ルーキー芝本航矢(スポ1=東京・世田谷学園)の活躍が目覚ましい。入学早々から団体組手のメンバーに入ると、先日の関東大学体重別選手権では準優勝。不動のレギュラーとしてここまで充実したシーズンを送っている。一方もう一人の新人細田悠乃(社1=沖縄・開邦)は国体決勝の経験がありながら大学入学後は結果を残せず、苦しい一年となった。これからの早大空手部を担うであろう2人は全日本大学選手権という大舞台を目前にして今何を思うのかーー。
※この取材は11月7日に行われたものです。
「大学では日本一を取りたい」(芝本)
真剣な表情で目標について語る芝本
――まずは空手を始めたきっかけからお伺いしてもいいですか
芝本 そうですね、一番大きいのは兄がやってたってことですかね。最初は本当にいやいやで、親に手を引っ張られて連れられて行くって感じで。まあ、兄がやってたから、その影響でやるよーみたいな感じで。本当に最初嫌だったんですけど、やってたら楽しくなってしまって、それが空手の出会いと、はまったきっかけですね。6歳から始めて13年間やってます。これからもずっと続けてきます。
細田 自分は元々親がやっていたので。親の道場に通ってるみたいな感じでした。それを真似して始めてたので、いつからみたいな明確なものはないです。いつの間にか始めたみたいな。最初は大人達がやってるそばでやってるみたいな。そしたらこんな真似してやってるなら入れようって親がなったので、それで入って始めた感じです。でも、入ったら、やらないといけない感が嫌だったのか分からないんですけど、最初の10分やったら疲れたとか言って、あとの2時間やってなかったりとか、そんな感じでした(笑)。
芝本 最初はそうだよね。嫌だもんね。
細田 あの時一生分サボった気はしてる(笑)。
――その分今はまじめにという感じですか
細田 航矢とかは小学生の時もすごい活躍してる感じだったんですけど、自分は小学生の時も初戦敗退とかだったので、すぐ帰ってくるみたいな感じだったんです。でも、中学生の時、たまたまくじ運が良くて全国への派遣が取れて、もしかしたら、自分も行けるんじゃないかって思い始めた瞬間、すごく楽しみ始めましたね。
――ここまでの空手を振り返って、どうですか
芝本 やっぱり日本一狙ってたので1度も取れなくて悔しいって気持ちは残ってます。高校の時は個人も団体もベスト8までで1回もメダル取れなかったし、決勝のコートも立てなかったし、やっぱりそれがずっと悔い残ってて。大学では日本一を取りたいって思ってます。
細田 自分は高校は部活が盛んじゃなくて、どっちかというと勉強勉強みたいな感じの学校にいて。元々学校に空手部がなくて、先生に場所を借りれませんかって感じで創部したみたいな感じになりました。それで始めたんですけど、基本は部活が終わったあと、道場行っていうのをやっててました。けど、なんていうか勝ち感がないところにいたので、モチベーションを保つのが難しくて。でも、道場は結構ガツガツしていたので、そこにいることによって、日本一取ろうっていうモチベは続いたかなって感じです。
――進学先に早稲田を選んだ理由をお聞かせください
芝本 やっぱり入りたいと思ったのは、憧れの先輩方が上にいたからです、ああいう先輩方と一緒に日本一目指して練習して、一緒に合宿とか生活して色んなものを吸収したいな、一緒に空手やりたいなって思ったのが、早稲田に入る理由、きっかけです。
細田 自分は言いにくいんですけど、空手とか全然関係なくて、元々はお金とか考えて国立行こうと思ってました。やりたいことがなくて、高3まで理転とか文転とかしてずっと迷ってて。そんな時早稲田にオープンキャンパス調べてて社会科学部っていうなんでも揃ってる学部を見つけました。これって国立ではほんとなくて、私立に目を向けてみた時にやりたいことないなら、ここにしようと思いました。
芝本 それで入れるってすげえよな。評定って何だったの。
細田 評定はえっとー、総合では4.5。
