学生の日本一を決める全日本学生選手権が7月4日に行われ、早大からは男子組手の長沼俊樹(スポ3=東京・保善)、女子組手の天本菜月(スポ2=宮崎第一)、藤平梨沙(スポ1=埼玉・花咲徳栄)の3名が出場した。結果は天本が3回戦敗退、長沼と藤平は2回戦で敗退となり上位進出は叶わなかったが、全国から集った強敵との戦いを通して得たものは大きかったことだろう。弊会は新型コロナウイルスの影響により本大会を取材することはできなかったが、試合後に長沼と天本がインタビューに応じてくれた。ここでは、そのインタビューの一部始終を掲載する。
長沼俊樹(スポ3=東京・保善)
――今大会の目標は
大きな目標として優勝をあげていましたが、2回戦目の相手が天皇杯(全日本選手権)で優勝した選手(崎山優成、近畿大工学部)で、その人に今まで一度も勝ったことがなかったので、そこで勝つことを視野に取り組んでいました。
――2回戦がヤマ場だったのですね
そうですね。自分が2回戦で負けた選手が優勝されたので、ヤマ場でした。
――全日本覇者と戦った試合はどんな内容でしたか
点数では0ー1でした。やはり何回も対戦したことがあるので、どんな感じで来るかはある程度分かっていました。(間合いを)詰めてくる相手で、カウンターと蹴り技がすごく上手いことは分かってたので、簡単に攻めずに行くことが作戦の一つでした。時間も1分半と短かったので、見合って最後一発行こうと思っていたのですが、結果的にはいつも通り自分の周りに合ってないところから攻めてしまい、カウンターで返される結果になってしまいました。上手くいかない部分もありつつ、少し惜しい時もあったなという感じです。
――先月の関東個人以降、どんなことに取り組んできましたか
国体予選とミニ国(関東予選)があり、それぞれ2位と3位でした。その試合で出た課題を練習で取り組んでいて、最終的には全日本に(ピークが)合うようにやってきたので、全日本を見据えて他の試合で見つかった課題を練習で取り組んでいました。
――具体的にどんな課題が見つかりましたか
突きを出すときの引手が雑になっていることが課題で、そこを徹底的に行いました。あとはずっと前から課題に挙げている「逆転できる蹴り技」も徹底的に練習しました。なかなか試合で決まらないので、次の試合では決めます(笑)!
――ぜひその瞬間を写真で収めたいです(笑)。ちなみに、1回戦はどんな試合でしたか
点数では6-1の大差で勝つことができ、内容的にも中段蹴が2回決まったので、蹴り技の練習の成果が出たかなと思います。
――大会を通してどんなことが得られましたか
課題は本当に多く見つかったと思いますし、(2回戦で)崎山選手とそこそこ良い試合ができたこと、6月の3大会を全て入賞できたことで少しは自信がついたと思います。
――崎山選手は間違いなく日本のトップ選手ですが、そうしたトップとの差は以前より縮まりましたか
高校生の時からずっと対戦してきて一度も勝ったことがなくて、点数にもある程度差があったのですが、今回の試合では結構僅差だったと自分でも思いますし、色々な方からもそう言われてトップとの差が縮まったのかなと改めて思っています。
――今後の意気込みをお願いします
これからオフに入りますが、やはりこのオフが勝負だと思っていて、また空手ができるのもあと1年ぐらいだと思っているので、部活以外のところでも練習しているので、そういった場所で徹底的に今回見つかった課題を修正して、後期の大会では全部優勝できるような準備をしていきたいです。
天本菜月(スポ2=宮崎第一)
――自身の戦いを振り返っていかがですか
3回戦まで行ったのですが、自分の中ではもっと行けたなと。悔しいですね。ただ結果としては負けてしまったのですが、動き自体に特にだめな点は無かったと思います。
――3回戦はどんな戦いでしたか
引き分け(0-0)で、判定で負けてしまいました。相手は近畿大の有名な選手で、試合では思った以上に攻めてこなかったのですが、技の決定力、特に突きの力強さはすごくありました。かなり危ないと思う技もあったので、ポイントを取られなかったのは今回は良かったところなのかなと思います。
――無失点ということは、相手の力強い技への対応は上手く行ったということでしょうか
そうなんですかね(笑)。結構技を見ることができている気はします。
――逆に自分から攻める時に難しかったことはどんなことですか
今回は結構自分から攻めることが多かったのですが、自分で行くことに少しビビってしまうところがありました。また今回は足技からの攻撃がほとんどで、なかなか相手を揺さぶって突き技で得点することができなかったです。
――前回の関東学生選手権からどんなことに取り組みましたか
足技は最近使うようになってきました。あと逆突きを主に練習していました。
――1回戦・2回戦ではいかがでしたか
いつもはすごく体が固まってしまい自分の組手ができないのですが、今回は自分から積極的に攻められた気がします。関東学生の時は初戦の相手が強敵だとわかっていたので、それが気持ちに影響した部分がありました。でも今回は言い方は悪いですが、名前を聞いたことがない選手だったので大丈夫かな、という気持ちで行ったので(良かったです)。
――大会を通してどんなことが得られましたか
2回戦の相手は高校生の時に何度か対戦したことのある選手で、試合中に相手の狙う技が何となく分かりました。自分から攻めると多分カウンターが来るだろうなと思ったので、あまり自分からは行かずに相手の打ち終わりを狙ってポイントにつなげました。得点パターンが上手くはまりました(笑)。
――大会を通してどんなことが得られましたか
サイドに動いた瞬間の攻撃や、相手の気が抜けた所で1本取る技など、相手に分かりますようにポイントを取りに行く動きを見て、そういう試合の流れに持って行けるようになりたいなと思いました。(成長した点は)技自体に力強さが出てた気がします。あと2回戦をビデオで振り返って、相手の技を返す攻撃が速くなったかなと思いました。
――次戦への意気込みをお願いします
関東団体では本当に心強い先輩・後輩がいるので、楽しみながら優勝を目指して頑張りたいです。無駄に緊張せずに戦いたいです。
(記事 名倉由夏)
結果
▽男子組手
長沼俊樹(スポ3=東京・保善) 2回戦敗退
▽女子組手
天本菜月(スポ2=宮崎第一) 3回戦敗退
藤平梨沙(スポ1=埼玉・花咲徳栄) 2回戦敗退