打線爆発!永井の活躍もあり強豪を制す/1回戦 関東学院大

準硬式野球
1回戦
関東学院大    
早大

    19
(7回コールド)(早)〇大津、今井-中村康
♢(本塁打)永井(1号ソロ、2号3ラン、3号2ラン) (三塁打)今駒 (二塁打)森田、徳島

 本拠地・早大東伏見グラウンドで開幕した関東地区大学・社会人王座決定戦(王座)。初回、先発・大津杜都(文構2=東京・宝仙理数インター)が味方守備の乱れと自身の暴投により2点を失い、早くも追う展開に。しかし直後の攻撃で永井隆太(スポ4=石川・七尾)が1点差に詰め寄るソロ本塁打を放つと、3回には再び永井が適時打を放ち逆転に成功した。その後はバットに火が付いた早大打線の猛攻が止まらない。4回に5点を奪い中押しに成功すると、5、6回にもそれぞれ大量得点を奪い関東学院大を粉砕。大量19得点を挙げ、王座1回戦を突破した。

 先制点は、献上してしまうかたちとなった。初回、大津が2番打者に四球を与える。次打者は打ち取り、2死一塁で4番打者を迎える。打者が3球目を打ち上げた打球は左翼手の元へ高々と上がった。しかし、左翼を守る徳島有樹(スポ4=早稲田佐賀)がこれを捕球できず。2死のため、スタートを切っていた一塁走者は一気に本塁へと生還した。その後も四球と盗塁で一、三塁としたところで、大津が痛恨の暴投。2点目を失い、早くも追う展開になってしまった。だがその裏、永井が左越えソロ本塁打を放ち、すぐさま1点差に詰め寄る。そして、この本塁打がまさに反撃の狼煙(のろし)となった。3回、今駒顕二郎(教4=東京・早大学院)の内野ゴロの間に1点を挙げたちまち同点に。1死一、三塁とさらに得点機は続き、打席には再び永井。ここもきっちりと右前に運び、勝ち越しに成功。初回の嫌なムードはどこへやら。頼れる3番のバットで、流れは完全に早大へと傾いた。

初回にソロ本塁打を放つ永井

 一度堰(せき)を切った川の流れは止まらない。続く4回。相手投手を攻め立て1死満塁とすると、この日1番に座る森田達貴主将(スポ4=埼玉・県立浦和)が2点適時二塁打を放ちリードをさらに広げる。続く今駒は三ゴロに倒れたが、後ろには頼れる3番・永井がいる。そしてこの打席も――。2球目を完璧に捉えると、左翼の防球ネットへと突き刺さる超特大弾に。この回5点を奪った時点で、勝負ありだったと言えよう。しかし、無情にも神奈川の強豪・関東学院大を攻め続けた。5回には6連打を含む打者一巡の攻撃で6点。6回にも今駒の中前適時打や絶好調男・永井のこの日3本目となる本塁打などで5得点。気が付けば、点差は『17』にも膨れ上がっていた。そして、7回の守備をゼロで抑えたところで大会規定によりコールド。圧倒的な攻撃力を誇示した早大が1回戦を突破した。

この日2本目の本塁打を放ち、ベンチに迎えられる永井

 5安打8打点3本塁打と気を吐いた永井を中心とする攻撃陣、6回2失点と粘投した先発・大津。見事に投打がかみ合ったこの試合だが、勝因を一つだけ挙げるとしたら、やはり初回の永井の本塁打だろう。嫌な流れで先制を許した直後に、1点でも取れたのは大きい。「流れを自分たちの元に引き戻せた。チームの士気も上がった」(永井)。もしあの回、無得点に終わっていたら、関東学院大に流れを持っていかれた可能性は十分にあっただろう。また、この大会が終われば4年生は泣いても笑っても引退を迎える。「誰か打って勝てばいい。優勝目がけて頑張っていきたい」(永井)。仲間との時間を少しでも長くするために――。あすも『勝ち』にこだわり、全力で向かっていきたい。

(記事、写真 石﨑開)

コメント

永井隆太(スポ4=石川・七尾)

――まずはこの関東地区大学・社会人王座決定戦(王座)にはどのような気持ちで臨まれていますか

もうチームみんなと戦えるのは最後の大会ということで。リーグ戦(東京六大学秋季リーグ戦)も優勝、新人戦(木村杯新人戦)も優勝とかなりいい流れできているので、この流れで絶対1位になって、笑顔で終わりたいなと。大会位置付けとしては、もちろんチームみんなで優勝を狙っていて、みんなで集中してやっていますね。

――まさに打ち勝ちましたが、きょうの試合を振り返っていただいてもよろしいですか

初回にああいったかたち(失策と暴投)で点が入ってしまって、少し嫌な流れといいますか、出だしは良くなかったんですけれども、1回裏に僕がホームラン打てて、流れを自分たちの元に引き戻せたというか、それは結構大きかったのかなと思います。

――点を取られた後に1点でも返せたのは大きかったという見方ですね

そうですね。あれでやっぱりチームの士気も結構上がったのかなと思います。

――きょうの永井選手はタイミングが非常に合っているように思われましたが、相手投手の球はいかがでしたか

きょう出てきた全員のピッチャーからホームランを打てたというのは、僕自身がたまたま調子良かったということで。同じスイングが毎回できたので、それが全部同じような(左越えの)ホームランにつながったのかなと思います。

――狙い球を絞って打ちに行っていたのですか。それとも、来た球にうまくタイミングを合わせられたという感じでしょうか

どちらかというと後者で、来た球に(合わせる)といった感じでしたね。あとは自分は結構、「このゾーンで打つ」といいますか、球種というよりかはゾーンでいつも張っているんですけれども、それがよくハマったのかなと思っています。

――最後に次戦に向けて一言お願いします

あした自分がどういう調子で迎えられるかは分からないんですけれども、誰か打って勝てばいい話なので、僕はそのときのベストを尽くしてチーム全員で優勝目がけて頑張っていきます。