芝本 やっば、桁が違うわ(笑)。
――社会科学部に入ってやることは見つかりましたか
細田 今は結構メディア関係が面白いなと思ってて、ゼミも空間映像研究っていうところを志望してます。そこは結構映像作成するのでそういうとこに進みたいなと考えています。
――ここまで過ごして空手部の印象はどうですか
芝本 結構難しいですね、難しいっていうか、何かぱっと答えられない。でも凄い楽しいです。すごい空手に集中できる環境にあるなって思って。常に空手を考えられる時間もたくさんあるなって思います。高校とは違って監督とか厳しめで、縛られてた空気もあり、厳しい環境であったんですが、ここでは自分達がメニューを考えたりするんで、自分がやりたいメニューとか自分が伸ばしたい技術を伸ばせるから。しかも、怖いからっていうのもないので、自分達で意見を出し合ったりして凄いやりやすい環境でもあるし、すごい自分がやりたいことをすごい集中できる環境ですごくいいなと思います。
細田 自分はちゃんとした部活っていう形態は初めてなんですけど、上下関係はありながらも、今の4年生の先輩方の色ではあると思うんですけど、ただきついだけじゃなくて今の練習にどういう意味があるか、何が目的なのかっていうことを考えながらやる部活だなぁって思います。組手は別なんでわかんないんですけど、型は後輩から先輩にこうした方がいいんじゃないかっていう意見が言える環境というか航矢が言ったように、やりやすい環境です。
芝本 後輩からも意見言えるよね、もちろん先輩からも言って頂けるし。
――芝本選手は国際大会スペインとカナダに行っていましたが、何か学べたことなどはありましたか
芝本 スペインは優勝したんですが、久々の外国人との試合だったので身体の動きとか組手のリラックスさとか日本とは全然違くて、やっぱりそこから学べることが多かったです。それを日本で取り入れたら、日本人に対して勝ちやすくなったので、外人の動きとか真似したら結構いい経験になったと思います。カナダの方は個人戦は2位だったんですけど、カナダのナショナルチームに負けちゃったんですけどやっぱり全然スピードが違くて、狙い所も長いんですよね。負けてしまったその人は相手が気を抜いたところをスパーンとノーモーションでついてくるので、反応できないですね。ビデオで研究して、このタイミングで入ってんなっていう。カナダのナショナルチームは他の外国人に比べても全然レベルが違ったので、いい経験になりました。
「(芝本の第一印象は)あんましゃべんないなって(笑)。」(細田)
第一印象の話題で盛り上がる2人
――オフの日何をして過ごしていますか
芝本 オフは家でゆっくり体を休めるか、最近は家族とか兄とかと買い物行ったり映画行きますね。学校の友達とはまだ1回も遊んでないですね(笑)。減量終わったら遊ぼうと思ってます。
細田 自分は最近試合が近いんで、近くの武道場で練習するか、午前中は練習します。午後は自分は寮に住んでるんで、学校の友達と前もって連絡するとかじゃなくて、その場で暇な人がいるので今遊びに行こうみたいな流れで遊びに行ったりします。散歩したりとか、ショッピングモール行ったりとかします。この前歩いたら、いつの間にか沼袋行って(笑)。ただ歩いただけなんですけど(笑)。あとはカラオケとか行ったりもしますね。
――映画を観に行くと、何を観ますか
芝本 ポケモン見に行きましたね。あと、コナン見ました。
細田 私は一番最近は美女と野獣ですかね。映画はちょっとお金かかっちゃうんであまり行かないです。
――誰と遊ぶことが多いですか
芝本 家族ですね(笑)。
細田 自分は寮の友達が多いですね。
――細田選手は一人暮らしということですが、料理はどうされてますか
細田 自分は朝と夜が出るところにいるので、あまり料理とかはしなくても大丈夫です。あ、でも昼は今の時間割が午後から行ったりすることが多いので、自分で作ったりします。
芝本 何作るの。
