4連覇達成!アメリカ代表への切符をつかんだ國米

空手

 7月17~19 日、アメリカのフロリダ州でUSA NKF Nationalsが開催された。この大会はナショナルチームに入るための予選であり、2位以内に入賞すればアメリカ代表の資格が得られる。4連覇がかかった今大会で、女子形の優勝の座を勝ち取ったのは、國米桜(国際コミュニケーション研究科1=京都・同志社大)であった。社会人でなく学生としての道を選び、ことしも無事ナショナルチームに選ばれた國米は、今何を思うのか――。

 14歳からアメリカ代表だったという國米。2010年にシニアチームの予選で初優勝を飾り、翌年は優勝は逃したものの2位、2012年からはトップの座を守り続けていた。そして2015年、ナショナルチーム経験者のプライドをかけ試合に挑む。初戦はクルルンファ、3回戦はアーナン、そして決勝ではスーパーリンペイを披露。「練習をきちんとやっていれば不安はないタイプ」という國米は、自信も気合も十分に臨んだ。海外の大会では体格差がカベとなりそうだが、「あまり気にしたことはない」と語る。小柄であっても、他の得意とするところでカバーするのだそうだ。自身の持ち味であるスピードと力強さで圧倒し、見事優勝。4連覇を成し遂げた。

真剣な表情でパープーレンを披露する國米

 「今の時点でトップに立ててほっとしている」と、國米は喜ぶというよりも安堵(あんど)の表情を浮かべていた。2012年の世界大会で3位、世界ランク5位の成績を持つ國米は「ここは通過点であり、この優勝は最低限だった」と語る。ナショナルチームに入ってからがスタートなのだ。また、ジュニアチームから上がってきた若い勢力に負けないよう、自分なりに仕上げてきた形が打てるように、その差を見せられるように基礎練習や筋トレに重点を置いてきた。自身が通う鳥取の道場では1日に10時間も練習することもあったという。ここにも世界ランク保持者のプライドをのぞかせた。

貫録のある演武でことしも優勝を勝ち取った

 連覇を達成してもその結果に甘んじることなく、國米は既に次の試合を見据えている。10月にオーストリアで行われるオープン試合だ。上位者にランキングのポイントが加算される。そして来年の10月には、2年に一度の世界大会が開催される予定だ。「この大会に照準を合わせて試合をこなしていく」と今後の意気込みを口にした。東京五輪の種目の候補として挙げられている空手。國米が世界にその名を馳せる日もそう遠くないかもしれない。

(記事 三田侑実、写真 Geraldo De Paula氏の提供)

※この取材は9月7日に行われたものです

表彰台で安堵(あんど)の笑みを浮かべる國米