関東王座が開幕! 逆転で初戦突破/1回戦 東京海上日動火災保険戦

準硬式野球
TEAM
東京海上 11
早大 14
(早)吉田、宮内、髙橋浩、髙橋隆、太田、杉山―阿部剛
◇(二塁打)平尾(5回裏)、阿部剛(6回裏)、市川(7回裏)、久保嶋(7回裏)◇(三塁打)久保嶋(4回裏)、笠井(5回裏)◇(本塁打)岡田(ソロ、5回裏)、久保嶋(ソロ、7回裏)

 東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)で優勝を果たした早大は、関東地区大学・社会人王座決定戦に臨んだ。関東地区の大学5連盟(東京六大学、東都、新関東、神奈川、北関東)の優勝校に社会人のニッキン旗大会の成績優秀3チームを加えた計8チームで争われる本大会。各連盟のパワーバランス上は東京六大学優勝の早大と東都1部優勝の中大が優勝候補の最右翼となるが、4年生にとってはこの大会が泣いても笑っても最後の大会だ。この日行なわれたのはその1回戦、早大はニッキン旗大会2位の東京海上日動火災保険と対戦した。

好投し、流れを呼び込んだ太田

 早大の先発は吉田悠平(スポ1=神奈川・川和)。この日の吉田は社会人チーム特有の雰囲気に飲まれたのか、本来の投球ができない。1死から安打で走者を背負うと、2死二、三塁とされたところから内野安打を含む3連打を浴びて3点を失い、この回限りでマウンドを降りることとなった。さらに、代わった宮内康汰副将(教4=東京・早実)、髙橋浩成(教3=東京・早実)も相手打線の勢いを止められず、5回までに計10本の安打を浴び9失点を喫した。

 反撃したい打線だったが、相手投手をなかなか攻略することができず、3回まではわずか1安打に抑えられる。それでも、4回には東京六大学秋季リーグ戦で最優秀選手賞に輝いた久保嶋真也(社3=神奈川・桐蔭学園)が左越えに三塁打を放ってチャンスメイクすると、続く阿部剛士(社3=神奈川・川和)の内野ゴロの間に生還し、1点を返した。さらに、5回には1死から岡田和也(スポ3=東京・国学院久我山)が右越えにソロを放つと、続く笠井駿汰(政経3=埼玉・早大本庄)も右翼への三塁打で続き、1死三塁の好機を作る。すると、2死から代打・平尾晟登(教3=東京・早実)が相手一塁手の後ろにしぶとく落ちる適時二塁打を放ち、さらに1点を返した。

 なおも大きくビハインドしていた早大だったが、ここから「粘りの早稲田」の本領が発揮される。5回途中から登板した髙橋隆之介(法4=東京・早実)、7回から登板した太田遼(スポ4=神奈川・横浜翠陵)は、いずれも失点こそしたが好投し、試合の流れを引き寄せた。すると6回、早大は先頭の阿部剛が右中間への二塁打で出塁すると、相手の失策や岡田の適時打、さらには市川諒汰郎(社3=早稲田佐賀)の適時打で4点を奪い、3点差に詰め寄る。さらに、続く7回には先頭の久保嶋が右越えにソロを放つと、ここから早大打線がつながり、市川に2点適時二塁打、平尾と久保嶋に適時二塁打が飛び出すなど、打者11人の猛攻で7点を奪い逆転に成功した。そして、3点リードで迎えた最終9回を杉山恵琉(文構1=東京・早実)が三者凡退に抑え、試合終了。早大は準決勝進出を決めた。なお、準決勝の対戦相手は新関東優勝校・創価大となる。

5回、ソロを放った岡田

 最大8点差をひっくり返し、辛くも勝利した早大だが、課題も多く残った。特に序盤は、激闘が続いた秋季リーグ戦の反動や相手チームの雰囲気からか、緊張感に欠ける部分も見られた。それでも、西村豪朗主務(法4=東京・早実)や蒲原実希也(スポ4=兵庫・神戸)らが中心となって声を出し、中盤以降は本来の野球を取り戻したところに今年のチームの強さが垣間見える。4年生に残された試合は残り2試合だ。どのような状況になろうとも、最後まで早大準硬らしい野球を貫いてほしい。

(記事、写真 渡邊悠太)

 ※なお、準決勝と決勝につきましては取材チームの都合がつかないため取材活動を行うことができません。読者の皆様におかれましてはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご容赦ください。また、秋季リーグ戦優勝コメント集につきましても、現在鋭意編集中です。11月中旬までのアップロードを目指しておりますので、今しばらくお待ちください。

コメント

市川諒汰郎(社3=早稲田佐賀)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 チーム全体的に出来の良い試合とは言えませんでしたが、トーナメントの試合では勝つことがすべてだと思うので、最後に(試合を)ひっくり返せたのは良かったと思います。

――市川選手は東京六大学秋季リーグ戦から好守が目立ちます

 自分は打撃というよりは守備の選手だと思っているので、エラーをしないというのは毎日継続したいと思っていますが、このところ良いプレーは出てもエラーしたり、まずいプレーを一日一つするのが続いているのでそういうところは改善していきたいと思います。

――打撃ではクリーンアップを打つ機会も多いですね

 このチームは松永(賢三、スポ3=東京・早実)と岡田(和也、スポ3=東京・国学院久我山)が得点圏で(走者を)還すというのが得点パターンだと思っているので、何とかその二人の前に出塁して得点につなげたり、その二人が(塁に)出たら後ろで還したりというのは特に意識してやっているところです。

――7回の適時打については

 前の打席で外のストレートをライト前に一本打てたので、どこかで真っ直ぐを見せて変化球が来るかなとは思っていましたが、それがたまたま真ん中に来て、良いバッティングができたかなと思います。

――東京六大学秋季リーグ戦ではベストナインを受賞されましたが、そちらについては

 周りの選手にも何回も獲っている選手もいる中で、自分は今回が初受賞ということで、素直にうれしいですし、来年もあと(春と秋の)2季あるので、その2季でまた獲れるように頑張りたいと思います。

――次戦以降への意気込みをお願いします

 負けた時点で4年生との最後の試合になってしまうので、多くてもあと2試合ですが、あと2試合して、優勝で引退してもらえるように全員で頑張りたいと思います。