細田 弁当の時はご飯ハンバーグほうれん草のおひたし、人参とピーマンの炒め物とかかな。キャベツの千切りをハンバーグの下において、ハンバーグは牛肉が高いから、豚肉で作ったりしてます。
芝本俺もやろうかな。カレーしか作れない(笑)。
細田 カレー作れるなら十分(笑)。
芝本 おっし(笑)。
――お互いの第一印象はどうでしたか
芝本 第一、俺は分かりやすそうですね(笑)。人見知りっていうか。
細田 人見知りとは、まあ喋れないかなとは思った。あんま喋んないなっていう(笑)。
芝本 悠乃どうだったっけな。
細田 でも、それちょっと前聞いた時、最初に会った時どんなこと思ったって聞いたら、沖縄っぽいって思ったって言われました(笑)。
芝本 言ったわ(笑)。
細田 なんか顔が沖縄って思ったって(笑)。
芝本 あ、言ったわ(笑)。沖縄っていう先入観が強かったかもしれないですね。
――芝本選手への印象は
細田 なんか空手のことしか考えてないっていう印象がありました。
芝本 それ大事だよ!?(笑)。
細田 あんまり喋らないから、ずっと空手みたいな(笑)。世田(世田谷学園)だし。
――関わっていくうえで何か変わりましたか
芝本 やっぱり真面目ですよね。真面目だし、仕事とかも結構やってくれるので、すごい助かります。すごいテキパキしてるから、俺が全然気づかないところとかもう気配りも凄いので、自分の心も余裕できるし助かります。
細田 おお、なんか嬉しい。めずらしく褒められた(笑)。
――細田選手はいかがですか
細田 やっぱり空手にすごい真剣だっていう。そこはあまり変わってませんが、その印象はいまだにあります。オフの時も高校行って練習行くとか。自主練とかならわかるんですけど、高校入ってバチバチの練習って。土曜日とかも練習行って、また練習行くとか。空手バカって感じですね(笑)。
――同期は一年生2人ということですが
芝本 実はいるんですよ。
細田 はい、入ったんです。中国人の方で。
芝本 確か1ヶ月前ぐらいですかね。理工学部の方で授業パンパンに入ってて、金曜と土曜にしか来れないんですけれど、空手全然やってなくて、初心者の方で、空手の礼儀を知りたいって言って入りました。
――夏合宿を振り返っていかがですか
芝本 正直言ってきつかったですね。でも、せっかくやるんだから、少しでも強くなろうと思ってて。雑用とか色々あったけど、練習になったらそんなの関係ないので、練習は1回も手を抜かずにやりましたね。夏休みはきついものなので(笑)。成果っていうのはすごく感じてて、大会でも思うんですけど、夏合宿を乗り越えたんだからこんなところでは負けないっていう心の支えにはすごくなりました。
細田 きつかったですね(笑)。
芝本 2人だったからね。
細田 その時まだ2人で、3つぐらい係があるんです。基本的に洗濯、ジャグ、食事ですかね。普通は洗濯行ってる間に誰かが食事とかやるんですけど2人で、しかも女子男子なので、とにかく洗濯1回全部バーッてやって、食事もバーってやってって言う(笑)。2年生の先輩とかにも結構手伝っていただいて。また、主将がかなり気を使ってくださいましたね。ありがたかったです。4年生だからあまり手伝うというのはなかったですけど、なんか練習の合間とか、あと少しだから頑張ってとかちょっとした声かけがほんと、支えになったよね。
芝本 支えになった。先輩方も俺らが辛いことをわかってて声かけてくださってるから。わかってくれてるんだなってのがわかるだけでも全然違いますね。
細田 違います。
芝本 気遣いが本当にかっこいいです。
細田 かっこいい。先輩方本当にかっこいいです。
芝本 神様、仏様ですよ。まじでかっこいいです。
――夏合宿、伝統行事的なものはあるんですか
芝本 一発芸ありましたね。2人で。
細田 そうですね、2人で。夏合宿最終日の夜に1年生で出し物を。
芝本 なんでもいいんですけど、自分たちはイエスフォーリンラブを。短めの選んで、打ち合わせしてやったら、結構盛り上がりましたね。
