女子団体組手で3位入賞! 課題が残る結果も

空手

 10月9日、日本武道館にて第66回関東大学空手道選手権大会が開催された。早大は男女団体形、男女団体組手に出場。団体形は男女どちらも第1ラウンド敗退、男子団体組手は1回戦敗退となり、女子団体組手は3位入賞を果たした。また、天本主将は優秀選手賞を獲得した。

 男子団体形には吉田蒼一朗(スポ3=東京・世田谷学園)、岩渕凌(スポ2=茨城・水上)、臼井健一郎(人1=東京・本郷)が出場。エンピを披露し、18.40点を獲得。気迫あふれる形を披露したものの、惜しくも0.1点及ばず第1ラウンド敗退となった。女子団体形には岡部茉莉(創工4=千葉・柏)、酒井春帆(スポ4=東京・国分寺)、李霖(政経2=中国・河源高級中学)が出場。男子と同様にエンピを披露し17.20点を獲得。大学から本格的に空手を始めたというメンバーもいる中、互いの弱点を補いあい、リズムを活かした演武を披露したが、第1ラウンド敗退となった。

男子団体形ではエンピを披露

 男子団体組手には先鋒から順に池田倖紀(スポ3=北海道・恵庭南)、澤祐太郎(教3=東京・世田谷学園)、吉田、臼井、兎本星河(文1=埼玉・早大本庄)が出場。主力の時田隼門(社3=滋賀・玉川)が不在での戦いとなった。池田、澤は先取点を獲得するものの、終盤で相手選手に逆転を許してしまい敗れる。吉田も及ばず3ー4で敗れた。副将・大将戦には臼井、兎本が出場。1年生ながら積極的に攻撃を仕掛けていったが敗北。チームとしては0-5で山梨学院大学に敗戦し、初戦敗退となった。

 女子団体組手には天本菜月主将(スポ4=宮崎・宮崎第一)、原田栞里(教4=東京・大泉)、藤平梨沙(スポ3=埼玉・花咲徳栄)が出場。早大は2回戦から姿を現した。対国際武道大学戦では、天本主将が終盤で逆転し勝利。藤平も鋭い中段蹴りを決め先取点を獲得し逃げ切り。3回戦へ駒を進めた。3回戦では日本大学と対戦。天本主将は先取点を取られるも、残り14秒で2点獲得。初戦と同様に逆転勝利をおさめた。藤平は冷静な試合運びで勝利し準決勝へ進んだ。準決勝先鋒の原田は積極的に刻み突きを出していったが敗北。続く天本主将は残り17秒で先取点を取られてしまい、巻き返せず敗れる。早大は3位入賞となった。

表彰を受ける女子団体組手メンバー 手前から天本主将、原田、藤平

 今大会は新メンバーも加わった新体制での大会となった。個人戦とは違う団体戦ならではの難しさもあっただろうが、各カテゴリーで感じた課題を胸に、次戦や来シーズンに向けてさらに練習を重ねていくに違いない。

(記事、写真 宇野結子)

結果

▽男子団体形

第1ラウンド敗退

▽女子団体形

第1ラウンド敗退

▽男子団体組手

1回戦敗退

▽女子団体組手

3位入賞 全日本出場

コメント

池田倖紀(スポ3=北海道・恵庭南)

――今大会の目標は何でしたか

 新チームになりメンバーもガラッと変わり主力の時田も今回いない状態だったので、とりあえずは全日本に駒を進めるということが目標でした。

――前半シーズンが終わってから今大会に向けてどのような練習を重ねましたか

 まずは新しくメンバーに入った人の強化に力を注いで、個人的にはどんな相手にも自分らしい組手をするということを意識してやりました。やっぱり相手がいる競技なので勝ち負けというものが絶対についてしまうものなので、勝ち負けだけにこだわるのではなくて、負けたとしても自分の力をしっかり出すというところの気持ち作りとかを大会に向けて準備しました。

――先鋒、次鋒、中堅と惜しい試合が続きましたがどのように感じましたか

 先鋒、次鋒、中堅までは勝たないといけないところであったので、そこであと一歩勝ち切れないというところが自分たちの弱点かなと思っています。ただメンバーに4年生がいなく来年もやっていけるので、そこではしっかりと勝ち切りたいと思います。

――1年生2人が積極的に試合をしていたと思うのですが、どう感じましたか

 1年生は組手を始めてまだ1カ月で、まだ1カ月くらいの人があんなにパワフルな試合をしてくれたことがとても心強いです。来年以降もぜひ試合に出てほしいなと思います。勇気をもらえるというか、本当に学ぶこともたくさんあるので、来年に向けて自分たちも教えるところは教えていきたいです。

