全国の各地区大会で勝ち上がった者だけが集まり、個人戦で学生の頂点を決める全日本学生選手権(全日本)が名古屋城の隣に位置する愛知県体育館で行われた。早大からは前回関東学生選手権で世界王者を倒し、ベスト8まで勝ち上がった芝本航矢(スポ2=東京・世田谷学園)が出場した。昨年は出場できなかったため芝本にとって初めての全日本となったが「出るからには優勝」、「楽しみながら全日本をやろう」とおじけづくことなく試合に臨んだ。2回戦では1分以内に勝負を決め、いい滑り出しを見せた芝本だったが、無念にも次の3回戦で0−3で敗北し、姿を消すことになった。全国という壁は厚かった。
「自分の組手を崩さない」と心掛け臨んだ全日本初戦。1ポイントも相手に与えることなく、1分以内に勝負を決め、圧倒的な強さを見せつけた。開始から約30秒後に先取をすると、続けざまに2本上段突きが決まった。最後は相手の死角を狙って上段蹴りを決め、わずか56秒で勝利。順調な滑り出しであった。
初めての全日本だが、堂々と試合に臨む芝本
次戦の相手は関西学生個人選手権67キロ級準優勝の寺田侑真選手(大阪経済法科大)。「一歩前でフェイントかけて相手を崩して攻める」と対策を立てていたものの、接近戦となった際には相手の組手を崩すことができず上段突きを決められ、1ポイントも取れずに敗戦した。蹴り技を多く出して巻き返しを図ったが、決めきることができなかった。
1ポイントも取ることができず、悔しさをにじませる
3回戦で敗北し悔しさをにじませる芝本。しかし、これから先につながる収穫も得て「良い意味でいい試合だった」と振り返る。また「自分の組手は間違っていない」と、この全日本という大舞台で再確認をし、芝本は前を向く。前半の公式戦が終わり、次に迎えるのは団体戦シーズン。全日本での悔しさをバネに芝本は団体戦に向けてさらなる高みを目指す。また、思うように結果が出ず全日本に出場できなかった選手も夏を経て、必ずや力を上げてくるに違いない。
(記事 江藤華、写真 萩原大勝)
結果
▽男子個人組手
芝本 3回戦敗退
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コメント
芝本航矢(スポ2)
――きょうはどのような意気込みで臨みましたか
せっかく初めての全日本で、去年全日本出場できなくて悔しい思いしてやっと出れたので、もちろん出るからには優勝という思いと初めてだったので楽しみながら全日本をやろうという意気込みで臨みました。
――全日本に向けてどのような練習をしましたか
比較的にいつもやっている練習と変わらないのですが、気持ちとして全日本で勝つんだという強い気持ちで練習に臨みました。
――前回の試合から生かされたことは
前回の課題としては簡単な技で自分の不注意というか甘いところで取られることが多かったのでそこをしっかり集中するということを生かして1分、1秒全部集中する気持ちでやりました。
――初戦は1分以内に勝負を決めるといういい滑り出しでした
初戦にしては良い動き出しで自分としてもいい組手ができたなと思います。
――心がけていたことは
自分の組手を崩さないってことですね。自分の組手を崩さなければ勝てると思っていたので。
――3回戦の相手には1ポイントも取ることができませんでした
ビデオ見ながら、ユーチューブなどにも上がっていたので研究などもしていて対策としてあれだそう、これだそうと決めていたのですが、それが上手くいかなかったというか、(相手選手が)強かったですね
――1ポイントは取れるとは思いましたか
旗とか上がっていっていたりしたのですが、自分のキメの甘さというか最後の最後の甘さというのが出てしまったなと思います。
――どんな対策をしていたのでしょうか
基本的に相手は待ち拳というかカウンターの選手だったので一歩前でフェイントかけて相手を崩して攻めるという対策でした。
――敗因はなんだったのでしょうか
自分の崩し方があんまりで相手を崩しきれていなかったのでそこと、(相手選手の)接近の間合いの上手さが相手の接近の組手の上手さが優っていたのでそこかなと思います。
――昨年卒業した今尾光先輩(平30スポ卒=大阪・浪速)が応援に駆けつけていらっしゃいました
遠くからわざわざ名古屋にいらっしゃって。本当に尊敬する先輩で、わざわざ来ていただいたのに結果出せなくて悔しいです。
――試合中、声をかけられる場面もありましたが、耳に入っていましたか
はい。すごく入ってきてすごく勇気というか元気をもらいました。
――試合前の練習では吉田翔太選手(スポ1=埼玉・栄北)と練習をすることが多いですが、それはなぜですか
次の試合相手は背が高いと予想していたので、それも想定していました。また、吉田君は逆体、正体どちらもできるのでそういった意味で(一緒に練習しています)。
――前半の大会が終わりましたが、総括して一言お願いします
まだまだ、先があるので下を向かず地道に努力していかないといけないなと思います。
――これからの目標をお願いします
きょう課題が見つかって良かったです。いい意味で良い試合でしたのでこれを次に生かして、全日本団体戦で悔しさをバネに勝ちたいと思います。
――団体戦が控えていますが、そこに向けて力を入れることをお願いします
自分の組手は間違っていないと再確認できたので、きょうの接近の間合いだったり崩し方だったりを強化して自分の良いところを伸ばしていきたいと思います。