細田 盛り上がったね。
芝本 受けて良かったみたいな(笑)。
細田 結構ノリノリでやってたよね。
芝本 まぁね。こういうのはノリを大事にしないと。
細田 あと一昨年ぐらいまでは千本突きじゃなくて、一時間騎馬立ちとか、100回形とかあったらしいです。
芝本 伝統だったんですけど、強くなるための練習、中身重視という今の4年生の考えで無くなりました。
――辛かったことや楽しかったことは
芝本 やっぱ負けることですね。団体戦とか今年しか組めないチームで、勝てなかったっていうのはすごく心残りですし、憧れの先輩方とやるために大学入って勝つために練習してるので、やっぱりすごい悔しかったですね。先輩方の足を引っ張りたくないから、オフの日とか練習しますし、午後からも練習しますし、そういう悔しい思いを絶対したくないので。嬉しかったことは、試合勝ったことです(笑)。
細田 だよね、そうなるよね(笑)。辛いこととか嬉しいこととか、そうなっちゃうよね。
細田 やっぱり悔しいことがあるから嬉しいことが倍に跳ね返ってくるんで。勝てたら本当に嬉しいですね。きついことやってきたし、夏合宿きついことやってきたので、それで勝つと、今までの練習は間違いじゃなかったとか、悔しい思いして悩んだりしたけどああいう時間は大切だったとか、改めてあれがあったから勝ったんだって振り返れるし、そういうのも含めて勝つっていうのは嬉しいですね。
細田 練習はきついんですけど、辛いんじゃなくて。辛いって言ったら負けることですよね。自分は道場とかで刺激もらってるってさっき言いましたけど、先輩方も本当世界とかすごい方々がいて、その練習前から常にピリピリしてるっていうかっていう環境でやってて。部活は仲間っていうか勝ちは意識してるんですけれども和気あいあいとやってて。同期が2人だけなので沖縄から1人で来て、全然慣れない状況で、前期の試合とかそこまでモチベが高くなかったんですよ。でも、当たり前なんですけど、予選で負けてしまった時に、負けた時は普通だったんですけど、帰ってきたらすっごい悔しくて自分勝ちたかったんだなって、その時初めて思って。そんなことがあったから、練習では絶対に手を抜かないです。嬉しいことは、試合に勝ってないので、まだあまりないですね。勝ちたくて、やってるので。特に1回高校で全国の決勝の舞台を一回経験しちゃうと、負けちゃうとちょっと違うなっていう物足りないところがありますね。
――先輩方の印象をお聞かせください
芝本 神様、仏様ですね。
細田 (笑)。
芝本 試合とかで負けた時も何やってんだとかじゃなくて、でも次を見据えてまた次から頑張っていこうって言うだけじゃなく、ビデオを見せてくれて、ここをこうしたらいいみたいなアドバイスをくださって、俺が調子悪いなって時も、凄い的確なアドバイスをしてくれます。これを元に、自分で研究して。だから、自分にとって先輩は改めて欠かせない存在なんだなって実感しました。もっと言いたいんですけど、うまく言えないんですよね(笑)。神様なんですよ(笑)。
――細田選手はどうですか
細田 4年生の先輩は形の選手がいないので、練習中はあまり関わりがないのですが、見てくださった時はアドバイスとかしてくださって、流派とかも違うのに、勝つためにいろいろな立場からアドバイスをしてくださいます。何かやっぱり上手く言えませんね。年が3歳しか離れてないとは思えないです(笑)。
芝本 なんだろうな。一個一個の言葉とか行動とかすごい自分の支えになる時もあるし一生ついていきたいみたいな。
細田 先輩って普通なんか理不尽な事も言ったりすることもあると思うんですけど、そういうこともなくて。
芝本 ホントにいい先輩なんですよ。本当に尊敬してます。自分の目標とする先輩です。ああいう先輩を見て勉強して自分がその立場になった時、同じような、またそれを超えられるような人になりたいです。神様ですね(笑)。
細田 めっちゃ使うね、そのワード(笑)。
芝本 だってやばくない?
