記録的な猛暑にも負けない、剣士たちによる全国の舞台がいよいよ幕を開けた。各地方の個人戦予選を勝ち抜いてきた選手たちによって行われた第47回全日本女子学生選手権(全日本)。早大からは菊池優香(社3=京都・日吉ヶ丘)、川上ゆき(スポ1=熊本・菊池女)の2選手が出場した。だが川上は初戦でまさかの2本負け。菊池もベスト16入りを果たすも満足のいく内容とはならず、全国のレベルの高さを思い知る結果となった。
相手に飛び込んでメンを打ちに行く川上
ルーキーながら厳しい関東での予選を勝ち抜き2回戦からの出場となった川上。1年生ながら確かな実力を引っ提げてこの大会に臨んだがいきなりカベにぶち当たる。強豪、鹿屋体大の選手との対戦。「準備不足だった」(川上)と振り返るように出だしで気を抜いたところを、メンを合わされいきなり1本を取られてしまう。これで慌てた川上は自慢の勢いのある技が出せず後手を踏む展開に。最後は何とか取り返そうと前に出たところを出コテを打たれて万事休す。期待の新人の全国デビューはほろ苦いものとなった。
全国の舞台でベスト16入りを果たした菊池
2年連続でインカレ出場となった菊池。「いつもほど緊張しなかった」とこの日は安定した滑り出しを見せる。初戦では相手がコテを打ってきたところを冷静に返しメンを打ち1本勝ち。続く2回戦でもシード選手相手にメンを奪い1本勝ちすると、3回戦では相手の間合いに入りフェイントで仕掛け、相手の手元が上がったところの仕留めコテを決め先制。その後も相手に危ない場面を作らせずなんなくベスト16入りを果たした。迎えた準々決勝。拮抗した展開のなかで両者は慎重な姿勢を見せる。時折コテなどで仕掛けるも有効打とまではならず、互いに探り合うような流れのまま延長戦へと突入した。延長に入っても大勢は変わらず。堅い守りからチャンスを作らせないものの、逆に相手を下がらせるようなメンやコテが出ないまま5分以上が続いたが、試合は急に動いた。不用意にコテを狙いに行ったところを引きメンを打たれる。審判の旗が全て上がり、菊池の個人戦の全国の舞台は終わった。
「気持ちが切れた」(菊池)、「準備不足だった」(川上)と振り返るように全国の舞台で苦渋を舐めさせられた2人。だがハイレベルな試合を経験出来たことは団体戦につながるに違いない。夏には合宿や練習試合など自らの課題を克服する良い期間となるはずだ。更なる高みを目指すため――、全国の舞台の終わりは熱い夏の始まりを告げた。
(記事、写真 増山祐史)
結果
菊池 ベスト16
川上 2回戦敗退
コメント
菊池優香(社3=京都・日吉ヶ丘)
――4回戦まで進みましたが振り返っていかがですか
動きは良かったんですけど最後詰めが甘かったです。
――初戦から3回戦までは危なげなく突破しましたが
いつもほど緊張せず落ち着いて楽しんで試合が出来たので、しっかり体が動いて勝てたんだと思います。
――4回戦での敗因は
最後に気持ちが切れてしまって普段の練習の甘かったところが出たんだなと思ってます。
――何が足りなかったと思いましたか
集中力だと思います。
――ベスト16という結果をどう捉えれてますか
あと1回はせめて勝ちたかったので、きょうは悔しいです。
――団体戦に向けての意気込みをお願いします
だんだん自分の剣道が分かってきたので、団体戦で力になれるよう、今持ってる力によりプラスされるように稽古を頑張っていきたいと思ってます。
川上ゆき(スポ1=熊本・菊池女)
――初戦敗退となりましたがどう受け止めてますか
とにかく悔しいという気持ちで一杯です。
――勝てなかった原因はなんだと思いますか
もう言い訳抜きで完全に自分の実力不足だと思ってます。ただ悔しむのも大事だとは思いますけど、それよりももっと練習を頑張らなくちゃいけないと思うので、きょうのことはもう切り替えてまた頑張らなくちゃいけないなと思いました。
――1年生ながら全国の舞台を経験したことはどう捉えてますか
1年生でこの舞台に立てたというのはもちろん良いことですけど、次につながる試合ではなかったと思うのでうれしいとかはあんまり思わないです。
――相手選手と比べて足らなかった点はなんだと思ってますか
立ち上がり打たれてしまったなど集中力の違いというか、自分の準備不足だったと思います。
――最後に9月に行われる団体戦に向けて意気込みをお願いします
この舞台で勝てなかったけど試合が出来たってのは良い経験なので、団体戦ではこの経験を活かしてチームを助けるように頑張ります。