今尾が大学デビュー戦で初優勝!

空手

 期待のルーキーが鮮烈デビューだ。4月13日、第24回東京六大学選手権が東大駒場キャンパスの御殿下記念館で行われた。団体戦と個人戦を戦う今大会。前年度は勝ち点の差でわずかに法大に届かず苦汁をなめさせられたワセダは、挑戦者としての立場で挑んだ。団体戦では今尾光(スポ1=大阪・浪速)、末廣祥彦(スポ1=東京・世田谷学園)の1年生コンビが確実にチームに勝ち点をもたらし、勝利を重ねていく。アクシデントもあり法大には敗れたものの、4勝1敗で2位となった。また、個人戦でもこの2人が躍動。今尾は大学デビュー戦で見事初優勝を飾った。

 6校の総当たり戦で行われる団体競技。先鋒の末廣祥や次鋒の今尾をはじめ、チーム全体が積極的に攻める試合運びを見せる。東大、明大に相次いで勝利すると、続く慶大も3−2で撃破。このまま波に乗り優勝まで突き進めるかと思われたが、やはり前回覇者のカベは厚かった。法大戦では白星を奪うことができず、また大将戦で薬師寺拓哉主将(商4=東福岡)が耳を負傷するアクシデントにも見舞われる。大黒柱を欠いた最後の立大戦だったが、末廣祥、今尾、末廣哲彦(スポ2=東京・世田谷学園)の3選手が勝利。全体では4勝1敗となり、法大に次ぐ2位につけた。

下級生ながらチームに勢いを与えた末廣祥

 昼休憩をはさんだ後に行われた個人戦には、各大学5選手ずつが出場。早大の選手では末廣祥、今尾の2人が初戦を突破した。準々決勝は両者それぞれの試合とも白熱した戦いとなり、延長戦へと持ち込まれる。末廣祥は上段突きを決められ、1点差で惜敗。一方、今尾は接戦を制して順調に駒を進めた。迎えた決勝の相手は同じくルーキーの明大・中野力斗。序盤に一本を奪われ、3点ビハインドの苦しい展開となる。途中1点を返すも、以降は点の入らない緊迫した状況が続き、残り15秒。沈黙を打ち破ったのは、今尾の鮮やかな上段蹴りだった。試合終了直前に逆転の一本。会場中を沸かせる劇的な勝利で優勝を決めた。

逆転勝利で男子個人組手を制した今尾

  新入部員が加わったことで、チームも「とてもいい雰囲気になってきている」と語る薬師寺主将。今大会での活躍もあり、ルーキーたちにはさらに期待の眼差しが注がれることだろう。「それを重荷と感じず、また今尾と一緒に頑張っていきたい」(末廣祥)。さらにパワーアップした早大空手部の戦いから、今季も目が離せない。

★形演武、女子団体組手でも存在感を発揮

女子団体組手に出場したルーキー越間

組手だけではなく、形演武も行われた今大会。早大からは早津陸(先理2=東京・世田谷学園)が代表としてカンクウダイを披露し、迫力ある演技で会場を魅了した。また、女子の団体組手も東大と法大に勝利しその存在感を発揮。「どんどん相手に向かっていく」という積極的な空手が持ち味の越間菜乃(教1=島根・石見智翠館)も加わり、そのさらなる飛躍に期待がかかる。

(記事 芦沢仁美、写真 加藤万理子)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。

結果

▽男子団体組手

早大 2位

▽男子個人組手

今尾 優勝

末廣祥 ベスト8

(上位入賞者のみ掲載)

コメント

薬師寺拓哉主将(商4=東福岡)

ーー主将として初めての大会でしたが、どのような気持ちで臨まれましたか

本当に優秀な後輩たちがたくさん入りましたが、それでも4年生として主将として安心感を与えられるように、「主将が後ろにいるから大丈夫だ」と思ってもらえるような試合をしなければならないなと思いながら試合に臨みました。

ーーきょうの団体戦を振り返っていかがですか

あれだけ強い後輩がいても大将まで勝負がもつれ込むのか、というのが正直な感想です。僕自身は落ち着いて試合運びもできたと思いますし、取るべきところをしっかり取って、ポカをしない試合ができました。無理をせずに堅く勝ちを取りに行かなければならないポジションなので、それを自覚した試合運びができたかなと思います。

