打線が沈黙、屈辱の完封負け/慶大2回戦

準硬式野球
慶大2回戦
早大
慶大 ×
(早)●黒須、沼座-松下

 相手よりも多くの点を獲得したチームが勝つ。野球も他の多くの競技同様、得点を争うスポーツだ。しかし、それは点を取れなければ勝つことができない、ということの裏返し。1点も取ることができないチームには引き分け、または負けという選択しか残らない。この日行われた対慶大2回戦は、まさに1点の重みに泣いた試合となった。先発の黒須裕太(人2=栃木・真岡)は初回に1点を先制されるも、その後は相手に追加点を許さない。しかし、頼もしい投手陣の活躍の裏で打線が沈黙。ほとんど好機すらつくれず、試合は慶大ペースに。結局最後まで得点が奪えず、スミイチでまさかの完封負けを喫した。

 東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)で素晴らしい成績を上げている早大投手陣。この日もしっかりとその役目を果たした。先発を任されたのは黒須。初回、先頭打者にいきなり二塁打を浴びると、左翼手が打球処理を誤り打者走者は三塁へ。無死三塁となり、次打者の内野ゴロの間に1点を先制される。しかし、ここで相手に流れを渡さないのがいまの黒須。「最小失点で抑えることを考えました」(黒須)と、すぐに気持ちを切り替え、その後は毎回のように走者を出しながらも要所を抑えていく。追加点を与えることは決して許されないプレッシャーの中でも、自分のリズムを崩さず7回までを1失点。代わった沼座翔平(スポ4=広島なぎさ)も任された1回を三者凡退に抑える好投で、慶大打線を勢いづかせることは許さなかった。

持ち味を発揮し、文句なしの投球を見せた黒須

 初回に取られた1点が大きな重圧となって打線にのしかかった。5回までの攻撃を打者15人で終え、ほとんど完璧とも言える内容で抑え込まれた早大。6回には安打で出塁した投手・黒須にヒットエンドランで盗塁を指示するなど、あらゆる作戦を講じたものの好機を生かせない。終盤になると、出塁しなければならないという焦りから思い切ったスイングができず、慶大投手陣を前に凡打が続いた。結局、三塁すら踏めないまま散発4安打に沈み、投手陣の援護はできなかった。

1つ塁を進むことすらこの日は厳しかった

 開幕連勝スタート後の2連敗。この試合の先発野手8人は秋季リーグ開幕戦と同じメンバーであったが、前節に行われた立大戦の勢いはそこにはなかった。現在、早大レギュラー陣は下級生中心の布陣であるが、早慶2連戦では試合経験の少なさが露呈したことは否めない。まずは、2試合共に慶大の土俵でゲームを展開させてしまった反省点を探ることが重要だ。幸いにも次に行われる東大戦までは2週間の猶予がある。この期間をうまく利用して、チームの立て直しを図りたい。

(記事 杉田陵也、写真 千葉大輝)

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コメント

黒須裕太(人2=栃木・真岡)

――本日の投球を振り返っていかがでしたか

前回の立教戦同様に自分の投球をしようと意識しました。序盤、ボールが甘くなり痛打されることが多かったのですが、粘り強く投げることができ、最小失点で抑えることができて良かったです。

――初回にいきなり先制されましたがどのように気持ち切り替えていきましたか

あの失点は仕方ない失点だったので、点を取ってくれることを願って最小失点で抑えることを考えました。その結果、最小失点で抑えることができて良かったです。

――4回のピンチを抑えたときのお気持ちをお聞かせください

1点取られてしまうと悪い流れが早稲田に来てしまうと思ったので、意地でも抑えようと思いました。集中して落ち着いて投げることができました

――球数も少なくテンポのいい投球は収穫と言って良いのではないでしょうか

自分の持ち味はテンポ良く投球していくところなので、長所を出せたのは収穫です。

――次回の登板への意気込みをお願いします

これからも試合が続くのでテンポよく投球していきたいと思います。