第1回は4年間空手部を支えてきた長沼俊樹主将(スポ4=東京・保善)、野澤颯太副主将(法4=長野・松商学園)、土谷菜々子(スポ4=北海道・札幌北)というメンバーでの対談となった。前期は新型コロナウイルスで試合に出場できなかったこともあり、悔しいシーズンとなった。3年ぶりの夏合宿を乗り越え、彼らにとって最後のシーズンに向かうなかで、チームの状況やここまでの取り組み、そして今大会の目標や意気込みについてお話を伺った。
左から、土谷、長沼、野澤。対談では3人とも終始笑顔で楽しそうに答えてくれた。
※この取材は9月17日にオンラインで行われたものです。
これまで部を支えてきた3人
――まずは右隣の方の他己紹介をお願いします
野澤 部長の長沼です(笑)。長沼は文武両道を体現した学生だと思います。東京の代表にも選ばれるなど空手の実績は充分であり、かつ学業の方でも優秀な成績を収めている超人長沼はみんなの頼れるリーダーです。
長沼 主務の土谷です。彼女も文武両道で、空手と学業両方をしっかりこなしています。選手でありながら、主務を務めており、本当にいつもお世話になっています。彼女のおかげで夏合宿もしっかりと取り組むことができました。
土谷 副部長の野澤です。良い意味で法学部っぽくない人です(笑)。勉強が得意な一面もあれば、抜けている面もありとても可愛らしいです。彼はスイッチの切り替えが得意で、また、目標に向かってものすごく頑張る人です。部長の長沼がいないときは部全体をまとめていて、実力も含め副部長としての役割を全うしています。
――オフの時期はどう過ごされていましたか
野澤 勉強6割、空手2割、遊び2割で過ごしていました。会計とか財務の勉強が大変でした(笑)。部活は夏合宿があり稽古も十分にできました。また、久しぶりに帰省先の長野で友達と遊んだりご飯を食べたりもできたので、まあまあ充実した時間を過ごせたと思います。
長沼 良い意味で、非常に遊べた期間でした。カナダのバンクーバーに前監督と行き、稽古しつつ観光して、世界各国に友達ができました。また、早稲田実業の合宿にも参加できたので、とても充実していました。
土谷 割とのんびり過ごしていました。学生最後の夏休みでもあったので、しっかり楽しめました。帰省先の北海道では家族旅行したり友達と会ったりして、北海道を満喫していました。空手は東京に戻ってきてからで、怪我明けということもあり、リハビリしつつ練習に取り組んでいました。
――例年と比べて、今年の大学生活、部活生活に何か変化はありましたか
野澤 4年間あっという間だったなと思いながら、部活勉強で常に忙しかった記憶です。
長沼 就活が重なって1番忙しかったです。
土谷 就活に本腰を入れていたのと、やはり立場が一番上になったのもあり、精神面体力面両方しんどい時期が続きました。
――今年のチームの雰囲気というのは例年に比べていかがでしょうか
長沼 例年に比べてすごく明るい雰囲気です。部員たちが楽しく練習できるよう、練習メニューを毎日工夫することが今のチームの良い雰囲気にもつながっていると思います。
野澤 コロナで大変だった時期をみんなで乗り越えたこともあり、チームとしてはとても良い雰囲気です。自分が楽しむ気持ちを常に忘れず、引っ張り方も工夫することで良い影響を与えられているのかなと思います。
土谷 お互いものを言いやすい雰囲気で、活気があるチームです。ここ数年の早稲田体育会の傾向もあるのですが、上下関係という壁をなくすことで練習しやすい環境が生まれ、チーム力の向上にも繋がっているのだと思います。
――今年も実力のある1年生が入部しましたが、印象はいかがでしょうか
野澤 僕が代表して言いますね(笑)。3人それぞれ個性があり、可愛らしい後輩です。秋吉優斗(スポ1=埼玉・埼玉栄)は実力があり、気が強く負けず嫌い、岩渕凌(スポ1=茨城・水城)は抜けているところはあるけどやるときはしっかりやる、李霖(政経1=中国・河原)は努力家で、未経験ながらよく練習についてきていると思います。3人ともこれからの成長がとても楽しみです。
3年ぶりの夏合宿を終えて
――夏合宿の振り返りをお願いします
