全国各地の猛者たちが一同に武道館に集った。大学空手の最高峰・全日本大学選手権(全日本)。どの大学の選手も一年間この舞台を目指して鍛錬を重ねてきた。ことしで60回を数える記念大会ということもあり、参加校が大幅に増加した今大会。早大からは男子団体組手、女子団体組手、男子団体形が出場した。男子団体形は予選敗退、女子団体組手は2回戦敗退に終わったが、男子団体組手は2回戦を突破し、大会2日目へ進んだ。
※大会2日目を含めた男子団体組手の結果は別の記事で扱います。
★西日本の実力校の前に2回戦敗退/女子団体組手
0-6で敗れた大将の渡邊
昨年の全日本と同じメンバーで臨んだ女子団体組手は1回戦を2-1で突破すると、2回戦で宮崎産業経営大と対戦した。中村朱里(スポ2=愛知・旭丘)に背中を押され、先鋒として挑んだ越間菜乃(教3=島根・石見智翠館)は幸先良く上段突きで先制する。しかし、「守りたいという思いから下がってしまった」と語るように、試合時間残り30秒から連続で技を決められ、この試合を落としてしまう。何としてでも勝ちたいエースの中村も残り1秒からの失点でまさかの引き分けに終わる。チームの命運は大将の渡邊仁美(社2=東京・雙葉)に託されたが、コートを動き回る相手に終始狙いを定められないまま6点差をつけられ敗北。大会初日で姿を消すこととなった。チームとしては2度勝機があっただけに悔しい敗戦と言えるだろう。早大の女子組手は4年生がいないため、今後もこの布陣で戦うことが予想される。来年こそはこの舞台での成長した3人の躍進に期待したい。
(記事 萩原大勝、写真 尾澤琴美)
★初の全国舞台に早津「後悔はない」/男子団体形
左から鈴木、早津、佐川。三人で打つ形もこれが最後となった
午前に予定された団体組手の1、2回戦を終えると、試合は形の予選へと移る。早大の男子団体形は最上級生の早津陸(先理4=東京・世田谷学園)を中心に佐川開人(商1=埼玉・早大本庄)、鈴木捷太(スポ1=群馬・太田)の3人が出場。このメンバーで打つ最後の『燕飛(エンピ)』を披露した。得点は21・45。これまでよりも力強さが感じられ、意識的に練習してきた緩急の面も悪くなかったが、緊張もあって全体の動きにバラつきがあったという。初めて臨む全日本の雰囲気にのまれ、もうひとつ得点が伸びなかった。それでも早津は「思い切って形を打てたかな」。4年生にとっては最後の大会で持てる力を出し切った思いがあったのだろう。来年の男子形はこの日に出場した二人に谷口輝(スポ1=早稲田佐賀)を加えた3人が残る。これまで同様に若い顔ぶれになるが、予選敗退に終わった今大会の経験を糧に、もう一度この舞台に戻って来てみせる。
(記事 郡司幸耀、写真 渡辺新平)
結果
▽女子団体組手
1回戦 早大○2-0大阪大
2回戦 早大●0-2宮崎産業経営大
▽男子団体形
予選敗退(得点 21・45)
コメント
早津陸(先理4=東京・世田谷学園)
――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
初めての全日本(全日本大学選手権)だったので、全員舞い上がっている部分はありました。それでもおのおの思い切って形を打てたかなと。形自体に後悔はないですね。
――21・45点という点数をどのように受け止めていますか
思ったより全然出なかったなというのは正直あります。一応、7・3平均で出せればまずはいいかなと思っていたところで7・15平均だったので、思うような結果ではなかったですね。
――点数が伸びなかった原因は何でしょうか
ばらけた部分もありましたし、全員ちょっと上がっていたというのが一番大きかったと思います。
――緩急に関してはいかがでしたか
そこは意識しながらずっと練習をしてきたので、悪かったとは思いません。
――改めて全日本の舞台を振り返ってみていかがですか
関東とはまた違った緊張感というか雰囲気はありました。初めての全日本だったので、のみ込まれている部分は3人ともありました。
――最後の試合となる早慶定期戦に向けて、意気込みをお聞かせください
去年の早慶戦から一年間は形しかやってきていなかったので、あと1週間ですがしっかりと組手を練習してメンバーに入り、最後の試合を勝ちで締めくくりたいなと思います。
越間菜乃(教3=島根・石見智翠館)
――どのような意気込みで臨まれましたか
きょうは2回戦までだったので、明日に残りたいなという気持ちで挑みました。
――先鋒が越間選手でいつもと違う並びでしたが、何か狙いがあったのですか
主将(末廣哲彦、スポ4=東京・世田谷学園)や監督(福田聡、昭54政経卒)、先輩方が来てくださっていて、自分が勝たないとチームとして勝てないから先鋒で勝ってこいと言われていたので、そういう並びになりました。
――1回戦を振り返って
初戦だったので体をしっかり動かして、絶対に負けてはいけない試合だったので思いきって臨みました。
――2回戦は終盤に一気に技を決められての敗戦となりましたが、振り返っていかがですか
先制したところまでは前へ前へと思っていた通り出来ていたので相手にも点を取られず先制できたんですけど、残り30秒あたりで守りたいって思いから下がってしまって手も出なくなってしまったので、そのせいでどんどん点を取られてしまいました。自分は後ろで守るというよりも前へ出て守らないといけないなと反省しました。
――来週に控える早慶戦、そして来年の全日本へ向けての意気込みをお願いします
早慶戦は2年連続で負けているので、今年こそは絶対に勝ちたいです。来年は最高学年になるので、このチームでやる3年目の集大成として絶対に良い結果を残したいです。