【連載】準硬式野球部新歓企画 第1回 尾坂伸太朗×鳥越康介

準硬式野球

 記念すべき第1回は早稲田実業校軟式野球部出身の尾坂伸太朗選手(社3=東京・早実)、鳥越康介選手(文講3=東京・早実)にお話を伺いました!準硬式野球部には硬式野球部出身者だけではなく、軟式野球部出身者も所属しています。軟式野球部出身だからこそ気づくことができた、準硬の魅力とは――。

――今回は新歓に関係する企画ということで、まずはお二人が準硬式野球部に入部された経緯を教えていただけますか

鳥越 準硬式野球部に軟式野球部の先輩が何人か所属していたこともあり、以前から誘われて。高校で結果を出すことができたのも自信になって、大学でも挑戦してみようかなと思い入部しました。硬式野球部は、高校時代に軟式野球部だったのでもとから選択肢になくて、サークルよりも雰囲気的が自分に合っているかなと思って、わりと自由に、高いレベルで野球ができる準硬式野球部に入部しました。

尾坂 自分は軟式野球をやっていたのですが、高校時代からずっと怪我をしていて。正直、高校を卒業したときは、サークルに入って野球をしようと思っていたのですが、高校最後の試合が不甲斐ない結果で終わってしまい、もっと真面目に野球を続けたいと思って、軟式野球から硬式野球は厳しい部分があるので、準硬式野球部も体育会でちゃんとした部活なので、そこで野球がしたいと思い入部しました。

――準硬式野球の魅力とは

鳥越  まず、同じ野球なのですが全然違う競技で。軟式野球だとひたすらゴロを打って、バッティングだったり、ボールがゴムで弾むので守備だったり、戦術だったりが違います。準硬式野球は軟式野球よりも硬式野球に近くて、ボールも飛ぶし、打球も速いし、ピッチャーが投げる球も速くなって変化球も曲がるようになって。自分の実力がそのまま出る環境かなと思います。

尾坂 準硬式野球は軟式野球と比べると、僕はピッチャーなのでピッチャー目線で言うと、軟式野球上がりの人は馴染みやすいと思います。見た目は軟式野球みたいなもので、感覚も軟式野球のボールとあまり変わらないので、もしピッチャーだったら馴染みやすいと思います。あと、準硬式野球部の魅力は、自主性が尊重されている部活なので、自分のやりたい練習ができて、やろうと思えば自分のしたいことが自由にできる環境です。

――軟式野球部での経験が生きていると思う点はありますか

鳥越  準硬式野球は硬式野球と軟式野球の中間だと思っていて、ボールがゴムなので引っ掛けると回転がかかってくることは硬式野球にはないと思いますし、戦術でも硬式野球に比べてバントが多いと感じるので、そういう点で軟式野球と似ていると思っています。

尾坂  見た目が軟式野球ボールとほとんど同じなので、多少弾み方は違いますが、投げた感覚とか変化球はほぼ一緒なので、軟式野球をやっていたら準硬式野球はだいぶ投げやすいし、準硬式野球のほうが変化球のキレや変化量が出やすいくなるので、軟式野球の経験が生きていると思います。

――入部にあたって、先輩からはどのようなアドバイスがありましたか

鳥越 自分は、今年社会人1年目の市川空さん(令3教卒=東京・早実)という先輩に誘われていて、「軟式野球よりもレベルが高いし、わりと自由だから合っていると思うよ」と誘っていただきました。

尾坂 自分も2個上に軟式野球出身の人が3人いたのですが、その人たちが準硬式野球に馴染めていて新人戦にも出ていたという話を聞いていたので、自分たちも軟式野球で結果を残していたので挑戦できるのかなと思いました。

――準硬式野球部に入部して良かったと感じたエピソードがあれば教えてください

鳥越 自分たちの学年は真面目で野球が好きで全体的に仲が良いので、オフの日もみんなで遊びに行ったり、他の部活と違って自由な時間がけっこうあるので、そこでみんなと交流を深めることができました。

尾坂 高校は個人的には不完全燃焼で終わって、もう一度野球と向き合って突き詰められる環境があったことが良かったです。

――入部当初大変だったことはありますか

鳥越  人数が多いので、顔と名前と学年を一致させるのが大変でした。平日練は自分が出られる日に練習するので、まったく被らない人は土日しか会わないので、覚えるのが大変でした。上下関係が厳しすぎる部ではないので、夏休みや春休みなどに話しかけてくれて、覚えていきました。

尾坂 野球的な話なのですが、軟式野球はストライクを放っておけば打ち取れるみたいな感じで、ピッチャー主体なのが軟式野球で。準硬式野球はバッターも振ってきて、簡単に打球を飛ばされるな、と自分の力の無さを痛感しました。

――2年間で成長した部分は

鳥越 体が高校時代とだいぶ変わって、軟式野球はボールの反発が少ないのでそこまで筋肉がいらないのですが、準硬式野球のボールは硬くて重いので、体の力が必要になって、自然と体が大きくなってきたと感じます。まだまだですが、守備も打球の速さについてこれるようになってきたので、全体的に成長を感じることができています。

尾坂 高校時代に怪我をして詳しいこともわからずリハビリをしていて、準硬式野球部に入ってからも怪我が続いていたんですけど、スポーツ科学部があるので専門的なことを知っているトレーナーがいたりして、メカニズムとか可動域を良くするとか根本的なところからリハビリに取り組めたことが良かったと思いました。

――他の部と比べたときの、準硬式野球部の良さは何ですか

鳥越 自由なところと、上下関係において良い関係を築けるところです。自由っていうのは、個人で調整しないといけないので人間的にも自分に対して厳しくなれると思います。

尾坂 自主性です。練習に行かないと思えば別に行かなくてもいいし、ちゃんと真剣にやっている人もいるし、プロを目指す人もいますし、本当に自分次第っていうのが大きいです。

――現在、取り組んでいることは

鳥越 野球だったら、自分はバッティングが持ち味なのですが、そこの勘をとり戻すことと、もとに戻るだけだと意味がないので前回よりもレベルアップできるように調整しながら頑張っているところです。

尾坂  高校時代に比べて球種が増えて、実践で投げられる頻度が増えてきたのでコントロールを磨きにかかっているところです。

――部全体としての目標を教えてください

鳥越 日本一連覇っていうのを目指せるのは自分たちしかいないと思っているので、まず日本一を1つの大きな目標として、全日本に出るためにリーグ戦で優勝して、全部勝つ気持ちでやっていきたいと思います。

――最後に新入生に向けてメッセージをお願いします

鳥越 自分たち軟式野球出身として、どこかで勝手に硬式野球をやっている人よりも劣っているとか壁があるんじゃないか、自分のことを下手だと思っているかもしれないですが、そこは意外とそうじゃなくて、自分に自信を持って準硬式野球部に入って来てほしいと思います。一般の新入生も、早くから実戦に参加できる環境になっていると思うので、意識を持って入って来てほしいです。

尾坂 早稲田の体育会ということで、ハードルが高く見えるかもしれませんが、自分次第で準硬式野球部はどうにでもなる部活だと思います。軟式野球球児にとって準硬式野球は抵抗があるというか、上に感じると思いますが、努力すれば追いつくことができるので、強くお勧めしたいです。

(取材・編集 樋本岳、写真 鬼頭遥南、小山亜美)