土谷 とても良い合宿になりました。自分自身の限界に挑戦し、追い込むのが目的の合宿だったので幹部含めみんな体力的にもかなりきつかったと思います。それでも後輩たちは頑張ってついてきてくれ、チーム全体で大きく成長できたことを実感できました。お互いの普段見えない部分が見えたので、部員たち同士の距離感がさらに近くなったのではないでしょうか。3年ぶりだったけどやってよかったなと身に沁みて思います。
野澤 幹部だけでなく、チーム全体が練習を盛り上げようとしてくれたところに成長を感じました。積極的に声を出そう、意見を出そうとする姿勢がとても良かったです。
長沼 チームに関しては、とても元気にやってくれたなと思っています。いつもの練習よりも声が出ていて、コーチからも褒めていただきました。個人としては、とにかくきつかった合宿でした。1000本突きなどの伝統的な練習もそうですし、午前午後にあるランニングやダッシュでは部長として他の部員に絶対に負けられないという気持ちがあったので、一才手を抜かずに取り組みました。
――合宿を終えて、今の仕上がり具合はいかがでしょうか
長沼 調子はあまり良くないですね。夏合宿の疲れが残っているので、今はしっかり疲労を回復させつつ大会に向けて仕上げていく段階であると考えています。
野澤 合宿ではあまり調子は良くなかったけど、そのときと比べて調子は戻ってきて、今は普通です。ここから徐々に調子を上げていければなと思います。
土谷 合宿初日に怪我をしてしまい、練習自体あまり参加できてないのでもちろん調子は良くないです。今は怪我を治しつつ、できることをやって大会に出たいという気持ちです。
――夏合宿を通して特に成長したなと思う選手はいますか
野澤 3年生の原田栞里(教育3=東京・大泉)です。合宿で毎日練習試合をしていたのですが、最初はポイントが全く取れていなかったのが、徐々に取れるようになってきたので、すごく成長した選手だと思っています。
長沼 2年生の池田倖紀(スポ2=北海道・恵庭南)です。合宿最終日の練習試合では一番安定して結果を残せていたと思います。団体戦ではすごく心強い存在になってくれました。彼は日頃の練習から蹴りを自分の課題としてしっかり取り組んでいて、合宿では横蹴りなどの蹴り技が決まるようになっていました。あとは4年生の益田恵里花(創理4=東京・早実)ですね。今までずっと一緒に頑張ってきた仲間で、いろんな葛藤を抱えながら合宿もすごく頑張ってくれました。合宿後の団体戦がとても楽しみです。
土谷 私は霖ちゃん(李霖)ですね。空手初心者であるにもかかわらず、7泊8日のきついメニューも、1年生の仕事もしっかり頑張ってくれました。足の裏が痛くても頑張る姿勢とかを見て、これから一番伸びしろのある選手であると思います。
4年間の集大成、最後の大会に向けて
――関東大学選手権に向けての意気込みをお願いします
野澤 一戦一戦を泥臭く勝ち切っていきたいです。大きな目標を立てるというよりかは、目先の試合を全力で戦っていきたいです。
土谷 女子はとにかく結果を残すために頑張りたいです。去年は3位入賞を果たせたので、去年より良い結果、すなわち3位より上の順位に行けるよう練習に取り組んでいきます。「結果」そのものにこだわっていきたい。
長沼 チームとしては野澤の言っていた通り、目の前の試合に自分たちの実力全てを出し切って戦って欲しいです。個人としては、勝つのは当たり前で、その勝ち方にこだわりたいです。
――最後に、4年生にとっては集大成となりますが、後期全体の目標や意気込みをお願いします
野澤 個人としては、十数年続けてきた空手の集大成として、去年よりも実力を出し切りたいです。チームとしては、一戦一戦勝ち切ることだけを考えていきます。それによって成果は後からついてくるものだと考えています。
土谷 個人としては、空手を競技として取り組むのは最後なので、悔いのないよう自分の力を出し切りたいです。出し切った上で、各試合を頑張りたいです。
長沼 チーム全体としては、次につながるような試合をしていきたい。そのためにも、チームのこれからや、後輩との関わり方も大事にしていきたいです。自分たちの代はあと少しで終わってしまうので、後輩たちに良いものを引き継いでいけるよう、幹部としての役目を果たしたいです。個人としては、これまで支えていただいた方に恩返しできるよう頑張っていきます。
――ありがとうございました!
(取材・編集 杉山喬脩)