強みを発揮し、アルフォルテが堂々の3位入賞!

空手

 10月5日~8日の4日間、中国の杭州で開催された第19回アジア競技大会空手道競技会に、アルフォルテさくら(国教4=フィリピン・ラ・サール)がフィリピン代表として女子個人形に出場した。アルフォルテは、強豪が集うアジア地域の大会にて見事3位入賞を果たした。

 アルフォルテは第1ラウンドでパイクーを演武。演武順の前後にオリンピックメダリストがいた中で40.0点を獲得し、グループ3位で第2ラウンドへ駒を進めた。続く第2ラウンドでは「一番好きな得意形」と語るアーナン大を披露。40.7点を獲得し、第2ラウンドも同様に、オリンピックメダリストに次ぐグループ3位通過となった。3位決定戦では台湾の選手と対決。「イメージしていた通りの演武をすることができた」と語り、アウェーな雰囲気の中見事メダルを獲得した。

表彰台で笑顔を見せる選手たち 一番右がアルフォルテ

 主に国際大会で活躍を見せるアルフォルテ。「これからも貪欲に進化し続けていきたい」と語る彼女は、ハンガリーで開かれる世界選手権にも出場する。シニアの世界大会は初だというが、これからもアルフォルテの活躍に目が離せない。

(記事、宇野結子)

※掲載が遅くなり申し訳ございません。

コメント

アルフォルテさくら(国教4=フィリピン・ラ・サール)

――アジア大会での目標は何でしたか

 アジア競技大会での私の目標は、メダル獲得でした。私が出場した女子形はアジアに強豪国が集まっているので、簡単なことではありませんでしたが、目標を達成して表彰台に昇れたことを嬉しく思います。

――各ラウンド、また3位決定戦の振り返りをお願いします

 (グループ8名中)上位4名しか2回戦に進出できないため、1回戦は、他の選手は皆、多くの人が使っていて高得点が取り易い長い形を選んでいました。一方、私は非常に短い「パイクー」という形を演武しました。私は組合せでとても厳しいグループに入り、その上2人のオリンピック・メダリストの間に演武をしなければなりませんでした。試合前はとても緊張しましたが、短いけれど大きなインパクトが与えられる「パイクー」で勝負し、2人のオリンピック・メダリストに次いでグループ3位で通過できました。これで2回戦は自信を持って臨むことができ、一番好きな得意形「アーナン大」の演武は、キレと極めも強く出せたと感じました。そして、上位3名までメダルマッチに進出できるこの2回戦も、無事通過することができました。最後にメダルマッチで台湾の選手と戦ったのですが、中国の観客が台湾選手に大きな声援を送っており、完全アウェーな雰囲気でしたが、前の試合で自信をつけたことで集中力が高まっていたので、影響を受けることなく、イメージしていた通りの演武をすることができました。全体的に、自分の形に成長を感じることができ、満足しています。

――アジア大会に向けてどのような調整をしていましたか

 アジア競技大会では、自分の強みをより強化することに集中しました。私の強みはスピードとパワーなので、よりレベルアップできるように体の強化に取り組みました。また、今回は自分自身と他の強豪選手の形の研究に多くの時間を費やしました。ビデオを観て、メモを取り、形に反映させました。この2つが、短期間での上達に繋がったと思います。

――3位という順位に対してはどのように感じていますか

 銅メダルを獲得できたので、とても嬉しく思っています。オリンピックのメダリストたちの中で戦いながら、アジアで最高の選手の一人になれたということですので。ただ、それに満足しているかというと、答えはNoです。オリンピアンたちと最初にシニアの舞台で戦ったのは2021年で、その時もメダルを獲ることはできましたが、その頃と比べると、オリンピアンたちとの差は明らかに縮まってきたので、これからも貪欲に進化し続けていきたいです。

――次の大会への意気込みをお願いします

 次の大会は、2週間後のシニア世界選手権(ハンガリー)です。ジュニアの世界大会は2度出場していますが、シニアは初めてです。世界の強豪を相手に挑戦者という立場で挑むので、プレッシャーも少なくベストを尽くせるといいなと思います。