細田 やばいと思う。
――末廣主将についてどう思いますか
細田 それこそ神ですね(笑)。
芝本 トップオブ神です。
細田 本当に主将という言葉が一番似合う。
芝本 それは本当に思います。
細田 チームをまとめるけど、命令とか上からじゃなくてみんな仲良くするっていうか。本人が強くて、部員全員をちゃんと見てくれてるっていうのが本当にすごいと思います。
芝本 めちゃくちゃ強い。それで気配りとか思いやりとかも凄いありますし、メニューの作り方とか方針も凄い的確でカリスマ性っていうのかな。
細田 自分たちが上がろう、選手たち一人一人が上がろうっていうのは分かるんですけど、それを他人までやらせようっていう気にさせるのはできるようで難しいので。
芝本 主将は世田高(世田谷学園)の先輩だからちょっとビビってるとこもあるけど(笑)。でも全然怖いとかじゃなくって。すごい優しいよね。
細田 優しいっていうか、紳士ですね。連絡のやり取りとかしてる内容を読んでる時にお母さんが来て、すごい紳士的だねって言われました(笑)。
――何かエピソードなどありますか
細田 夏オフ明けての練習、自分ちょっと帰省してて行けなかったんです。親戚付き合いとか色々あって。どうしても最初の練習に行けなくて、練習に行けないって部活やってるんで良くないじゃないですか。先輩にいろいろ怒られるんじゃないかと思って、本当に板挟みっていう状況で。とりあえず主将に言おうと思って言ったら、状況はわかったみたいな凄いかっこいい返信が来て。その瞬間安心しましたね。
芝本 何て言うんですかね。気持ちとか状況とかを凄い思ってくれる人で。自分の心の負担とかも全然ないっていう。
細田 本当にすごいよね。
「正直悔いしか残ってない」(細田)
今シーズンを振り返る細田
――これまでの試合を振り返って、個人、団体それぞれいかがでしたか
細田 自分は正直悔いしか残ってないです。
芝本 1回しかないもんね、まだ。
細田 2回かな、国体予選と学生かな。さっきも言ったんですけど、前期で色々慣れなくて気持ちが追いつかないってところがあって悔いしかないですね。形って予選の形、決勝の形といくつか練習するんですけど、負けちゃったら一個しか使わないんですよ。せっかく形の練習しても全く意味がなかったってなっちゃうんですよ。だからせっかく練習してきたのに試合に出せないっていうのが悔しかったですね。
――芝本選手はどうでしたか
芝本 まだ1回も優勝してないことですかね。団体戦も東日本ベスト8、関東も2回戦負けだったので、団体で結果残してないので、個人よりも団体で勝ちたいという思いがありますね。早稲田として勝ちたいので。個人もこの前体重別で2位だったんですが、それも決勝で、残り1秒とか2秒で逆転負けしてしまって。やっぱり優勝と準優勝って天と地の差があると思ってるので、そういうあとちょっとで優勝逃すってことは絶対にしたくないですね。ひとつひとつの試合を大事にして、今この時は今しかこないから、そういう一瞬ひとつひとつを大事にしたいと思っています。
――細田選手は国体予選を振り返っていかがですか
細田 自分は地元沖縄の方からの参加なんですけど、全然形自体は悪くなかったんですけど結構序盤で負けてしまったので、全然形が使えませんでした。自分は得意形が後々やる方の方がうまくいくので自分の持ち味、自分が練習したことが全然出せなかったっていうのが、悔しかったですね。
――ことしの自分に点数をつけるなら、何点ですか
