて欲しいですね！
◆勇大地（いさむ・だいち）（※写真右）
１９９５年（平７）１０月２７日生まれ。身長１７２センチ、体重６１キロ。O型。東福岡高出身。スポーツ科学部２年。久田松選手との絶妙な掛け合いからは、お二人の仲の良さがうかがえました。個人戦で学生日本３位の実力は折り紙つき。優勝したいと力強く語って下さった姿が印象的でした。団体戦での活躍にも期待がかかります。