第1回では、軟式野球部出身の納谷健蔵選手(商2=茨城・土浦日大)、藤澤佑成(社2=東京・早実)にお話を伺いました! 準硬式野球は硬式野球と軟式野球のハイブリッドであり、早大準硬でも軟式野球出身者が活躍しています。軟式野球部出身者から見た、準硬式野球の魅力とは――。
――準硬式野球部に入部したきっかけを教えてください
納谷 高校3年生の時に新型コロナウイルスの影響で最後の大会がなくなってしまって、不完全燃焼で高校野球が終わってしまいました。そういった中で、大学に行っても一生懸命野球に打ち込める環境を求めて、準硬式野球部に入部しました。
藤澤 僕も(納谷と)一緒で、高校3年の時に最後の大会が行われることがなく、悔いが残るかたちで高校野球が終わってしまったので、大学でも真剣に野球に取り組める環境を探していました。高校の直属の先輩の鳥越さん(康介副将、文構4=東京・早実)や尾坂さん(伸太朗、社4=東京・早実)が準硬式野球部に入っていたことを知っており、活躍をちょくちょく早スポさんの記事で見ていて、準硬式野球部に入ろうと思いました。
――他の部活と比較した時の準硬式野球部の魅力を教えてください
納谷 準硬式野球部は練習時間が短いので、その分自分の勉強だったり、アルバイトだったりといった部活以外の面に時間を使うことができるというのが、いいところだと思います。
藤澤 他の体育会各部だと、アルバイトが禁止となっている部活も多いと思うので、アルバイトなどをする自由な時間が多いことですね。
――ちなみにどんなアルバイトをやっていますか
納谷 家庭教師と、時々神宮球場のスタッフアルバイトに入っています。
藤澤 飲食系です。
――軟式野球と準硬式野球の違いはどんな点だと思いますか
納谷 一番大きな違いは、打感や打球の速度、打球の飛距離などの打撃の面だと思っています。軟式の時は、外野を越す当たりというのはあまりなかったのですが、準硬式は軟式と比べて(打球が)飛ぶので、それによって戦術も変わるところが、大きな違いだと思います。
藤澤 僕が一番感じたのはボールの重さの違いですね。その影響で肩や肘に負担がかかるので、投げる面で準硬式ボールに慣れるのが難しかったですね。
――準硬式野球に慣れるまでに時間はかかりましたか
納谷 打つ方は慣れるまでに結構時間がかかりました。投げるという面に関しては、(ボールの)表面がゴムだということもあって、軟式に近いので、抵抗感はなかったです。
藤澤 (納谷と)逆で、打撃の方はそこまで違和感はなかったのですが、投げる面で、重さが違うので、投げづらいというのは多かったです。
――軟式野球で培ってきた経験は、準硬式野球でどのように役立っていますか
納谷 先ほども言ったように、投げる方では、軟式と近いものを感じていて、その点では、硬式から降りてきた人よりも、ボールの掛かり具合といった面で、軟式でやってきたことが生かされていると思います。
藤澤 硬式の人だと、硬式は(ボールの)縫い目が赤いので、(準硬式のボールは縫い目が白いため)縫い目が分かりづらいという人が多いのです。しかし、軟式あがりだと、普段から(縫い目が白い)軟式ボールを見ていたので、(準硬式のボールでも)縫い目が分かりづらいということはなかったです。
――準硬式野球部に入って一番成長できたと感じる部分はどこですか
納谷 準硬式野球部は、学生に任せられている部分が多いので、自主性を重んじられているといういい点があります。それは一方では、自分で考えて、目的意識をもって練習しないといけないということにもなるので、そこで自分で考えて、自分に足りないことを補うという、考えて実行に移すという力はついたと思います。
藤澤 決まった練習というのが少なく、自主練習の時間も多く取ることができるので、自分の打撃や守備を自己分析して、個人の弱点(克服)に向けた個人練習をすることが多くなったかなと思います。
――入部してから大変だと感じたことはありますか
納谷 テスト前の学業との両立かなと思います。テスト週間は部活が休みになるのですが、中間試験などの時は普通に部活があるので、部活をしながら自分の勉強もしなくてはいけないという、そこの両立かなと思います。
藤澤 軟式野球と比べてボールが当たった時の痛さが桁違いで、準硬式野球部に入ってから1年目だけで3回ケガをしているので、ケガが多くなってしまったというのが、防ぎようがないのですが大変でした。
――今後の目標を教えてください
納谷 まずはAチームに上がって、リーグ戦でベンチ入りできるように練習していくことかなと思います。それが目標です。
藤澤 リーグ戦のベンチ入りはもちろん最終目標にはしているのですが、この1年は新人戦が春、秋とあるので、その新人戦で活躍できるように頑張りたいと思います。
――新入生に向けてメッセージをお願いします
納谷 準硬式は誰でも一生懸命取り組めば活躍できる環境があると思います。軟式あがりの人たちでも、普通に練習、試合ができていますし、軟式あがりの人たちでも、戸惑わずに入ってきてほしいと思います。
藤澤 僕は入るときに、高校で軟式をやっていたので、みんな硬式あがりの人で、レベル的に僕では活躍できないかなと思った時期もありました。それでも自分の学年だけでも軟式出身が5人もいますし、軟式野球部出身でも十分活躍できる環境だと思っています。軟式野球部出身でも安心して入ってきてほしいです。
(取材・編集 齋藤汰朗、写真 小山亜美氏)