――今大会の結果に対しての率直な感想をお願いします

 悔しいですね。正直自分としてもチームとしても実力を出し切れなかったというところがあるので個人的には春からそこを意識していたのですができなかったことはとても悔しいです。

――今後の目標をお願いします

 具体的な目標というものはまだ決まっていないのですが、今年よりは良い成績を残したいと思います。先ほど言った通り、自分の力をしっかり出し切れるように練習していきたいと思います。

岩渕凌(スポ2=茨城・水上)

――団体形の目標は何ですか

 全国大会出場でした。今回だと7位以内です。

――今大会に向けてどのような部分を重点的に練習しましたか

 自分以外の2人のメンバーが組手にも選ばれていたので、すごくイレギュラーなところがあったのですがうまく時間を見つけて、形の練習をしました。第1ラウンドが1番重要だったので、第1ラウンドの形(エンピ)を重点的に練習しました。

――個人形とは違う団体形の難しさというものがあると思うのですが、特に苦労した部分はありますか

 今年は特に時間がなかったということです。

――次のラウンドまであと0.1点でした。率直な感想はいかがですか

 本当に悔しいです。去年は第2ラウンドまで上がっていたので、練習不足だなと感じました。

――今大会で得た収穫や課題はありますか

 団体は個人とは違って、3人の息が合わないとだめなので、一致団結して行くことが必要で、3人で心を合わせることが必要だなと感じました。

――今後の目標をお願いします

 自分はあと2年あり、関東個人や関東団体もあるので、もっとコミュニケーションをとっていけたらいいなと思います。

酒井春帆(スポ4=東京・国分寺)

――今大会の目標は何でしたか

 点数は17点以上、順位は最下位を回避しようという感じでした。去年は第1ラウンド突破とかだったのですが、今年はメンバー3人全員が大学から競技としての空手を始めたという3人だったので、現実的な目標としてそこを目標にしていました。

――今大会に向けてどのような部分を重点的に練習していましたか

 私たちの強みとして、リズムと一体感があって、タイミングをしっかりと合わせることで他の大学と差を出そうとしていたので、とにかくリズムを合わせようと練習していました。

――団体形ならではの難しさというものもあると思うのですが、練習中に苦労した部分はありましたか

 メンバーのうちの一人が大学から空手を始めて、夏前くらいに急遽団体形をやるということで入ったメンバーで、一緒に練習をしてきた時間が圧倒的に短かったので、その子の実力も上げつつ3人でまとまりの良い形を作るということに一番時間をかけました。

――結果を受けて感想は

 悔しい気持ちが大きいです。リズムというものも本番になると緊張して崩れてしまったり、コンディションを合わせることが難しくて、自分たちの強みを出せなかったのかなと思います。そこが悔しいです。

――今大会で得た収穫や課題はありますか

 チームならではの良さで、弱点を補いあえるということを強く感じられたことが収穫です。3人のメンバーがいる中で、私の苦手な部分は他の2人がカバーしてくれて、逆に他のメンバーの苦手な部分を私がカバーしている感じでした。チームの中で互いの弱点を補いあいながら一つのものを作っていくという経験ができたことはとてもよかったです。

――酒井選手は4年生ということでもうすぐ引退されてしまいますが、残る形メンバーに期待することはありますか

 やはり全国に出てほしいです。女子は私たちが引退すると本当にいなくなってしまうので、そこは勧誘を頑張ってほしいなという感じですね。男子メンバーは実力のある子がそろっているので、そのなかでも切磋琢磨して練習していってほしいです。もう少しで花開くと思うので、全国の舞台で活躍する日を楽しみにしています。

天本菜月主将(スポ4=宮崎・宮崎第一)

――今大会の目標は何でしたか

 最低限去年と同じ3位をとるということでした。

――前半シーズンから今回までどのような練習を重ねていましたか

 自分の持ち味を伸ばそうとしました。私は攻撃力しかないので攻撃力を極めるということと、それを活かすためのステップや間の取り方もあるので、先輩に教えていただいたことを忠実に落とし込んでいくということを中心に行っていました。

――チーム全体の試合内容や結果の振り返りをお願いします

 全然練習量が足りないなと感じました。技術的な面ももちろん大事なのですが、それ以前に気持ちの面で2分間の中で気が緩んでしまう場面があって、そこでやられるという事がありました。ふとした時に入ってこられるとかがあるので、それは練習で培っていかなければならないので、今後試合の中で気を緩めず常に相手に集中する練習を心がけていきたいと思います。

――今後の目標は何ですか

 私自身は、体重別で優勝することで、全日本も最低限3位ということを目標にしていきます。