町田が7回無失点の好投 完封リレーで勝利/明大1回戦

準硬式野球
東京六大学秋季リーグ戦 10月19日 早大東伏見キャンパス 軟式野球場
 
TEAM
明 大
早 大
▽継投・本塁打
〇町田(7回)、吉田(1回)、松村(1回)ー阿部剛 ・本塁打 なし
 
 
町田「自分らしさを出して抑えられた」

 9月に開幕した東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)も最終節を迎えた。前節で春秋連覇の夢が途絶えた早大。この明大戦が4年生と共に戦う最後の舞台となる。試合は初回に1点を奪った早大が、先発・町田倖大(政経2=埼玉・早大本庄)の好投や野手陣の攻守でこの1点を守り切り勝利。勝ち点獲得に向けて大事な初戦をものにした。

 先発の町田は初回、2死から走者を出すも後続を打ち取り無失点で立ち上がる。その裏、先頭の塩尻真生(文3=東京・早実)が右翼線へ強烈な二塁打を放ち、出塁すると、2番の市川諒汰郎(社4=早稲田佐賀)が犠打で塩尻を進めて、1死三塁の場面で打席には久保嶋真也主将(社4=神奈川・桐蔭学園)。その初球で、久保嶋は意表を突いたバントスクイズを敢行。見事に投手の前へ転がして塩尻が生還し、先制点を奪った。

先発のマウンドに上がった町田

 援護をもらった町田は、「調子は良くなかったが、自分らしさを出すことができた」と、緩急を生かして打たせて取る投球を見せ、2回から3イニング連続で明大打線を三者凡退に抑える。早大に追加点の好機が訪れたのは4回裏。先頭の久保嶋が右前打を放ち、犠打で二塁へと進むと、5番・阿部剛士(社4=神奈川・川和)が追い込まれながらもしぶとく二遊間を抜いてセンター前へ。1死一、三塁の好機をつくり後続へとつなぐ。続く松永賢三(スポ4=東京・早実)が打席に入ると、初球に一塁走者の阿部剛が二盗を試みる。しかし相手捕手からの好送球に阻まれ失敗。その後、松永も一ゴロに終わり追加点を奪うことはできなかった。

 早大は6回までに6安打を集めて中盤は4イニング連続で得点圏に走者を進めるも、相手投手を攻め切ることができず、1点差のまま試合は終盤へと展開していった。

ヒットを放つ久保嶋

 7回、町田はテンポ良く2死を取るも内野安打と四球で一、二塁のピンチを迎えた。この回、ボールが先行する場面も見られた町田だったが、「後のことは考えずに投げた」と粘りの投球で後続を二ゴロに抑えて、この回もスコアボードに0を刻んだ。援護点を奪いたい打線だったが、その後も三振と盗塁失敗による併殺や、フライ打球で走者飛び出しによる併殺などで攻撃の流れをつかむことはできず。終わってみれば、得点は初回に奪った1点のみとなった

 8回から継投に入った早大は、2番手の吉田悠平(スポ2=神奈川・川和)が三人で打ち取ると、9回のマウンドには松村悠生(教4=神奈川・川和)が登板した。1死から相手打者の放った打球は二塁後方への小フライ。越えれば中前打というところで、市川が体を目一杯伸ばしてジャンピングキャッチ。投手、そしてチームを救う好捕に早大ベンチは大きく沸いた。2死となり、最後は右飛にしとめて試合終了。虎の子の1点を最後まで守り切った早大が、1ー0で明大を下した。

 今年は東京六大学春季リーグ戦で優勝を収めるも、全日本大学選手権と秋季リーグ戦は思うような結果を残すことはできなかった。しかし、下級生の町田が「4年生と戦えるのは最後だったので、いいかたちで送り出せるように」と話すように、ここまでチームを引っ張ってきた主将の久保嶋をはじめ、4年生と戦えるのも残りわずか。翌日の2回戦でも勝利を収めて、有終の美を飾りたい。

(記事 廣野一眞、写真 濵嶋彩加)

 

コメント

町田倖大(政経2=埼玉・早大本庄)

――どのような気持ちでマウンドに上がりましたか

 優勝の可能性はもうありませんが、4年生と戦える最後の試合だったので、まずは勝ちにこだわって、一緒に楽しくやって、いいかたちで送り出せるようにと思いました。その中でいい投球ができて良かったです。

――7回無失点ご自身の投球を振り返って

 調子はあまり良くない中でしたが、自分らしさを出して抑えられてよかったです。守備でもだいぶ4年生に助けてもらって、4年生の偉大さを感じた試合でした。

――自分らしい投球とはどのようなところですか

 球威で押すタイプではなく、緩急を使って打たせて取るというところです。

――7回のピンチはどういう気持ちで抑えましたか

 2死から走者を出したところで、この回で自分は交代で8、9回を投げるのは厳しいなという感じがしたので、後のことを考えずに一人のバッターを抑えようと集中して投げました。

――今シーズンを振り返って

 ピッチング自体あまり全体的に本意のものではありませんでしたが、耐えのピッチングというか、春の経験を生かして調子が良くない中でも、自分でうまく間を取ったりとかして工夫しながら投げていた結果かなと思います。

――来年以降、どういう投手に成長していきたいですか

 また春リーグで先発することがあると思うので、そこに向けてしっかりとチームを勝たせるピッチャーになりたいと思います。