完勝も課題が残る試合に/東大2回戦

準硬式野球

東大2回戦
早大 12
東大
(早)○黒須、沼座、山口-松下、蘆野、利光

◇(三塁打)沼田2、矢野、土屋(二塁打)沼田、松下

 「良いところもありましたが、それ以上に課題が見えた試合だと思います」。松本憲太郎主将(スポ4=福岡・筑紫丘)は、この試合を端的に振り返った。結果は12-4。スコアだけを見れば圧倒的な勝利だ。しかし、試合内容は決して良くない。12点差で迎えた6回。ここまで東大打線を抑えてきた先発・黒須裕太(人2=栃木・真岡)が3連打を浴びるなどして4失点を喫する。その後は東大に試合の主導権を握られ、打線も沈黙。勝ち点を2としたものの、後味の悪い試合となった。

 初回、マウンドに上がったのは公式戦初先発の黒須。この日は自身20回目の誕生日でもあり、スタンドからは『ハッピーバースデートゥーユー』の歌に乗せ、大きな声援が送られた。序盤、黒須は低めを突いた丁寧な投球で東大打線を淡々と打ち取っていく。その間に打線も12点のリードをつくり、2日連続のコールド勝ちが手に届く位置にあった。しかし6回、黒須が突如として東大打線に捕まり3連打を浴びる。そして、そこから味方の失策も絡み、あっという間に4失点。「詰めの甘い所が出た」(黒須)と、点数で相手を大きく引き離した直後の浮足立ったところに付け込まれる形となった。

課題は残るものの初先発の役目を果たした黒須

 この日も打線は初回からその力を見せつけた。先頭打者から2人連続で出塁を果たすと、相手投手の暴投で早々に先制。その後も打線がつながり、一挙3点を獲得した。2回以降も着々と得点を重ねた早大。6回までに大量12得点を記録し、初先発の黒須を援護した。しかし、4失点を喫した後の状況は一変する。「あまりにも打ち損じが多かった」(松本)。高めに浮く球が多い東大投手陣に対し、積極的な攻撃を続けた早大。打ち気に走った結果、飛球が多くなり、7回以降9つのアウトのうち6つが飛球によるものとなった。リードは奪っているものの、相手の意のままに淡白な攻撃を強いられる展開が続き、結局追加点は0。最後に納得のいく攻撃ができないまま試合を終えた。

チーム最多タイの3安打を放った松本

 この日も圧倒的な力を見せつけた早大。しかし、スコアには表れない多くの課題が露呈した試合であった。次に対するは、今大会開幕戦で完封負けを喫した法大。開幕戦同様、チームの総力をかけた試合になることが予想される。早大にとっても勝てば単独首位に躍り出ることができる大事な試合だ。「決勝戦のつもりでしっかり準備をして、全員で勝ちにいきたい」(松本)。今大会最大の山場で早大野球の真価が問われる。

(記事、写真 杉田陵也)

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コメント

松本憲太郎主将(スポ4=福岡・筑紫丘)

――きょうの試合を振り返っていかがでしょうか

良いところもありましたが、それ以上に課題が見えた試合だと思います。

――きょうの試合後のミーティングはいつも以上に長かったですが、具体的にどのような課題がありますか

点数を取られて以降、その流れを止められなかったことです。勝ってはいましたが、自分たちの野球ができなくなってしまいました。打線も工夫がなく、単調に終わってしまったと思います。

――それでも打線はきょうも12得点と大活躍でした

打てたと言えば打てたのですが、6回に点数を取られてからは全く打てませんでした。きょうの投手は甘い球が多かったのですが、あまりにも打ち損じが多かったです。これから法大戦、明大戦がありますが、そこの投手は甘い球が少ないので、その甘い球を打ち損じることなくしっかりと打ち返せるようにしたいです。

――ここまでの対東大戦、チームとして何か課題を持って臨んだということはありましたか

特に東大だからと言って、何かしようということはありません。しっかりと自分たちの野球をするということを意識していました。

――通常月曜日は練習を行っていませんが、今週はどのような予定ですか

水曜日に法大戦が控えているので、メンバーは月曜日もグラウンドに集まって練習をします。

――次戦の法大3回戦は優勝へ向け大事な試合となりますが、そこに向けての意気込みをお願いします

相手投手はすごく良いですし、次の法大戦がリーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)の結果に大きく関わる重要な試合だということは、僕自身も含めてチームのみんなも分かっていると思うので、相当な気合を入れて、決勝戦のつもりでしっかり準備をして、全員で勝ちにいきたいと思います。

黒須裕太(人2=栃木・真岡)

――20歳の誕生日おめでとうございます

ありがとうございます!

――きょうの投球を振り返っていかがでしょうか

前回と同様に終盤で崩れてしまって、そこは詰めの甘い所が出たのだと思います。これからは終盤まで投げ切れるようにしたいです。

――きょうは初先発でしたが、先輩からのアドバイスなどはありましたか

紅白戦などで先発をしたことがあったのでアドバイスはありませんでした。しかし、中継ぎと違って(先発は)ペース配分が大事になってくると思って、後半のことを考えて投げるようにはしていました。

――6回に東大打線に捕まり4点を失いましたが、その要因は何であると考えていますか

初球の入りが甘くて、初球を打たれてピンチを招き、点を取られてしまったので、初球はボール球から入るなど、もう少し考えてやっていきたいと思います。

――失点の要因としてスタミナの面に課題はありましたか

(途中から)ボールが行かなくなって、スタミナの面で不安なところがありました。なので、走り込みや投げ込みをしっかりして、スタミナは自分の課題でもあったので克服できたらなと思います。

――きょうは初打点もあげました。打撃は得意なのでしょうか

高校時代は三塁手もやっていたので苦ではないです。

――東京六大学春季リーグ戦では投手も打席に立ちますが、そこでの役割はどうお考えですか

下位打線で、9番(打者)には松本さん(憲太郎主将、スポ4=福岡・筑紫丘)がいるので、後ろに良いかたちで回せればと思っています。なので、打つだけではなくバントなどの小技も練習をして、しっかり試合で決められればなと思います。

――次戦の法大3回戦では中継ぎでの起用が考えられますが、そこに向けて一言お願いします

中継ぎということなので、投げる機会があれば自分の役割をしっかりやって、チームの勝利に貢献できればなと思っています。