失策響き7失点…陸の王者にリベンジならず

準硬式野球
慶大1回戦
早大
慶大 ×
(早)●矢坂、田中、内田-齋藤成

 春季東京六大学リーグ戦(リーグ戦)、明大相手に勝ち点を落とした早大はこれ以上負けを引きずれない――。そんな中挑んだ相手は3月末の関東地区大学選手権で敗北した慶大。早慶戦という両校の意地がぶつかる絶対に負けられない試合でもある。しかし1回から先発・矢坂颯雅(社3=東京・早実)が慶大打線につかまり先制を許すと、守備の詰めの甘さを突かれ、じわじわと点差を広げられていく。打線で追いつくこともできず、終わってみれば3-7。またもや永遠のライバル・慶大に勝ちを許した。

 ここぞという時の失策が命取りとなった。「自分のリズムが悪かった」と初回から3回まで毎回走者を出し失点をするも、最少失点に抑えていた矢坂。しかし5回、1死から右前打と四球で1死一、二塁とし、迎えた6番・大町(慶大)。平凡な打球だったが、三塁を守る吉田良平(スポ4=岐阜東)がファンブル。走者に塁を進められ、ピンチになる。この回に3点を奪われ、1-6と点差を広げられた。7回にも適時失策で慶大に7点目を与えるなどこの日計5失策。リーグ戦を勝ち抜くためには、守備の早急な改善が求められる。

守備に課題が残った

 一方の早大打線は、反撃するほどの元気がなかった。この日2安打の池上倫平(政経2=東京・早実)を始めとし、単打で塁にこそ出たが、打線が続かない。結局好機を広げることができず、7安打3得点と前回の試合から中3日で登板した矢坂や田中宏和(スポ3=福岡・久留米)を援護することができなかった。

好機で打てず、悔しい表情を見せた笹井

 これまでのリーグ戦、1勝3敗と負けが先行している。池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)は、「死に物狂いでやらないと勝てない。なりふり構わず」とミーティングの際選手たちを鼓舞した。全日本大学選手権進出にはこの悪い雰囲気を断ち切り、一つずつ勝利を重ねていかなければならない。まずは前を向いて、慶大2回戦を勝利で飾ってほしい。

(記事 中村朋子、写真 加藤耀)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

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コメント

池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)

――早慶戦でしたがどのような気持ちで試合に臨まれましたか

もう絶対負けたくなかったですね。他大学になら負けてもいいということではないんですけど、やはり慶應にだけは何がなんでも勝ちたい、というのがありました。気持ち、気迫で向こうの方が上回っていたかな、という感じですね。

――ここまでリーグ戦を1勝3敗と波に乗れていませんが、戦いぶりについてどうお考えですか

選手は練習も含めてきょねんの秋から積み上げてやってきてはいるんですけど、なかなかそれが身に付いてない部分が多い。それがエラーにつながっていると思うんですけど。あとはやはり気持ちが、相手に勝ってやろう、という気迫がおそらく個々人にもう少し出てくれば展開も多少変わってきたかなという感じはするんですけどね。

――きょうはここぞの場面での守備のミスが目立ちました

守備の場合はもううまくなるには練習するしかないですよね。やはり練習時間というのが限られた中でやっているということがあるので、あとは個々人が時間をどういう風に生かして、練習を積み上げて自分のものにしていくか。それが今後やってもらうしかないことですね。

――先発の矢坂(颯雅、社3=東京・早実)選手が序盤から打ち込まれました。投手陣の疲労、調子などは

矢坂はよく投げていると思いますけどね。点を取られたのもエラーが元で点が入っているというのがあるのでね。ただ5回にヒットを打たれちゃったんですけど、あれはやはり明治戦でだいぶがんばってもらって、理由にはならないですが、しかも日数もあまり空いていなかったことが彼の場合は影響しているかもしれないですね。あとはエースの黒須(裕太、人3=栃木・真岡)がけがでまだ試合で投げられる状態ではないので、彼が戻ってくるまではいまの投手陣でつなぎながら粘り強くやってもらうしかないですね。

――黒須選手に関して、ブルペン待機でしたがまだ試合では使えないという状況ですか

ちょっとまだ先発は難しいと思いますね。短いイニングなら投げられるかもしれないですけど、コントロールとかは実際にマウンドで投げてみないとわからないところもあると思うので、様子を見つつ、というところですね。

――打撃陣は持ち味を発揮できませんでしたが

打つ方は練習していない訳ではないのですが、やはり打てないということは試合を想定した練習だとかが欠けているということですかね。個人の素振りというのはやっているんですけど、ランナーが何塁にいて、アウトがいくつで、という場面でどういうバッティングをしなければいけないか、というような試合を想定した練習がやりきれていなかったのがきょうの結果という気がします。

――あしたにも試合があります。意気込みをお願いします

さっき選手全員にも言ったんですけど、死に物狂いでやらないと勝てないですよね。なりふり構わず。とにかく勝つという一点にのみ集中してやはりチームが目指していかないと。現状を打破するには勝つというのが一番良い薬になると思うので、そこに向けてまずはやるだけですね。

矢坂颯雅(社3=東京・早実)

――関東地区大学選手権のリベンジなりませんでした

そうですね。初回結構連打され、1点だったので冷静に投げられるかなと思ったのですが、リズム悪くしてしまって。それが攻撃にも影響したのではないのかなっていうのはあります。

――慶大と対戦するにあたって気をつけていた点などは

どちらかというと小技とかで、大きいのを狙うのではなく、単打単打でつないでくるチームだと思っていたので、変化球もそうですけど、ストレートでそういうところは押していけたらいいなと思っていたのですが、今日はあまり球もいってなかったですし、思うように打たれたという感じでした。

――ピンチの中、序盤は失点を最小限に抑えられました。精神的な面ではいかがでしたか

きょうは冷静に投げられていたと思うのですが、最少失点と言っても、結構ランナーをフォアボールでだしたり、エラーで出たりと、自分のリズムが悪かったかなと思います。

――疲れはありますか

そうですね。明大戦3戦全部投げて、きょうは中3日の状態で投げたので。試合前はそんなにないかなと思ったのですが、球自体いってなかったんで、やはり疲れは多少あったのかなと。

――味方の失策もきょうは目立ちました。チームの雰囲気は

明大戦は結構仲間に助けられてといった感じだったのですが、きょうは自分のリズムが悪かったのでなんとも言えないのですが、ちょっとエラーは多いかなと、それは改善していかないと今後勝ちあがれないので、自分のリズムが良ければ失策というのも減っていくと思うので、そこは気をつけていきたいと思います。

――ここまでの戦いぶりはいかがですか

そうですね。明大に勝ち点を落としていて、もう負けられない試合だとは思っていたのですがきょうも落としてしまって。でもあした、あさってまた勝てば勝ち点は取れるので、モチベーションは絶対下げてはいけないと思うので、戦う姿勢というのは強く持って頑張っていければいいと思います。

――次戦までにどのような練習に取り組んでいきたいですか

そうですね。もう体をケアするということしか今はないかなと思うので。あとは相手をしっかり見て、今から上手くなるというよりかは、相手をよく見て、情報を集めて、しっかり考えてやっていくことが大事だと思うので、頑張っていきたいと思います。