投打に振るわず大敗を喫する/慶大1回戦

準硬式野球
TEAM
早大
慶大
(早)大澤、髙橋浩、宮内―阿部剛

 準硬式野球の東京六大学秋季リーグ戦も、ついに最終節を迎えた。硬式野球の東京六大学リーグ戦では早慶戦が最終節に固定されているが、準硬式野球の東京六大学リーグ戦は前季の順位に基づいてリーグ戦の日程が決定され、最終節は前季の優勝校と2位校の対戦となる。東京六大学春季リーグ戦では慶大が優勝、早大が2位に入ったため、最終節での早慶戦が実現した。今年の早大は8月に大阪府で行なわれた全日本大学選手権・準々決勝で慶大に敗れており、2カ月ぶりの早慶戦となった。

 勝ち点を獲得すれば優勝に向けて大きく前進する早慶戦、大事な初戦の先発マウンドを任されたのは大澤龍登(文構3=埼玉・星野)。大澤は、走者を出しながらも粘りの投球で好投。2回と4回にそれぞれ1点ずつを失ったが、味方の堅守にも助けられながら好投し、7回を2失点にまとめて味方の援護を待った。しかし、大澤がマウンドを降りた後の8回に救援陣が慶大打線に捕まる。7本の長短打に味方の失策や死球が絡み、打者12人の猛攻で7点を失った。

好投した大澤

 一方の打線は相手先発・日比谷元樹を攻略できない。早大は、慶大バッテリーの変化球を織り交ぜた配球に翻弄(ほんろう)され、得点はおろか、走者を出すことすらもままならないまま試合が進んだ。初回には笠井駿汰(政経3=埼玉・早大本庄)、3回には岡田和也(スポ3=東京・国学院久我山)、4回には市川諒汰郎(社3=早稲田佐賀)が安打を放ったが、いずれも後続が倒れ、得点につなげることができない。5回以降は慶大・日比谷が調子を上げ、早大打線は9回に市川が安打を放つまで14者連続で打ち取られるなど、攻略の糸口をつかむことすらもできないまま試合終了。早慶戦は黒星スタートとなった。

2安打の市川

 早慶戦は黒星スタートとなったが、早大にはまだ優勝の可能性が残されている。優勝のためには慶大に連勝して勝ち点を獲得し、天候不良のため順延となっている立大3回戦に勝利するのが絶対条件となるが、今季の早大はここまで幾多の試練を乗り越えてきた。「粘りの早稲田」の集大成に期待したい。

(記事、写真 渡邊悠太)

コメント

春名真平主将(教4=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 「完敗」という言葉しか出ないですね。(慶大先発の)日比谷(元樹)にやられて、(慶大の)4番の佐藤遼平に打たれて、「手も足も出なかった」というのが正直な感想ですね。

――相手先発・日比谷を攻略できませんでしたが、チームとして工夫していたことはありますか

 (日比谷が)良いピッチャーだというのは全員が知っていると思うので、ボール球を振らないで、自分のストライクゾーンを徹底して意識して振っていくことを心掛けていましたが、日比谷の変化球が良い球で、ボール球に手を出してしまったのが印象的ですね。

――特に5回以降は1安打に抑えられましたが、相手投手の配球が変わったりしましたか

 配球というよりは、日比谷に乗らせてしまったといいますか、早稲田が早打ちをしてしまって、球数が少ない中で、(応援部、応援指導部の)応援もあって日比谷が気持ちよく投げられる環境を作ってしまったのが敗因かなと思います。

――先発の大澤龍登(文構3=埼玉・星野)は好投しましたが、そちらについてはいかがですか

 本当に、大澤に関しては自分の仕事を全うしてくれたといいますか、完璧なピッチングだったと思うので、ランナーを出しながらもギアを上げて、要所をしっかりと抑えて。大澤に申し訳ないといいますか、野手陣が援護してあげられなかったのが申し訳ないですね。

――8回には大量失点してしまいましたが、そちらについてはいかがですか

 ピッチャーが代わってから、髙橋浩成(教3=東京・早実)、宮内(宮内康汰副将、教4=東京・早実)というところで、本当は流れを切って逆転に向かいたかったのですが、慶応も良いバッターがそろっていて、甘いところをしっかりと叩かれて、こちらのエラーが絡んでしまったのが大量失点になってしまったのかな、と思います。

――今日の敗戦により、優勝に向けては3連勝が必須になりましたが、次戦に向けての意気込みをお願いします

 このチームが始まってから、関東大会(関東地区大学選手権)、春季リーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)と苦しい場面を勝ち抜いてきているので、一戦必勝、負けないという形で、条件が分かりやすくなったので、まずは明日の試合で勝ち切れるように頑張りたいと思います。