ーー1年生も加わり、チームの雰囲気は変わりましたか

強いのはもちろんのこと、人数が9人も増えたので。声も大きくなりましたし、とてもいい雰囲気になってきています。

ーー今季の目標を教えてください

チーム丸山の結果を越えよう、と。追いつけ追い越せではないですが、それを越えることが今季の目標です。

末廣祥彦(スポ1=東京・世田谷学園)

ーー大学に入学してから初めての試合でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

大学と高校の組手は全然違うので、最初はポイントを取れるか不安だったのですが、先輩が後ろにいるので気楽にとりあえず自分にできることをやろうと思って。思い切って攻めて行ったらポイントも取れたので、結果的には良かったと思います。

ーー団体戦を振り返っていかがですか

法大と1位2位を争うという大事なところで負けてしまったので、東日本や関東の大会で勝ち上がっていくためには負けない空手をしなければならないなと。先輩方が後ろにいるけれど、僕自身も負けない空手を、せめて引き分け以上の試合をしてチームに勢いを与えられれば先鋒としての役割を果たせると思うので、そこは伸ばしていきたいと思います。

ーー個人戦にはどのような感想を持ちましたか

同期の今尾(光、スポ1=大阪・浪速)が決勝で戦っているのを目の当たりにすると、自分はそんなにいい試合ではなかったので。これから先輩方にアドバイスを伺って、大学の空手というのがどういうものかというのを確認し、自分の技を磨きつつ新たな技も身につけていきたいと思います。たくさん期待もしていただいているので、それを重荷と感じず、また今尾と一緒に頑張っていきたいと思います。

ーー大学空手生活での目標があれば教えてください

うまく自分の管理ができればなと。空手も、勉学も。自己管理をしっかりとやっていきたいなと思います。両立している先輩方を見ているので、自分も文武両道で頑張っていきたいです。

今尾光(スポ1=大阪・浪速)

ーー大学に入学してから初めての試合でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

初めての大学での団体競技を楽しもう、と。最初は緊張してなかなか慣れなかったのですが、その中でも楽しんでできたので良かったです。

ーー団体戦を振り返っていかがですか

全体的に見て、自分としてはあまり良くなかったと思っていたので。次の団体戦のときには先輩方に貢献できるようにしっかり仕事をしていきたいと思います。

ーー個人戦では優勝されました

振り返って、良かったなとは思っているのですが。また個人戦の公式戦も控えていて、そこで勝たないと意味がないと思っているので、そこで自分の力が発揮できるようにしっかりやっていきたいと思います。

ーー大学空手生活の目標を教えてください

遊ぶことも大切に、文武両道をしっかりやっていきたいと思います。

越間菜乃(教1=島根・石見智翠館)

——大学に入って初めての試合でしたが、いかがでしたか

すごく緊張してしまって思うように点が取れなくて、不甲斐ないなという感じでした。

——ワセダの空手部に入部した経緯を教えてください

学部が教育学部で、教育学部に入りたいというのもあったんですけど、いままで部活で空手をやったことがなくていままで道場だったので、部活としてやりたいと思いました。ワセダの空手は高校生の時に一回体験させてもらったんですけど、すごく雰囲気が好きだったので、ここでやりたいなと思って入りました。

——練習には慣れましたか

1週間くらい経ったんですけど、体力的には大分きついです。でも先輩方もすごく優しく接してくださって、充実した練習ができていると思います。

——自分の空手の持ち味は何ですか

組手で前に出るという、後ろに下がらずにどんどん相手に向かっていくというのが自分の良いところだと思います。

——きょう見つかった課題は何ですか

高校までと大学に入ってからだとルールが違ったりして、点の取り方も違うので、きょうはいろんな先輩にいろんなアドバイスをもらったので今度からそれを気をつけていきたいなと思います。

——最後にことし1年の目標をお願いします

団体戦に出させてもらうので、全日本大学選手権や関東大学選手権などで組手の団体戦で、先輩方と一緒に頑張っていきたいなと思います。