練習に密着!

空手
対人の練習で、部員1人1人に丁寧な指導をする丸山主将

対人の練習で、部員1人1人に丁寧な指導をする丸山主将

 夏の厳しい合宿を乗り越えた早大空手部。4年生は引退まで残り2カ月を切った。秋のシーズンが差し迫る中、チームはどのような練習をしているのだろうか。

 空手は、組手と形の二種目に分かれた競技である。組手は向かい合う相手の頸部(けいぶ)や腹部など正確な部位へ攻撃し、残心やタイミングなどを基準に得点方式で行われる。一方、形は決められた技を順に演武し、リズムや技の緩急などを基準に採点形式で行われる。

 練習は組手メンバー、形メンバーに分かれて行われた。組手メンバーはまず体力作りの一貫として、構えを保ちながら前後左右に足を動かす練習やシャドーを行った。シャドーでは、徐々にスピードを上げて追い込んでいく。苦しい中でも丸山政宏主将(社4=東京・世田谷学園)ら4年生が中心となって場を盛り上げ、部員たちは皆元気よく集中して取り組んだ。その後、防具をつけて打ち込み、目慣らし、スパーリングという実践的な練習に入る。対人になり試合時の感覚を養うとともに、個々の癖を共有し技術の向上に努めた。

女子団体形メンバーは呼吸を合わせ、練習に取り組んでいる

女子団体形メンバーは呼吸を合わせ、練習に取り組んでいる

 一方、形メンバーの柴崎暢子(社4=東京・八雲学園)、上杉ユミ(スポ3=東京・八雲学園)、小林暖乃(人2=神奈川・山手学院)、大木梨花(スポ1=東京・八雲学園)は移動基本に専念した。力強い技を体得するため、形の一部分をひたすら反復。突きの軌道などを念入りに確認した。また、両端に上級生の柴崎と上杉が着いて全体にも目を配るなど、チームワークは抜群。女子団体形を組んで2年目のことしは、きょねん収めた関東大学選手権ベスト4以上の成績を期待したい。

 「どうせなら楽しくやりたい」(丸山)。その言葉通り、早大空手部は楽しく、そして真剣に日々の練習に取り組んでいる。4年生は現役生活も残り2カ月を切った。残された全ての試合で最高の結果を残したい――。4年生の思いを胸に、組手・形メンバー共にこれから試合に向けて更なる仕上げにかかる。まずは来月10月14日に行われる関東大学選手権。この大会では特に、全日本大学選手権出場権を懸けて挑む女子団体形に注目だ。

(記事 加藤万理子、写真 目良夕貴)

コメント

丸山政宏主将(社4=東京・世田谷学園)

――練習は4年生が中心になって考えているのですか

主にそうですね。僕が考えています。

――きょうの練習を振り返って

1カ月後に関東の団体戦があるので試合前ということで、体力づけと、試合中できつくなった時に踏ん張れるような体力をつけるということ。あとは身体に染み付くような練習とまだ個人個人が出来ていない部分があり、共通する部分があったら、その1個をとりあえず直そうというのを目標にして練習を組み立てています。そういうやり方で、ウォーミングアップでちょっと体力を使い、辛いけど足を動かす練習と、試合前ということで対人の練習でスパーリングや打ち込み、目ならしの練習で感覚を養いました。

――目ならしというのは

身体が動いていない状態で急に突きが来ても貰ってしまうんですよね。だから当たらない程度に突きを出して、避けられる練習をやります。

――足を動かす練習というのは辛いのですか

休み明けというのもあって、きょうはどちらかといえば抑えていた方です。身体がしんどいときに急にバーンとやってもケガをしてしまうので。普段はもっと道着がびちょびちょになるんですけどね、きょうはちょっと取材があるので(笑)。

――試合が近づくと練習は抑えるのですか

1週間前ぐらいに徐々に温存していきます。オーバーワークだと身体がついていけなくなるので。これからまたちょっとずつ上げていって、1週間前にちょっとずつ下げていってという感じです。

――練習はどのように工夫していますか

モチベーションが上がらなくなってしまうのは嫌で、ずっと6日間練習しているとどんどん悪い方向に進んでいってしまうのは嫌なので、ちょっときつい練習した後は1日置いて、次の日は楽しい練習したりとか色々工夫しないと練習ってつまんなくなってしまうと思います。勝たなくてはいけないのできつい練習もしなければならないんですけど。折り合いは難しいです。どうせなら楽しくやりたい、きついことも楽しくやって試合も楽しくやって、というスタンスでいます。楽しくやろうという感じです。みんな真面目なので、楽しくやっていてもふざけて、というのも無いですし。そこら辺のけじめはしっかりできています。