芝本 60点ですかね。半分より上って評価したのは負けても諦めないで、ずっと考えて、研究して、それで調子悪いとか思った時も、自分で自分を奮い立たせて勝たないといけないっていう強い気持ちで。自分から出稽古行ったり、高校行ったり、自分自身で触れては自分で自分を評価する所ですね。やっぱりそれでも勝ててないってことはまだまだ練習が足りないなので、そこが80、90、100っていってないことですね。やっぱ結果がすべてなので、そこで結果出せてないって理由で60ということですね。
細田 自分は40ですかね。どんなに頑張っても40ですね。重複しちゃうんですけど今までの前期とか練習で1回も手抜いたことないっていうのは評価してもいいんです。けど、結果に結び付かないっていうのはダメなんで、練習してる過程も大事だと思うんですけど、もちろんその時は勝っても負けてもこれでいいと思って試合に臨むし、練習をやってきたんだと思って臨むんですけど、なんだかんだ結果を求めてやってるので。結果が出ないなら練習は自己満足で終わってるだけなんで。結果出してないのに半分以上の点はあげられないですね。
芝本 やっぱり結果は求めてるからね。
細田 勝ちたい、やっぱ勝ちたいよ。
芝本 勝ちたいよな。
――全日本に向けてどのような意気込みですか
芝本 ガツガツです。今まで以上に手を抜かないことはもちろん、質の高い練習や内容の濃い練習を。練習を増やして、内容も濃くしてます。先輩方と組める最後の試合だから、なんとしてでも勝ちたいです。
――細田選手は
全日本のメンバーではないので、今年はないですね。でも、プレミアリーグっていう沖縄でやるやつがあるんですけど、そちらに出場します。その大会が全日本の1週間後なんですけど。航矢も出るんですよ。
芝本 そうなんですよ、だから早慶戦出れないんですよね。
細田 はい、申し訳ないんですけど。オリンピックにもつながるランキング大会なので。
芝本 都から推薦していただいて、ちょっと早慶戦どうするかっていうのがあったんですけど、監督とかコーチ、先輩方の了承を得て出していただくことになりました。
――では最後に今後の意気込みをお聞かせください
芝本 もちろん日本一、これですね。先輩方と組める最後の団体戦なので。やっぱり悔いを残したくないです。今の練習を全て出し切って。でも、やっぱり技術も大事だけど、やっぱり勝ちたいっていう気持ちが強い方が絶対勝つんで。気力に勝る技術なしっていうのを全面に出して取りに行きたいです。
――細田選手は
細田 日本一ですね。大学入ってから結果残せてなくて、日本一とかってあるかもしれないですが、言って逃げをなくさないと。言い訳をしないようにしないとできないので。関東から勝ち抜いて関東から代表になるだけでもすごく難しいんですけど、逆にここで勝てば日本一は全然夢じゃないので。自分はまだ全然体づくり、技、スピードなど足りないことが多いですが、すべて高めていって、悔いの残らないようにしたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 千葉洋介、萩原大勝)
それぞれの空手に対する思いを書いていただきました!
◆芝本航矢(しばもと・こうや)(※写真右)
1998(平10)年8月10日生まれ。172センチ。61キロ。東京・世田谷学園高出身。スポーツ科学部1年。細田選手から「空手バカ」と称されるほど空手に真剣に向き合っている芝本選手。その尽きない向上心で早大を高みへ導いてくれるはずです!
◆細田悠乃(ほそだ・はるの)(※写真左)
1999(平11)年3月11日生まれ。153センチ。沖縄・開邦高出身。社会科学部1年。対談前の練習では一人で黙々と練習を重ねる姿が印象的だった細田選手。ここまでの悔しさをバネにした今後の活躍に期待です!